電子国土
 
 山  名  天狗城山・中天狗・小松尾山 
 標  高  293.4m 325.1m 379.7m 
 比  高  368m 
 場  所  呉市天応町 安芸郡坂町 
 登  頂  H24.10.18(木) 
 アクセス  JR広島駅→JR呉線JR呉ポートピア駅→JR小屋浦駅 
 コース 


JRポートピア駅9:10→登山口9:27−9:34→山頂10:36−10:37→山頂展望岩10:39−10:47→
中天狗登山口10:58→中天狗山頂11:13−11:15→小松尾登山口11:32→深山分かれ11:36→
小松尾山頂11:44−12:20→二艘木12:28−12:35→下山13:04→駅13:26 
 メンバー  美10名 
 過去記録  H22.2.13    H19.5.31 


 

                                【概  要】                                
 呉線沿線から眺める天狗城山はじめ中天狗、小松尾山などの美しい尖峰は登山意欲をくすぐります。今回の天狗城山から中天狗、小松尾山へと続く山歩きは低山ながら急登あり、岩場あり、あるいは快適な尾根道ありの実に変化に富んだ縦走コースを楽しむことができました。
 天狗城山は沿岸部によく見られる花崗岩の岩山で露岩登りはちょっとしたスリルも感じることができます。また背後に展開する広島湾と瀬戸の島々を一望しての登路は特筆ものです。一方、中天狗は残念ながらその山容とは裏腹に展望には恵まれません。このためただの通過点になっています。小松尾山は山頂が切り開かれ絵下山系の山塊、そして灰が峰、野呂山など呉市の山並みと瀬戸の海が遠望できます。
 小松尾山には奥天狗山と別名が記してありました。さしずめ今回は天狗三山巡りと云うところでしょうか。

○JR呉ポートピア駅(9:10)〜天狗城山登山口(9:27)
 JR呉ポートピア駅からは天狗城山の尖峰が目の前に見えています。国道31号線沿いに呉市方向に進みますが、海側には寂寞とした呉ポートピアランド跡(現呉ポートピアパーク)が広がります。かつてはスペイン風テーマパークとしてそれなりの賑わいを見せていただけにひとしお寂しさを感じさせます。15分ほど歩き左折して浜崎踏切を渡り右手に万年筆工場を見ながら進みます。広島呉道路クレアラインの高架下をくぐると交差点の左手に天応郷土史研究会の「天狗城山(てんぐじょう)登山案内板」が置かれ、その左手先に鉄製の階段が擁壁に向かって延びています。

○天狗城山登山口(9:34)〜天狗城山(10:36)
 案内板によると登山口名は「西条登山口」とありました。鉄階段を登ると民家入口の前に出ますが、左上に続く長い階段を登って行きます。早速始まる擁壁上の急傾斜なコンクリート道と数百段はあろうかと思われる階段はなかなか厳しいものでした。それも10分余り我慢すると終わりますが案内板ではこの地点は70mとありますので一気に高度を稼いだことになります。それだけに振り返るともう目の前に海が開けて。
  この先からは地道となり展望の無い雑木林を進むことになります。風化花崗岩の台地のおかげか先日の雨によるぬかるみの心配は全くありません。10分ほど歩くと目の前が開けてパイン岩が現れますが、何度見ても自然の造形には感心させられます。
 この先からは待望の岩場歩きの始まりです。最初は比較的小さな岩の間を縫うようにして登りますが、それでも両手足をフルに使うことになります。ときおり振り返ると天応の町並みがジオラマのように見下ろせ、この山の斜度を思い知らされます。
 パイン岩から20分ほどで天狗岩ですがジッと見ているとまさにこの山の主の横顔に見えてくるから不思議です。その鼻の先には広島湾と似島が見えています。天狗岩から3分ほどで右手に腹切り岩が見えていますが紅葉したハゼが一点印象的です。
 登路は次第に大きな岩場に変わり消えかけた矢印とロープを頼りに登りますが、大きな岩だけに登りきるのも大変です。一旦 雑木林に入ったかと思うのも束の間、再び岩場で天狗岩から20分ほどで展望のカエル岩です。カエル岩に立てば左手から烏帽子岩山、天応の町、呉湾、江田島、宮島、似島、大竹市から広島市街までが見えています。暫し景観を楽しんだ後は山登りを再開です。と言っても3分ほどで天狗城山の山頂です。四等三角点が置かれた山頂はかなりの広さがあるものの周囲の展望は得られません。

○天狗城山(10:37)〜小松尾山(11:44)
 展望のない山頂を後にして反対側に向かうとすぐ先の左手に展望岩があります。切れ落ちているが十分な広さがあり絶好の休憩地です。岩からは山頂方向の視界が妨げられるものの南方向に江田島、宮島、似島、西方向に広島市街そして天狗岩、北方向には絵下山と眼前に小松尾山と中天狗が、東方向には野呂山、灰ヶ峰、烏帽子岩山が望めます。実に素晴らしい景観です。
 十分展望を楽しんだら次の目的地の中天狗を目指しますが、中天狗もなかなか見栄えのある山容です。岩の上に立てば先行するメンバーの姿が小さく見えています。岩の右を巻くとすぐ尾根の平坦な道となりますが展望はありません。10分ほど歩くと鋭く立ち上がる中天狗の峰が眼前に現れました。さらに5分ほどで鞍部に至り中天狗への登りが始まります。天狗城山とは異なりほとんど岩場はありませんが、道は正真正銘の直登でなかなか大変です。ほとんど展望は得られませんが登り始めてから10分あまりで背後に天狗城山を見ることが出来ました。
 さらに5分ほどで突然のように中天狗山頂にでました。プレートの架けられた山頂は風化した二つばかりの小岩が点在するだけで展望もありません。縦走路の一部でしかなく呼吸を整えるだけの通過点です。                          
 中天狗から下るとこの先は緩やかなアップダウンを繰り返す尾根道で、ある時は雑木主体、ある時はマツそして明暗のある林が続きます。展望はありませんが変化に富む快適な山歩きができます。中天狗から17分ほど尾根を歩くと小松尾山への登りが始まりますが、登り始めて3分で左手に僅かに似島が望めました。すぐその先が深山の滝への分岐点です。壊れた天狗面の案内表示が架かる分岐には、さほど良いとは見えない道が右手に下っていました。分岐を直進すると3分で展望の小岩です。左手には歩いてきた天狗城山と中天狗の尖峰が姿を見せ、右手には小屋浦と似島が望めます。束の間展望を楽しみ先を急ぐと上空が明るくなり3分で小松尾山の山頂です。

○小松尾山(12:20)〜小屋浦登山口(13:04)
 岩屑が点在する山頂には小松尾山のプレートが架けられていましたが本名奥天狗山ともありました。切り開かれた山頂からは素晴らしい展望が開け遠くに野呂山、灰ケ峰、手前に烏帽子岩山、その右手に倉橋島、江田島の一部と広島湾、似島と飽きない瀬戸内の風景が展開します。
 昼食後は下山です。下山路の道脇に四等三角点が置かれていました。三角点の先に進むと絵下山が正面に望めますが、そこまではまだ1時間30分の登りが待っているはずです。展望の無い急坂の道を下ると8分ほどで二艘木の鞍部に達しました。ここには中国自然歩道の二艘木・茶臼山ルート案内図と書かれた大きな案内板が立っています。二艘木は各方面への分岐点となっており、標柱には北方向は絵下山まで2.3km、右の分岐を下ると深山の滝へ1.8km、そして中国自然歩道をたどれば小屋浦まで1.3kmとなっています。
 小休止の後ここからは中国自然歩道を使って小屋浦に下山します。さすがに自然歩道だけに多少荒れ気味ですが歩きやすい道です。明るい道を下ると10分ほどで水場、さらに20分で小屋浦側の絵下山登山口に下山です。標柱には絵下山まで自然歩道で3.6kmとあり、また谷沿いに天狗岩への道が延びています。

○小屋浦登山口(13:04)〜JR小屋浦駅(13:26)
  登山口の先2分ほどの個所で工事が行われていました。登山口までの道作りとのことでしたがそれにしては大規模で、あるいは駐車スペースでも計画されているのでしょうか。
 最終民家の前から清流の天地川に沿って駅を目指します。折しも秋祭りの頃とあり奉寄進の登りがはためく長閑な里の景観です。下山口から20分余りでJR小屋浦駅に到着しましたが次の電車まで30分待たねばなりませんでした。
                                                                  広島里山紀行 記



  

      

      
     9:02  ポートピア駅から天狗城山を       浜崎踏切を渡り

      

      
     9:27 西条登山口   

      

      
     9:34 登山口を出発して鉄階段を       擁壁の上の長い階段 

      

      
     9:42 階段を登ると地道に       9:52 パイン岩、いつ見ても不思議な造形 

         

          
        9:55 岩稜登りが始まり   
      
    
     10:12 天狗岩 

         
      
        腹切り岩       10:13 この辺りからロープも架かる大岩が 

     

     
   

    
      
   10:33 かえる岩に到着       見下ろす天応の町並みはジオラマのよう 
  
                  カエル岩からの展望、左に烏帽子岩山、正面に江田島、右手に似島

     

      
    10:36 天狗城山の山頂に到着       ひっそりと三角点が
      
   

     10:38 展望岩  
                          パノラマスクロールはこちらへ

Hiroshima Satoyama Kikou

展望岩からの眺望

         
    
        10:53 姿を見せた中天狗の尖峰    しばらくは快適な尾根道を    
 
      
    10:58 鞍部から中天狗への登り  振り返ると天狗城山の山頂が 

      

    
     11:13 中天狗の山頂に到着    展望の無い山頂です

      

    
     11:15 小松尾山へ向けて出発     軽いアップダウンの続く尾根道を 

      

    
       11:32 鞍部から小松尾山への登り

      

    
     一瞬、視界が開けて似島が     11:36 深山の滝分岐、青が滝へ

   
    
      展望地から天狗城山と中天狗を     11:44(〜12:20) 小松尾山到着です 

       
     山頂からの展望、左手に焼山団地と野呂山と灰が峰、中央に烏帽子岩山   パノラマスクロールはこちらへ

      

    
     小松尾山の三角点     三角点の先から絵下山が 

      

    
     12:33 二艘木の峠に下山     峠は各コースの分岐点、直進は絵下山へ 

      

    
     12:32 小屋浦へ下山です    整備された中国自然歩道を 

      

    
     13:04 絵下山登山口に下山、青は天狗岩へ    登山道の改修工事が 

      

    
     13:26 小屋浦駅に到着 

      
      
     駅高架からの天狗三山?  
   

 
                 
                      

                
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