山  名   窓が山 
 標  高  712m
 場  所  広島市安佐南区沼田町・佐伯区五日市町
 登  頂  平成25.12.5
 アクセス  五日市駅南口バス停→上白川バス停
 コース  ○登り:白川コース
       白川登山口9:22→576mピーク10:04→西峰山頂11:20
        西峰山頂11:25→東峰山頂11:49
 ○下り:東コース
       東峰山頂12:39→東コース下山口12:50→水晶谷の二俣13:29→東コース登山口13:55   
 メンバー  美12名
 過去記録  H23.10.11 

 
                                【概 要】                              
                               
  窓が山は広島市の佐伯区五日市と安佐南区沼田との境界に位置し、三角点のある西峰(711.2m)と東峰(約705m)の二つのピークを持つ双耳峰の山です。東西に長い尾根が走り南北が急峻で、山頂部は瀬戸内地方にしばしば見られる花崗岩が露岩する岩稜の山です。展望はとくに東峰山頂からの眺望が素晴らしく五日市街地や団地群と瀬戸内海を見おろし背後には東郷山、阿弥陀山などが控えます。
 登山路はよく整備され歩きやすく白川コース、西コース(魚切登山口)、東コース(魚切登山口)、奥畑コース(憩いの森登山口=中央登山道、北登山道、南登山道)それに仏峠経由コース(野戸呂登山口)など多様なルートが選べる人気の里山です。
 今回は中国自然歩道の「矢口−極楽寺」ルートの一部を歩く白川登山口から登り東コースで下山するコースをとりました。一部は沢の中を歩く個所もありますが、今の時期ではとくに問題となる個所は見あたりませんでした。

○上白川バス停8:55〜576mピーク10:04
 JR五日市駅南口バス停から湯来ロッジ行きバスに乗車し、県道41号線を北上した上白川バス停で下車しました。バス停向かい側に舗装された平治林道 が延び、「窓が山山頂3.8km、魚切タム1.2km」の標柱と窓が山コース案内図が立っています。
  平治林道を約1km進むと土砂集積場の外れ、舗装路が途切れる地点の右手に「中国自然歩道、窓が山登山口」と「窓が山の案内」の案内板が立つ登山口があります。
 服装調整の後、白塗り手すりのある階段 を登りますが早速急登が始まります。日差しの乏しい登路の左手は雑木林ですが右はアカマツの混交林でテープが張られています。20分余り歩き前方が明るくなって登り切った所に一基のベンチがあり、「窓が山2.2km、上奥畑6.3km、白川1.7km」の標柱が立ちます。 
 小休止の後、ようやく傾斜も緩になった気持ちの良い尾根道を進むと、ベンチから5分で「白川1.7km、窓が山1.9km」の標柱があり、コースの中間点であることが分かります。さらに5分、ジグザグの登路を登り切ると四等三角点の置かれた576mピークです。

○576mピーク10:10〜西峰山頂11:20
 三角点の左手が開けて目の前に寒山が見え、その奥には白く雪を抱く芸北の山が望めました。ピークから15分余り、3回ほどアップダウンを繰り返すと標柱「白川2.6km、窓が山1.4km、上奥畑5.4km」があります。その先の急な木階段を下って登り返すあたりから大岩が目立ってきました。
 前方が明るくなり登り切ると右手の開ける展望地に到着で、眼下の魚切ダムや極楽寺山がみえます。576mピークの奥には阿弥陀山、大峯山も望めます。
  展望地から7分ほど歩いた小ピークに「白川3.3km、窓ヶ山0.7km、上奥畑5.4km」の標柱と陸軍標石が立っています。前方には窓が山の山頂が見えますがまだ距離が感じられます。
 標石から2回ばかりアップダウを繰り返すと一段と大きな岩が点在する急登にかかり、20分余りの苦闘の末傾斜が緩むと小展望地に出ました。ここまでの登山路にはイワカガミ多く見られます。県北の山で見かけるのとは異なるオオイワカガミで、瀬戸内海沿岸部の自生は珍しいようです。
 小展望地から少しで右手から魚切西コースが合流 します。一旦軽く下り登り返し2分ほど進み大岩の間を抜けると西峰の山頂に出ました。

○西峰山頂11:25〜キレット11:37
 三等三角点が置かれた山頂は大岩が重なり、強風で幹の折れたアカマツが自然の猛威を感じさせます。岩の上からは目の前に五日市の市街地と瀬戸内海が展開します。生憎少し霞んでいますがそれでも能美島や宮島などが判別でき、極楽寺山から続く山並みがシルエットのように美しく広がっていました。
 しばらく眺望を楽しんだ後は目の前に見える東峰に向かいます。岩を下り2分で「窓が山(首なし地蔵)」の案内板と「憩いの森1.3km・上奥畑4.1km、白川3.9km・窓が山50m」の標柱が立ちます。右手に入るとすぐに「祈願成就 首なし・地蔵尊」の案内板が立ち祠が置かれていました。
 祠分岐から下るとすぐにおんな です。空に突きだした大岩に立てば左手には南広島アルプスから鈴が峰に連なる山並み、正面には瀬戸内海、右手には極楽寺山から野貝原山など西峰にも増して素晴らしい景観が広がります。おんな岩から見る東峰も岩山であることがよく分かります。
 おんな岩からすぐに「遠藤小祠」です。山腹に激突した零式戦闘機(練習機)の遠藤軍曹長を偲び建てたとあり、祠は落ち葉の散る狭い露岩の上に遠く海を見はるかすかのように置かれていました。                                   
 この先は花崗岩砂礫の大変滑りやすい下り道が続きます。遠藤小祠から5分で窓が山の名前の由来とも云われる鞍部のキレットに到着です。

○キレット11:39〜東峰山頂11:20
 
キレットからのぞいてみるとロープが見えますが落ち葉の積もる急斜面には踏み跡らしきものは有りそうには見えませんが、、、、キレットからはまた登りになり鎖の架かる岩場がありますが、それを過ぎて次々と現れる展望地に立てば美しい景観を楽しむことができます。
 キレットから10分余りで東峰山頂です。東峰は天然の展望台で右手には目の先に西峰の尖鋒がそびえます。左手には大茶臼山から柚木城山、鈴が峰へと続く稜線が見え、その麓には広大な造成地が姿を見せています。そして五月が丘、山田、美鈴が丘、そして藤木などの団地群が広がります。眼下には上河内運動広場、正面には五日市市街と瀬戸内海、右手には極楽寺山から野貝原山へと続く山並みと第一級の眺望が得られます。少し霞んでいますが安芸小富士江田島の古鷹山宮島弥山 なども望めます。

○東峰山頂12:39〜水晶谷の二俣13:29
 下山は魚切東コースとしますが、このコースは下山口の河内地区が平成11年6月の豪雨により甚大な被害を受け、登山道も土石流により崩壊し長く通行止めになっていました。
 山頂直下には「中央登山口1km」の標柱があり、続いて「憩いの森(0.9km)・上奥畑(3.7km)」(左は北登山道)が立ちます。この先は遊歩道としてよく整備された道をドンドンと高度を下げます。山頂から10分余り下るとで七合目の展望テラス岩 で、山頂より低い位置での展望を楽しめ西には台形状の向山が見えます。
 テラス岩から3分で魚切東コースの下山口分岐 で、そのまま下れば向山へ縦走します。分岐には赤く塗られた「五日市(魚切)方面」や「窓が山山頂500m、沼田方面、五日市方面」の標柱が立ちます。以前あった「通行できません」の表示が無くなって久しくなります。
 取りつきは左が急斜面、足下も不安定なためちょっと用心します。水平道を進むとすぐ
高い段差で斜面におります。この先は遊歩道ではありませんがしっかりした明確な、しかし急傾斜の道が続きます。途中、左から踏み跡が合わさります。以前、中央登山道からこの道を来て右に進んでロッククライミングの岩場へ出たことを思い出しました。
 マツや雑木の混交林の中で眺望は望めませんが気持ちの良い山道です。ただ711mの山頂から180mの登山口へ一気に下る山道は、落ち葉も堆積し滑りやすく気が抜けません。
 尾根の道を約35分ほど下ると沢の音が聞こえてきて右手に水量は少ないものの落差の大きいが姿を現しました。滝を見て4分でガイドブックに「水晶谷の二俣」と紹介されている沢に出会いました。

○水晶谷の二俣13:29〜魚切登山口13:55
 
以前にこのコースを利用したときには、キレットを下って来たと云う2人組登山者が沢の対岸にいました。
 二俣からは以後は原則的に沢の右手を歩きますが、場所によっては沢の中を歩くという感じの個所もあります。二俣からすぐ右岸に渡り薄暗い植林に入りますが道は明確です。二俣から4分で一旦左岸に渡り、次いで3分で丸太の橋 で右岸に渡ります。ここからは沢を見おろして進み6分後に再び沢に出ます。丸太橋から14分で河原状の沢に出て左岸に渡りようやく急坂から解放されました。二俣からは21分ほどでした。河原はその先の砂防ダムで土砂が堆積して形成されたものでした。
 平坦になった道を下り砂防ダムを左にみて10分ほど歩くとコンクリート橋の袂 に出てきました。ここにはとくに魚切東コース登山口の明確な表示はありませんが、欄干に小さく手書きされていました。橋から舗装路を1分で魚切西コース登山口です。その先は鎖が架かり車は進入できないようになっていました。橋から約700m歩くと魚切バス停に到着します。

 魚切東コースはまだ沢には多数の倒木がみられ、一部は沢の中を歩く場所もありますが全体としてとくに問題となる個所は見あたりませんでした。
                                                 広島里山紀行記


 


 
白川登山口〜西峰  ・・・・・・・・・・・・・・  

   

 
  8:55 白川バス停の登山案内  9:22 登山口を出発 
   
 
  9:45 尾根に登るとベンチが。窓が山まで2.2km  快適な尾根道を 

   

 
  急登を登ると  10:04 576mピークに到着 

   
 
  ピークからの寒山、奥には雪を被る芸北の山も  ピークから一旦、大きく降ります 
   
       
  大きな岩が現れてきました    10:53 陸軍石柱 窓が山まで0.7km 

     
        展望地から。  極楽寺山から野貝原山へ続く稜線を。 576mピークの奥には阿弥陀山、大峯山も 

           
            
  

       
 
   陸軍石柱からは大きく2回ほどアップダウンを   

    

  沿岸部には珍しいとされるオオイワカガミも   

   

 
  11:18 魚切西コースが合流します 

   

 
  軽く登り返し  11:20 岩の間を抜けると西峰です 
     
西峰〜東峰   

   

 
  11:20 西峰山頂は露岩が重畳し 目の先には東峰が望めます 
 

                     
                      極楽寺山から続く山並みがシルエットのように広がり 

   

 
  11:25 東峰に向けて下山を  首なし地蔵の祠 

   

 
  11:28 おんな岩  鎮魂の祠は遠く海を見はるかすかのように 


Hiroshima Satoyama Kikou

おんな岩からは西峰にも勝る展望が
   
        
  11:37 キレット。 いつも薄暗い感じで       覗いてみるとロープはあるが道らしきものは 
   
     
  キレットからはまた登り返しが             窓が山の奇岩 

   

    
  11:49 東峰の山頂に到着     ここからの西峰は端正な姿 

                   
 


             
            東峰は自然の展望台 
             大茶臼山から柚木城山、鈴が峰へと続く稜線の麓には広大な造成地
             眼下には上河内運動広場、正面には五日市市街と瀬戸内海と第一級の眺望が
 
東峰〜東コース登山口  ・・・・・・・・・・・・・・  

   

    
    12:39 下山へ    整備された遊歩道だが 

       
      12:47 展望のテラス岩                      柚木城山から鬼ヶ城山、鈴が峰と連なる山並み  

   

    
  12:50 東コースと中央登山道との分岐    東コースの取りつきは少々危なっかしい 

   

    
  急速に高度を下げます    明確でしっかりた道が 

      
   
    13:25 沢の音がしてくると落差のある滝が  13:29 水晶谷の二俣に出ました 

   

    
  水晶谷の二俣。手前、右手に降りました    二俣からは沢に沿って 

   

    
  13:31 沢から一旦植林帯に入り    13:33 一度左岸に渡ります 

   

    
  13:36 丸太橋を越えて再び右岸へ     沢沿いの道が続きます 

   
 
  13:50 河原状の沢下流に出て左岸へ  13:55 東登山口 (デジカメ不調で画像がありません)  

 
       

                 
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