【山   名】   宮島弥山・焼山(三剱山) 
 【標   高】   530m 490m台 
 【場   所】   広島県廿日市市宮島町 
 【登   頂】   H25.6.6(木) 曇 
 【アクセス】   JR宮島口駅(広電宮島口駅)→フェリー乗り場→宮島  
 【コース  】   ○大元公園9:07−9:16→前峠10:23→展望岩10:52→山頂11:00
 ○山頂11:08→御山神社11:38−12:20→紅葉谷ルート下山口12:43→紅葉谷公園登山口13:22 
 【メンバー】   美9名 
 【過去記録】   H25.1.9

 

                                【概 要】                                  

 今回登頂の焼山(三剱山)は国土地理院の地形図には山名も標高もありませんが眺望の良い隠れ名山と云えます。ひと頃に比べると樹木の成長で視界も妨げられていますが、それでも大岩の上に立てば飽きることのないほぼ360°の展望が得られます。何より眼前に迫る駒ヶ林の岩壁は特筆ものです。
 登りは大元公園から前峠を経て焼山に向かうマイナールートをとり、下りは暑さを避ける意味で紅葉谷ルートとしました。ただ宮島観光協会などが紹介する弥山の登山コースは紅葉谷、大聖院、大元公園の三コースだけです。おそらく文化財保護法や自然公園法などで規制される弥山原生林を保護するためでしょうが、登山者にとっては大変悩ましいところです。
  今回は弥山展望台が立て替え工事(平成25年9月完成予定)のため弥山山頂は踏みませんでした(前日5日にはヘリコプター資材運搬が行われたようです)。                
 なお焼山は弥山倶楽部のHPによると三剱山とありましたので地元ではそう呼ばれているのでしょう。とすれば広島里山紀行も今後は併記したいと思います。

○大元公園9:16〜前峠10:23
 宮島桟橋は修学旅行シーズとあって小学生から高校生まで多くの子供達で溢れていました。一日の始まりに余念がない商店街や厳島神社裏を抜けて登山口の大元公園に急ぎます。
 大元公園 はモミの古木が群生し深山幽谷の雰囲気が漂っています。そこでタマゴタケと云う美しい朱色のキノコを見つけました。大元公園は海岸近くに大木が生育する世界でも珍しい場所とのことですが、タマゴタケはモミの林を好むようです。
 橋を渡り左に大元公園コースを分けて右方向に前峠山の山裾に向かいます。広い道を左下に沢を見ながら次第に高度を上げます。公園から30分ほどの崩落跡もしっかり踏まれていました。広く歩きやすい道もこの辺りからコシダの被る狭い道となり、倒木を越えて進むことになりますが道はしっかりしています。
 公園から60分あまりで右手から前峠山からの道が合流しますが、タラッと下ると焼山(三剱山)登山口の前峠 (310m台)です。ここは右手(南側)に先峠、岩船岳へのコースが降っています。なお左手(北側)は大元川の源流部で以前はここにルートが登ってきていたものと思われますが、今はその面影はありません。

○前峠10:23〜焼山(三剱山)11:00
 焼山(三剱山)への登山口はとくに案内表示は見つかりませんでしたが、赤テープが下がっていました。すぐ急登ですが道はかなり踏まれてるものの、不明確な個所では慎重にテープや踏み跡を確認する必要があります。東方向に見える焼山(三剱山)の西側を南北に貫く岩壁をめざしますが、別に垂直に立ち上がる岩壁を登るわけではありません。
 岩壁 に沿って踏み跡を頼りに岩場を登ります。6分で前半の岩場登りが終わり前峠山が目の前に見えホッと一息ついますが、ここからも後半の岩場登りが始まり7分ほど頑張ります。
 岩場登りが終わるとシダの茂る樹林を8分ほど進むとテーブル状の展望大岩 に到着します。西の方向に展望が開け、三つ丸子を前衛に岩船岳が顔を見せています。この辺りから炭化した樹幹や白く立ち枯れた木々が目立つようになります。すっかり上空が明るくなり嘘のように傾斜の緩んだ登路を8分進むと山頂です。

○焼山(三剱山)11:08〜御山神社11:38
 さすが世界文化遺産の島、焼山(三剱山) の山頂には記念プレートのようなものはありません。生憎霞んでいますが点在する大岩からは素晴らしい展望が開けます。場所を変えると弥山、駒ヶ林、厳島神社の大鳥居と町家、経小屋山など対岸の山々、岩船岳などの眺望を楽しめます。
  山頂からは東方向に下ります。下り始めてすぐ左手の岩に立てば眼前に駒ヶ林の岩壁が迫りますがその姿は圧巻です。下りは超急降下ですが要所にある木階段の助けもあり、最後の難所をクリアするとアッと云う間に駒ケ林と焼山との鞍部 に達します。山頂から8分ほどでした。鞍部は標高470mくらいでしょうか、左手からの大元谷コースが合流します。
 格段に良くなった遊歩道を進み2分で左手に三仏像の岩屋を見ます。さらに2分ほどで左に駒ケ林登山口を見送ると、下山した鞍部から10分足らずで大聖院コースが左手から合流し、右手には奥の院コースが下っています。
 合流点先の仁王門をくぐり7分ほど先の御山神社分岐 を右に神社に向かいます。参道らしく整備された道を3分進むと神社で、鳥居から延びる石段の先に三体の女神を祀ると云う瀟洒な三つの小さな朱塗りの社殿が見えています。
 社殿は玉垣に囲まれ大岩の上に建てられ、前は前傾した絶壁でその先は深い渓谷に落ち込んでいます。 ほとんど訪れる人のない御山神社からは、正面の400m台無名峰と弥山との間に海が望まれ、ポツンと浮かぶおむすび型の小黒神島が印象的です。

○御山神社12:20〜紅葉谷川公園登山口13:22
 昼食後は展望台工事中の弥山山頂は踏まないで、閑散とした本堂前から紅葉谷コースへ下ります。途中から舗装遊歩道を避けて山道に入りましたが、さすが遊歩道ほどは展望が得られません。
 本堂から10分足らずで紅葉谷コース下山口の鞍部 で山頂0.7km、紅葉谷公園1.8kmの標柱が立っています。鞍部の標高は約400mですから距離もさることながら、その急降下ぶりも並ではありません。早速登り時には最後の急登となる石階段が待っています。その後も続く自然石の階段は比較的ステップが高く足腰に応えます。
  登山道右側の紅葉谷川には10余りの砂防用堰堤が造られていますが、紅葉谷園地まで1.4kmの第13号堰堤で一息入れました。
 その後も階段は続きますが斜度が緩む個所では地道も現れ、谷筋を被う常緑広葉樹の涼やかさも加わりホッとします。
 紅葉谷川も下るにつれ次第に水量を増し、下山口 の紅葉谷川公園ではそれらしい雰囲気を醸し出していました。あとは紅葉谷公園内を10分ほど下ると岩惣前の紅葉橋です。
                                                                   広島里山紀行 記



 

   

 
  8:50 満ち潮の参道を   

   

 
  9:16 大元公園を出発   モミの林を好むタマゴタケ、食用とか? 

   

 
  10:23 焼山(三剱山)登山口の前峠    10:28 急登の先に岩壁が

   

 
  裾を巻いて登ります  10:33 前半の岩場が終わると眼前に前峠山が 

   

 
  10:34 後半の岩場登りが始まり  10:40 ここを越えると岩場は終わります 

   

 
  シダの茂る林を抜けると  10:52 展望岩です。正面に岩船岳、右手に三つ丸子 
   
 
 11:00 焼山(三剱山)に到着です   

                 
                         山頂からはほぼ360°の素晴らしい展望が開けます  

Hiroshima Satoyama Kikou

                                                                       大野瀬戸側の眺望です。対岸の大野や厳島神社、宮島の家並みが開けます


 
              駒ケ林の岩壁が圧倒的です。これほど景観を得られる場所はありません  
 

 

 
11:15 焼山(三剱山)から下山しました  下山口は大元コースが合流し 

 

 
11:26 大聖院、奥の院コースの分岐点です  分岐点の先に再建された仁王門が 

 

 
11:35 弥山への道から分岐して御山神社へ  神社参道から焼山(三剱山)と駒ケ林を望みます 

 

 
11:38 鳥居をくぐり御山神社へ  3社が品字型に並んだ朱色の瀟洒な御山神社 

                 
社殿前からは厳島海峡に浮かぶ小黒神島が   

 

 
12:28 霊火堂も人影はまばらでした   12:34 本堂から紅葉谷コースで下山です 

 

 
遊歩道を避けて  獅子岩とロープウェー駅を 

 

 
12:43 紅葉谷コースとロープウェー駅との分岐 長い階段道が続いて 

 

 
13:22 紅葉谷川公園登山口に下山しました  紅葉谷川公園 

       
 
              紅葉谷涼景 13:33 紅葉橋まで戻りました  

 
                           
                     
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