山  名   吉和冠山 
 標  高  1339m
 場  所  廿日市市吉和
 登  頂  H26.5.1(木)
 アクセス  JR宮内串戸駅→宮内串戸駅バス停→潮原温泉バス停
 コース  ○登山口9:25→オオタキ10:02→クルソン岩近道分岐9:29→クルソン岩鞍部分岐10:52→山頂11:37
 ○山頂12:48→クルソン岩鞍部分岐13:14→クルソン岩13:35→オオタキ14:12→下山14:43
 メンバー  美10名

 

                                【概 要】                                

 廿日市吉和にある吉和冠山(安芸冠山)は標高1339mで広島県内で2番目の高さになり広島県を代表する山のひとつです。山頂から突きだした懸崖が「冠」のように見える特異な山容の山で、懸崖からは恐羅漢山、十方山など西中国山地の山々が展望できます。
 山頂周辺にはブナを中心とする原生林も残り4月はカタクリ、6月はオオヤマレンゲの花が楽しめます。
  登山ルートは@松の木峠コース、A汐谷(潮谷)コース、B寂地山縦走コース、C小川林道コースなど複数ありますが、汐谷(潮谷)コースと松の木コースが一般的です。今回は汐谷(潮谷)コースの往復登山でした。

○登山口9:25〜オオタキ10:02
 潮原温泉バス停から「潮原温泉松かわ」の前を通って自動車道高架を潜るとタイヤ処理工場があります。工場前から右方向に舗装林道(途中に数台分の駐車スペースあり)を進み、右下に砂防堰堤を見ると砂利道に変わりその先に鉄橋 がありここが登山口となります。鉄橋手前も駐車可能です。
 鉄橋を渡りウシオ谷の渓流沿いの道を進むと2分で「ひろしま国体山岳(縦走コース)」のプレートが置かれていますが既に橋は腐朽し利用不可です。国体コース分岐から5分で渓流を見おろす滝ケ休です。まばゆいばかりの新緑が清々しい渓流沿いに植林帯の道を進みます。小さな橋を渡り次いで二つ目の橋、三つ目の橋を渡るとオオタキです。登山口から37分でした。

○オオタキ10:02〜クルソン岩・国体コース分岐10:50
  オオタキ では圧倒されるよな大崖の裾を巻く木橋を渡ってウシオ谷とクルソン谷との二股の谷に入ります。二股谷ではウシオ谷に架けられた木橋を渡りますが、たもとに破損した「冠山登山」のプレートが置かれていました。ここで植林帯も終わり自然林に入りますがフッと対岸を見ると「工事中」の看板が?
 橋を渡るとクルソン谷の沢を右にして登りますが、2分後、予想だにしなかった驚愕の現場に遭遇することになりました。辺りは切り開かれ巨大な重機が騒音をたてて鎌首を振り回しているではありませんか。林産業振興のためとはいえ一寸残念。
 山道らしくなった登路の両側にはヤブレガサの大群落が、と思ったのですがネット情報ではタイミンガサとありました。タイミンガサの群落はこの先もずうっと続き、エンレイソウ、ミヤマカタバミも見られます。また広葉樹林に混じってサワグルミの大木がスクッと立っているのが印象的です。       
  石のゴロゴロする自然林の中の道を進み、オオタキから10分で小さな谷を左に渡りしばらく行くとクルソン岩近道分岐 に着きました。オオタキから27分ほどでした。多くのテープが巻かれ右手には一本スギがあります。左にクルソン岩への近道の急坂が登っていますがクルソン岩は帰路の楽しみとして山頂に進みます。
 この先も明るい広葉樹林帯の岩混じり道は続きますが、土塊に還りつつある巨木の脇を過ぎるとパッと開けブナの大木が立つ鞍部広場に到着しました。クルソン岩近道分岐からは20分でした。ここは三叉路で帰路に立ち寄る予定のクルソン岩への進入路が左に延びています。

○クルソン岩・国体コース分岐10:52〜山頂11:37
  広場からは登りとなります。ブナ林の中の広く歩きやすい道が続き4分ほどで1155mピーク に到着しました。ピークから7分で小さな沢を渡りますが、この先からは山頂へ向けての最後の急登が始まります。
 根っこの張り出したブナ林の中をジグザグに登っていきます。この辺りからガスに包まれたようです。右手上方には残雪も見られ今年の雪の多さを実感させられます。
 芽吹き前のブナ林をつづら折りに登ると上空が抜けて冠山と松の木峠への分岐に到着しました。分岐を右に取り山頂に向かいます。山頂への道は二分しますがどちらを選んでもすぐに山頂 に到着しますが、一等三角点の山頂は既に多くの登山者で賑わっていました。鞍部広場からの所要時間は45分でした。
 そのまま北側の懸崖に向かいます。山頂からタラタラと下ると懸崖の展望地 ですが生憎、低い雲が立ちこめ恐羅漢山、十方山など連なる山並みの山頂部は隠れ、風も冷たく感じられました。
 ランチ後、天候も急速に回復したので再度展望地を覗いてみると今度はすっきり晴れ渡り十分満足できる景観が得られました。お目当てのカタクリもHさんの案内で松の木峠方面へ少し下ってみると、陽光を浴びて群落が花開いてい大満足です。

○山頂12:48〜下山口14:43  
 下山は往路を下りますが クルソン岩を経て下山口に向かいますが、直下からの急斜面は前日の雨の影響もあり、足下に注意が集中し辺りの景観を楽しむ余裕もなかなかありません。ようやく傾斜が緩み振り返ると、登り時には隠れていた山頂部が顔を見せてくれました。山頂から23分ほどで1155mピーク、次いで3分でクルソン岩分岐の鞍部広場 に到着です。
 広場で服装調整を行いクルソン岩に向かいます。テープが巻かれているのですが辺り一面ササに被われ、国体コースへの進入路は見つかりませんでした。
 クルソン岩への道は広い道が真っ直ぐ登っています。上り詰め小さなピークを越えると道は左に曲がり、少し下りまた登ります。次のピークを降りた辺りで道は大きく左に曲がます。以前はササをかき分け踏み跡をたどった道も今はすっかり広くなっており感謝、感謝です。
 鞍部から20分ほど歩き前方に巨岩が見えると、本日のハイライト、クルソン岩 に到着です。高さ16mと云われる直立した岩塔は下に立つとその大きさに圧倒されます。
 クルソン岩は困難ですがその東側のロウソク岩には登れ、素晴らしい展望が得られるとありますので一寸寄ってみました。クルソン岩の左側から巻いてロウソク岩の右手からロウソク岩に取りき登りかけるとズッルと滑ってワワッ。粘土質の土で靴底が埋まりグリップも効かないようです。メンバーも待っていますので、あきらめて中間の大岩に戻り北側をのぞき込んで見ると何とロープが見えるでは(転落防止か、補助ロープか分かりませんが)。それにしてもマムシの巣窟といわれる岩場は、まだ大丈夫と思っても気持ちの良いものではありませんでした。
 クルソン岩からは足場の悪い岩の急坂を転げるように下り、わずか13分ほどで近道分岐へ下山しました。
 クルソン岩分岐からは18分でオオタキ、オオタキから30分で下山口の鉄橋 に着き今回の登山を終えました。 
                                                   
                                                  広島里山紀行 記



 
 登山口〜山頂   

     

 
    9:25 登山口、白塗りの鉄橋を渡ります   9:27 国体コースは利用不可のようです

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    9:32 滝ケ林        マウスを乗せると  9:47 一つ目の橋を渡ります。すぐ二つ目も 

     

 
    10:02 大崖の下を巻いてオオタキに オオタキでウシオ谷を渡りクルソン谷に入ります 

     

 
    静かな山歩きが始まるはずでしたが ニシノヤマタイミンガサの群落 

     

 
    雑木林の中、岩の道を         10:22 支流を渡り 

     

 
    9:29 クルソン岩への近道(青)分岐   

     

 
    湿潤地を越えて  更新が進む広葉樹林
     
    10:52 クルソン岩分岐の広場に到着


 
      ライトグリーンに染まって
   

    

 
    10:56 鞍部から一登りで1155mピークに ガスに被われた山頂方面 

     

 
    11:03 この小沢を渡ると急登が始まります 根っこの張り出したブナ林の道を 

     

 
    残雪も見られました  山腹をトラーバスして

     

 
    急斜面をつづら折りに登ります  ガスが濃くなってきました 

        
 
最後の急登を
   
   
                      
                                 ブナ 古樹
  

     

 
    11:35 山頂と松の木峠コースの分岐に 松の木峠への下山路(青)を少し進むとカタクリが 

     

 
    11:37 賑わう山頂に到着 一等三角点の山頂部、展望は今ひとつ 

     

 
    少し北に進んで懸崖の展望地に  冠山の妖精 
  

                  
                  展望地からは恐羅漢山、十方山など西中国山地の山々が展望できます   パノラマはこちらへ
  

                   
   
   
 山頂〜下山口   

     

 
    12:48 下山は往路を下ります  吉和方面を 

    

 
    原生林の中、急坂を下ります  山頂部も顔を見せてくれました 

     

 
    13:14 クルソン岩への分岐広場は右手へ進みます 国体コースは既に藪化し消滅? 

        

     
       13:35 迫力ある岩塔、クルソン岩     背後に回ってみると 
  

                       
   

     

 
    13:54 近道分岐まで下山しました 14:01 小沢を渡り

     

 
    14:12 オオタキまで戻りました  14:43 無事下山です 
   

 

        
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