山  名  比婆山  烏帽子山
 標  高  1264m 1225.1m
 場  所  広島県庄原市西城町
 登  頂  H25.10.21
 アクセス  庄原IC→国道183号→国道314号→県道256号(比婆山県民の森公園線)
 コース  県民の森公園センター→出雲峠→烏帽子山→比婆山(御陵)→スキー場→県民の森公園センター
 メンバー  単独
 過去記録   H20.6.1

 

                                【概 要】                                
 比婆山は世界遺産になった白神山地ほどの大規模な森ではないが、100haと云う広大なブナ原生林が広がっている。国天然記念物のブナ林はこの比婆山の他には、和泉葛城山のブナ林と北海道歌才(うたさい)のブナ林の3個所だけと云う。伝説、信仰の山だからこそ生き残った学術的にも貴重な南限の原生林である。

 黄葉には少し早いかなと思ったが、明日から崩れるとの天気予報にブナ林歩きを思い立った。     
 比婆山のブナ純林。厳しい冬を越えて一斉に芽吹く春のブナ色、黄色や黄緑色の淡い色彩に彩られる初夏そして深緑の夏もそれぞれに良い。だが秋から晩秋にかけてのブナ林は格別だ。その黄葉はモミジやナナカマドのような華やかさ、鮮やかさはないものの黄緑、黄色、金茶色、茶色の混じり合った独特の枯れ色は好ましい。冬支度の白い幹が印象的な晩秋のブナ林。それはそれで魅力的だが秋色に染まるこの時期に歩いてみたかった。       
  例年にない秋口まで続いた猛暑に今年の黄葉は期待できないと思ったが、登山口から眺める比婆山はかなり黄葉も進んでいるように見える。しかしブナは樹冠の外側から色づいてくるとのこと、遠目には見頃の林も中に入るとまだまだ黄緑、黄色が強かった。 
 今日の奥出雲方面はいつ時雨れてもおかしくない暗雲が覆っている。そんな日和だったが樹冠の隙間から時おり秋の空が覗くと、陽光に透けた黄葉は幻想的な美しさを見せてくれた。
 そんな山もシーズン中とは云え平日のこと、山頂の一団を除いては出会う人とて無いたった一人の静かな山歩きとなった。足運びも自然と遅くなる。立ち止まり耳を澄ますも全ては静寂の中。ブナの梢を渡り来る風の音とカサカサと奏でられる葉音の他に聞こえるものはない。
 今週は台風の来襲が予想されるという。次に訪れる頃はブナ林はすっかり落ち葉の中、晩秋の装いであろう。眩しいばかりの秋盛りの比婆山を知った者は、改めて寂寞の中に身を置くため再び晩秋の山をとの想いに駆られる。


 
 
  

   

 
    公園センターからの比婆山は黄葉色で  出雲峠への道を 

   

 
  避難小屋の前を  出雲峠から。毛無山はガスに包まれて 

   

 
  出雲峠。烏帽子山への登山口  手入れされた植林帯を 

       
 
      ブナの老樹  木漏れ日の道を 

   

 
  毛無山遠望。ガスも晴れてきて 

   
 
   
  

   

 
  広い山頂に  山座同定盤。北方向は視界不良で

   
                左手に牛挽山から毛無山への山並み、その奥に道後山も。 左に比婆山が迫る 

   

 
  山名の由来となった出雲烏帽子岩  条溝石。縦の溝は御陵の方向を指すという 
   

 
  
   
  山頂のマユミも見頃に   大膳原・吾妻山と比婆山の分岐点 

   

 
  森林コース、大膳原コースと御陵コースの分岐点  静寂の林を 

  
 左に山頂を巻く森林コースが。 右の比婆山・御陵方向に進む  
   
     
   

    
    
    御陵コースへ入ると巨樹が点在し   

 
                                静寂の中、吸い込まれそうな黄葉の林  

     

 
    巨樹アラカルト   

     
 
    御陵に到着 
     
 

   

 
  御陵の円丘。比婆山信仰の核心部  ブナ巨樹に囲まれる御陵岩(奥津盤座) 

   

 
  神域。神聖之宿処の碑が立つ  門栂、風雪に耐えた面影が 
   
 
   

        
                        国天然記念物のブナ純林を  
 

                 
                                惜秋譜 
 
              
  前方から森林コースが合流し                御陵秋盛 

 
 
  休憩地。ベンチも腐朽し土塊に還りつつ 

   

 
  ササが現れクヌギ類との混交林に  スキー場経由で公園センターへ 

   

 
  スキー場から毛無山、伊良谷山を  中央広場に下山 
   

     
                     

     
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