山  名   船通山 
 標  高   1142.5m
 場  所   島根県奥出雲町・鳥取県日南町 
 登  頂  H25.5.5
 アクセス   三次東JCT→松江自動車道→高野IC→432号→出雲三成→314号→出雲横田→107号→108号→斐之上温泉
 コース   わくわくプール→鳥上滝コース登山口→山頂→亀石コースの登山口→わくわくプール
 メンバー   同道二人

 

                                【概 要】                                  

 船通山は標高1142.5mで島根県奥出雲町と鳥取県日南町の県境に位置し、比婆道後帝釈国定公園の一郭に属します。広い山頂部からの展望は素晴らしく360°の景観が得られ、条件が良ければ大山や比婆山連峰、さらには三瓶山や島根半島まで見通せと云います。山頂部周辺はカタクリの自生地で、4月末から5月上旬の開花時期には多くの登山者でにぎわいます。また八岐大蛇伝説の須佐之男命に由来する「天叢雲剣出顕之地(あめのむらくものつるぎ)」の碑が立っています。  
  登山道は島根県側からは、鳥上滝コース、亀石コース、また鳥取県側からは日南町上萩山からのコースがありますが、どのコースもよく整備され比較的容易に山頂に立てます。
 今回は鳥上滝コースから登り亀石コースで下山しましたが、鳥上滝コースは自然林の豊かな渓流沿いの石畳道を登り、亀石コースはブナ林の中の横手道を経て降りる変化に富んだコースでした。

○鳥上滝コース登山口〜山頂
 斐之上温泉の先のわくわくプールの駐車場は満車状態です。この先の三叉路に船通山登山口の標柱が立ち、左に亀石コース、右が鳥上滝コースの表示があります。ここで右にとり「民宿たなべ」先の路肩に駐車しますが、ここもすでに多数の車が並んでいます。ようやく一台分のスペースを見つけて出発準備する内にも岡山からの団体さんが通り過ぎます。
 緩やかな舗装坂道を進んだ先の分岐で直進の表示に従い30分近く歩いてようやく登山口に到着です。ここには広い駐車場がありましたが当然ここも満車状態です。
 鳥上滝コース登山口には国定公園船通山の案内板があり船通山は「鳥髪の峯」(とりかみのみね)ともあり、山頂まで2.2km、1時間と書かれています。案内板からは山道になり入口は杉の植林ですが、4分ほど先の水源かん養保安林の説明板を過ぎると雑木林と石畳の道になります。辺りは芽生えたばかりの若葉が目に眩しいばかりです。
 斐伊川の源流と云う沢沿いの道はよく整備された石畳の道が続きます。登山口から12分ほどで沢を渡渉した辺りから、湿潤し泥濘状態の道が現れるようになり雨後などは歩きにくいと思われます。
 登山口から30分ほどで鳥上滝に到着しましたが、登山口の案内にあった滝上の石割ケヤキは倒壊し腐朽していました。滝は八岐大蛇(やまたのおろち)の住処かとか。
 滝の先はガレた沢のようですが、鉄製の階段があり楽に登れます。沢は小さくなりますが石階段は続きます。10数分歩くと石階段と別れ地道の登路となります。ジグザグを切って登ると頂上30分・登山口30分の標柱が現れました。この辺りからブナも見られるようになりますがまだ芽吹きも見られません。振り返ると梢越しに山並みが望まれるようになりました。
 山頂まで400m・駐車場まで1700m、そして標高1100mの標柱を見送り快適な道を進むと頂上10分、登山口45分の標柱が現れその先が広場となり、ロープに囲まれたカタクリの群生地です。その先にはロープに囲まれた登山路が伸びています。
 登山路は木道に変わり三叉路に「亀石登山道入口2.4km・鳥上滝登山道2.2km・船通山山頂0.1km」標柱が立ち左手に亀石コースが分岐しています。この先はロープも無くなり山頂への道が真っ直ぐ延び、その先に真っ青な空が覗いています。

○山頂〜亀石コース登山口
 広い山頂には三角点標識、石碑、鳥居、祠などが立っています。山頂は掛け値なしの360°のパノラマが展開します。午前中は見えたらしい大山も霞んで確認できませんし、なじみの少ない島根、鳥取の山並みは山座同定もできません。
 カタクリは南側斜面でロープに囲まれて咲き誇っています。前回登山は平成13年でしたが、早すぎたのかこれほどの花数は記憶にありません。
 カタクリ群生地の間を南側日南町からのルートが登ってきていますが、これを降った所に国指定天然記念物「船通山のイチイ」がありますので覗いてみました。急な階段を下ると新しい説明板があり、樹齢千年、樹高は4.3mと低いものの胸高直径約90cmですが倒伏し、斜面下方に向かって地を這うように扇状に広がる枝葉は22mとあります。その生命力のすごさに驚嘆するばかりです。その先には普段、船通山を眺める比婆山連峰が広がっていました。
 下山は亀石コースとして山頂から降り木道を進んだ亀石登山道入口の分岐を右折します。木道は短くすぐ地道に変わりカタクリもここまででその先には見あたりません。その代わりに明るいブナの林が広がります。10分ほど降ると広い平坦地の隅に圧倒されるような苔むしたブナの巨樹が立っています。     
 この先もブナ林の道をジグザグを切り高度を下げていきますが、小さな沢にネコノメソウの群生を見つけました。色彩の乏しい中の鮮やかな黄色と緑のコントラストには、暫し見入ってしまいます。
 この先から山中には珍しい長い水平道が10分以上も続き、途中に「登山口まで1000m」の標柱があるものの、一向に高度を下げない道にいつまで続くのかと思い始めたころ、突然のように水平道が終わります。登山口まで30分、頂上まで40分の標柱が現れると急降下の道になりました。これまでとは打って変わり、往路のような湿潤し泥濘状態の道がくだります。
 やがて現れたベンチで一息つきますが、目の下に見える谷底の沢状の道は歩きにくそうです。道が緩んでくるとサワグルミの巨木が多く見られました。登山口まで400m標柱が現れるとスギ植林帯となり、次いで200m標柱が現れて橋を渡ると広い駐車場のある亀石コースの登山口に到着です。
 登山口は船通山林道の終点でこの先には舗装路が延びています。途中、亀石高殿鉄の史跡があるものの面白みのない林道歩きが40分ほど続きます。いささか歩き疲れた頃、今朝ほどの亀石コースと鳥上滝コースの三叉路に到着しました。駐車地にはすでに一台も見あたりませんでした。

                                                                    広島里山紀行 記



 

     

     
    亀石コースと鳥上滝コースの分岐点です         鳥上滝コース登山口です

     

     
    登山口の案内、山頂まで2.2kmとあります      芽生えたばかりの若葉が目に眩しい 

     

     
    沢沿いに石畳みの道が続きます      斐伊川の源流を渡渉し
       
        
            八岐大蛇伝説の鳥上滝

     

     
    滝の先には鉄の階段も      地道になりジグザグに登ります 

     

     
    頂上30分・登山口30分の標柱      ブナは芽吹きもまだ 

     

     
    山頂まで400m      山頂まで10分表示の広場、カタクリが

     

     
    ロープの張られた地道は      やがて木道に

         

         
    三叉路、亀石コースと鳥上滝コースの分岐点です      上空が抜けて山頂が見えてきました 

     
 
    山頂は登山者で賑わっています  

     

     
    二等三角点     比婆道後帝釈国定公園の標柱
 

            
  
     
        
       八岐大蛇伝説の須佐之男命を祀る祠        天叢雲剣出顕之地の碑です

        
                      山頂からの展望      パノラマスクロールはこちらへ 
 
         
     
   

      
                            カタクリの群生地です

      
 



 

     
天然記念物のイチイ、風雪に耐えた生命力に驚嘆します      山頂直下の日南町コースです  

       
                      イチイから道後山、比婆山連山の方向を望みます

 

     
亀石コースに向けて下山です      亀石コースの入口、木道はすぐ切れます 

 
    
カタクリも見納め     亀石コースはブナの林を下ります 
 
       
       ブナの巨樹です 

      
    
    年輪を刻んだ木肌は畏怖さえ感じます   

 
    
           ヤマネコノメソウ      長い水平道が続きます

 

     
ヤマザクラが咲いていました      登山口まで1000mの地点

 

     
長い水平道も終わり、登山口まで30分とあります      泥濘の道が 

 

     
      沢の中の道を

 

     
 サワグルミも見られる     亀石コース登山口に下山です

 
 
 亀石コースと鳥上滝コースの分岐点まで戻りました  

 
                        

           
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