広島里山紀行 
                                 

                                                      ウォッちずはこちらへ

 
 【山  名】   可部冠山 西冠山 
 【標  高】  735.7m 721m
 【場  所】  広島市安佐北区可部町と山県郡北広島町千代田
 【地  図】  1/25000 可部 佐々井
 【登  頂】  H24.5.24(木)
 【アクセス】  JR横川駅→JR可部駅→(タクシー)→南原峡
 【行  程】


 ○第2キャンプ場登山口9:50→しるべ石10:24→可部峠10:55→山頂11:11−11:28→西冠山11:49
 ○西冠山12:29→南原峡・明神ダム分岐点13:00→管理道合流13:17→石采の滝13:39→
   岩場13:44→加賀津の滝14:00−14:07→竜頭ヶ原園地14:16
 【情  報】

  駐車場:竜頭ヶ原園地 第2キャンプ場
  トイレ:竜頭ヶ原園地 加賀津の滝
 【メンバー】   美10名

 

                                  【概   要】                                

  冠山の名前が付く山は各地にあり広島県でも吉和冠山、湯来冠山、久地冠山などがありますが、可部冠山は広島市安佐北区可部町と北広島町千代田の境界に位置します。山麓は南原峡県立自然公園に指定され渓谷には石采(いしうね)の滝、加賀津の滝など小滝ながら見栄えのよい滝がみられます。
 山頂からの展望はよく北は樹木に遮られるものの東に備前坊山、カンノキ山、鷹ノ巣山、南に白木山、高松山、呉娑々宇山、阿武山、堂床山、西に海見山、さらに遠くは芸北の山並みが望めました。
 山相は植林帯と云ってよくその意味では面白味に欠けますが、山頂部辺りは雑木林が植生し心地よい山歩きが期待できます。とくに冠山から西冠山への尾根歩きは新緑の季節とあって心洗われる思いでした。ルート上の要所には指示がありコース選択は容易ですが、ただ一個所、加賀津の滝への案内が不備だと感じました。このため逆コースであれば問題ないのでしょうが、結果的に「行きはよいよい、帰りは、、、、」でした。

第二キャンプ場登山口(9:50)〜可部峠(10:55)
○ 竜頭ケ原園地を左に見送り渓谷沿いの林道を最深部まで進みますが、数年前の水害の凄まじさを偲ばす痕跡が残っていました。林道が左に大きくカーブし管理トンネルに向かう地点の樹幹に「冠山方面」のプレートが下がり、前方に細い舗装路が延びています。表示に従い進むと3分ほどで第2キャンプ場の広場に着きました。広場の左手に「可部冠山 旧街道コース登山口」の表示があります(@)。
○ 登山口からすぐヒノキの植林帯となりますが、5分ほどで一旦植林帯が切れて沢沿いの道になります。道は岩くずで大変歩きにくく、沢を渡るコンクリート橋は水害で半ば崩落していました。渡るとまた植林地ですが道は大変歩きやすくなります。
○ 登山口から25分ほどで堀割状の場所に出て「しるべ石 可部峠へ 可部町へ」の石柱が立っています(A)。表示に従い左手の急斜面に取り付きますが相変わらずヒノキ林は続きます。しるべ石から10分ほどで「水場 この先」のプレートが下がっていました。この先から左手に湿潤地を見ながら登りますが、苔むした岩も現れて足下注意の道です。水場表示から12,3分で植林帯が途切れ束の間、目映いばかりの青葉を楽しめました。
○ 水場表示から20分ほどで可部峠に到着ですが、ここまでは昔の石州街道とかで概して歩きやすい道でした(B)。峠は十字路の形で前方には丸押からのルートが登っており、右には可部山岳会により最近整備された小掛山コースが登っています。こちらも自然味あふれるコースと感じられました。

可部峠(10:55)〜可部冠山(11:11)    
○ 可部冠山・堂床山方向を示す表示に従い左手に取り付きます。辺りはヒノキと雑木の混合林となり次第に明るい雰囲気になります。登路は登るにつれ斜度を増し、岩も現れて何時の間にか周りは雑木林に変わっていました。大きな岩を巻いて一登りすると冠山山頂ですが、山頂には大きな岩が散在し三等三角点が置かれています(C)。
○ 北側は大掛山方向ですが樹木に遮られています。岩の上からの展望は良く東は備前坊山、カンノキ山、鷹ノ巣山、南に白木山、高松山、呉娑々宇山、阿武山、堂床山、西に海見山、さらに遠くは芸北の山並みが望めました。また南側の端にある岩からは可部の町が見えていました。

可部冠山(11:28)〜西冠山(11:49)
○ 展望を楽しんだ後は日差しを避けるため西冠山へ向かいますが、早速急な坂を下ることになります。しかしその後は多少のアップダウンはあるものの、クマザサ主体の林床と明るい青葉の樹林はコース中で最も快適な山歩きを堪能することになります。最後に一登りすると西冠山でした(D)。     
○ 山頂は三叉路で案内板が立ち左が堂床山、右が冠山で前方の方向が南原峡を表示しています。堂床山への道は歩きやすそうに見えました。山頂は三角点も展望もそして腰を下ろすスペースも無く、おおよそ山頂らしかぬ雰囲気です。単なる通過点ですが緑に囲まれ涼しくここでランチタイムとなりました。

西冠山(12:29)〜明神ダム管理道(13:17)
○ 南原峡への表示に従って下りますがクマザサの道は意外と急坂です。3分ほど下ったところで前方に梢越しに青い水を湛えた明神ダムが見えてきました。相変わらない緑の林間の道を下ると西冠山から23分ほどでヒノキの植林帯ですが、よく手入れされ明るい雰囲気です。
○ 尾根の道を下ると西冠山から30分ほどで案内板のある分岐点です(E)。直進方向が明神ダム、左折方向が南原峡とあります。南原峡への道(地図上では尾根道になります)も結構良さそうですが、事前の安佐北区役所の情報ではあまり推奨されないようでしたのでダムのルートをとりました。支尾根の下り道はヒノキ植林帯と雑木林の境にある急坂でジグザグを切る道は大変な急坂でこれを登りに使うときには一汗も二汗もかくことでしょう。
○ 分岐から14分ほどで沢ですが、いかにも毒○○でも生息しそうな雰囲気です。無事通過するとダム管理道に出ました(F)。        
          
明神ダム管理道(13:17)〜加賀津の滝(14:00)
○ 出たダム管理道には冠山と南原峡方向を示す案内板が立っています。舗装された管理道を下りますが梢に遮られてロックフィルダムは全容を見ることができませんでした。管理道を下ると6分で柵で塞がれたトンネル出口に着きました。
○ トンネルの右脇に登山道がありますがとくに表示はありませんでした。山を巻く道は狭く右側が深い谷となっており注意が必要です。滑りやすい足下のはっきりしない道を10分ほど下ると金網が現れ、それに沿って3分ほど下ると水量のある沢に出ました(G)。目の前にはミニ滝があります。
○ 右手に沢の流れを見て山の斜面を巻く道は狭くて落石もあり、岩ゴロゴロの大変歩きにくい道です。ミニ滝から2分で石采の滝でナメラを流れ落ちる滝は見場所を得ればそれなりの見栄えがありそうです。次第に沢は下方に見えるようになりトンネルから15分ほどで右手の樹幹に、「いしうねの滝・加賀津の滝 中国電力」の表示が吊るされていました。みると大変な急坂に細いロープが下がっておりましたが滝鑑賞のルートか思い、中電も味なことをするものだと見送ってしまいました(H)。実はこれが大きなミスでした。
○ 湿って滑りやすい岩場を越えてトンネルから28分ほどでロープの掛かる岩場です(I)。細心の注意を図ってクリアするとすぐ次の難所でした。岩くずに落ち葉の堆積した急斜面の降下はまるで転げ落ちるばかりです。冷や汗をかいて下ったところは加賀津の滝の前の広場でした(J)。

加賀津の滝(14:07)〜竜頭ケ原園地(14:16)
○ 出たところには何の表示もありません。左手にはトイレがあり右手の前方に本来下ってくるはずだった階段が見えていました。「いしうねの滝・加賀津の滝 中国電力」の表示の所を下れば素直に階段に出れたと思われます。
○ 加賀津の滝は落差2、30mはありそうで三段に分かれて流れ落ちる滝は高さといい流れ姿といいなかなかの滝です。ここからは左に沢を見ながら遊歩道を歩くと滝から8分ほどで右手に大きな句碑が立っています。碑の反対側に「西冠山・冠山」の表示が立っていました。これが下山時に見た尾根道と思われますが、一見したところは意外に良さそうな道には見えました。滝から14分ほどで竜頭ケ原園地です(K)。
                                                                    広島里山紀行 記     



             
           
    林道終点     9:50 登山口 @    マウスを乗せてください

     

     
    岩くずの沢沿いの道は歩きにくい     崩落直前の橋を渡り    

     

     
   10:24 しるべ石の石柱 A     しるべ石からの急な登路へ

     

     
    水場を過ぎて湿潤地の脇を     歩きにくい苔むした岩の道です

     

     
    10:55 可部峠に着きました B     峠は十字路になっています 

     

     
    青葉の雑木林に変わり傾斜も増しました      直下の岩場を登ると

 
 11:11 岩の点在する山頂はさほど広くありません  C             山頂三角点です      
 
    

      
    山頂南端の岩からは可部の町並みも      堂々とした山魂の堂床山です
        

Hiroshima Satoyama Kikou


東は備前坊山、カンノキ山、鷹ノ巣山、南に白木山、高松山、呉娑々宇山、阿武山、堂床山、西に海見山が
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  11:28 西冠山へ向けて         下山は意外に急坂です 

   

        
  みどり一杯の快適な尾根の縦走路を                 西冠山直下の一登り       

   

        
 11:49 展望のない西冠山頂、堂床山への分岐点D                12:29 南原峡へ向けて下山です

   

        
  明神ダムが少し顔を見せました   

   

        
  13:00 ダムへの下山路を選びました E         尾根道を境に左は雑木林、右はヒノキ植林帯 

   

        
  整備された道ですが急傾斜です         尾根を外れると谷に

   

        
  13:17 管理道に合流しました F         トンネルの脇に道が続きます 

   

        
  一転して危なっかしい道に変わりました         13:33 柵が現れ

   

        
  13:37 柵に沿って下ると沢に出ました G        13:39 石采の滝、下側から見れば良いのかも?

   

        
  通過しましたが、ここを下るのが正解だった H         13:44 現れたのが難所の始まりでした 

   

        
  13:51 岩場を越えても I          次は急傾斜面で 

   

        
  落ち葉の堆積した岩くずの道は滑る、すべる         14:00 ようやく下山しました J 
   
          
   予定では正面の階段のはずが右手に出ました             出たところは加賀津の滝の前です

   

       
  谷川沿いの遊歩道を下ります     右手に尾根コースの進入路が  マウスを乗せてください
              
  14:16 竜頭ケ原園地に到着 K                 ジャケツイバラ 

 
                         
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平23情使、第577号)
カシミール3Dで作成し加筆したものである。(GPS軌跡ではありません
) 

         
   
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