山  名   高見山  船倉山 
 標  高    559m   545.9m 
 場  所   廿日市市大野 
 登  頂   H27.10.14
 アクセス   JR五日市駅8:08→JR宮島口駅8:20
 コース   ○高見林道入口8:52→徒渉9:32→尾根分岐10:00→高見山10:41
 ○高見山10:54→約570mピーク11:13→徒渉11:34→船倉山11:52
 ○船倉山12:38→王舎城13:45
  * JR宮島口駅〜高見林道入口(タクシー\1220)
    王舎城〜JR宮島口駅(タクシー\1140)
 メンバー   美10名

 

                                 【概 要】                                 
 船倉山(545.9m)と高見山(559m)は廿日市市大野町のJR宮島口駅の背後に位置する里山です。共に地図上には山名が記されていませんが、対岸の宮島から見ると三つの並んだ峰が印象的です。中国電力の送電鉄塔に沿って保守道が整備されているため、比較的歩きやすく要所で展望の得られるコースです。
 高見山の山頂からは一部樹木に遮られますが、東から南にかけての展望が素晴らしく広島や廿日市の市街地と宮島が望めます。また山腹には大野鉱山跡として坑道跡や選鉱場跡などの見所もあります。船倉山は四等三角点が置かれ眼下に広島市方面と宮島が広がりますが、高見山に比べると展望は劣ります。
 なお高見林道入口からの登山路は急登と風化花崗岩のまさ土や鉱石屑などのため歩きに難く、下りのコース設定は余りおすすめできません。

○高見林道入口8:52〜渓流徒渉9:32             
 大野東小学校と東中学校の間の高見川に沿った道を北上し、山陽自動車道の下を潜って最終民家を過ぎると砂防堰堤の所に登山口 があり、「高見川ルート登山口 大野鉱山跡」の案内板があります。なお登山口付近には適当な駐車地は見当たりませんでした。
 この先、左手に高見川を見て高見林道を進むと左に林道が分岐しますが直進します。二度ほど橋を渡ると登山口から25分ほどで「選鉱所跡」と「船倉山」の標識があり、右に選鉱所跡への道が分岐していました。
 ここを過ぎるとすぐ石のゴロゴロした小沢を渡渉します。この先も比較的良い道が延びていました。渡渉点から約5分で右手にかなり高い1番目の砂防ダムがあります。ここからは細い地道となり、沢を右にして暗い植林帯の斜面をトラバース状に登るとダムから5分で小沢があり沢を跨ぐとすぐに2番目の砂防ダムです。2番目のダムからはすぐに高見川に出てかなりの水量がある渓流 を渡渉します。
                                              (登山口からは約40分でした。)

○渓流徒渉9:32〜高見山10:41 
 渓流からは小滝を横に見て滑状の岩肌の斜面を慎重に登ります。ここは上空も開けて明るく上部にはロープもありました。この先からは本格的な急登の山道となり、途中の水の溜まった坑道跡を過ぎると道は石屑の散乱する足場の悪いジグザグの急登となります。採掘場跡を思わす石積みが現れると渡渉点から約10分あまりで「大野鉱山本鉱跡」と「船倉山」のプレートがあり、右手に暗い坑道が口を開けていました。鉱山は第二次世界大戦中にタングステンや銅などを採掘していたとのことです。
 坑道跡から尾根に出るまでの約15分の登りが本コースの一大ポイントと云えます。まさ土の急登が続き緊張の連続ですが、左手の蒼空をバックにした高見山の岩峰群が目を奪います。
 ジグザグの急登を登りきると明るい尾根の分岐に出ました。尾根の左方向が高見山、右に進むと80号鉄塔(375m)です。先ず鉄塔に寄りますが、最近、枯マツなどが整理されたらしく広島方面と岩国方向に開けます。ただ宮島は残念ながら木立が邪魔します。再び尾根分岐に戻り高見山に向かいますが、これまでと打って変わて明るくなった尾根の管理道になります。約6分で79号鉄塔 に着きましたが、鉄塔の前面は開けて対岸の宮島が目の前です。
 79号鉄塔の先は風化花崗岩の滑りやすい登り道となりますが、約10分で目の下に王舎城の白い建物と宮島をみる場所に出ました。このすぐ先が78号鉄塔と高見山との分岐で左手の斜面に取り付きますが、分岐頭上には古びたプレートもあります。2分で小さなコブに出ますが松枯れ伐採地でここも良い展望が得られます。12分ほどでドラム缶が根方に転ぶ露岩をみます。ここから岩の間を縫ったりして2分ばかりなだらかに登ると手製プレートの架かる高見山に到着しました。
                                             (登山口からは約1時間50分でした)

○高見山10:54〜船倉山11:52
 山頂は東から南に開け広島市街地方面から宮島の展望が良く、これから向かう約570mのピークとその先の船倉山も望めます。西側はこの時期では梢が邪魔しますが、山頂直下の西に張り出したテラス岩からは宮島、岩国方面から経小屋山へかけての景観が広がります。
 高見山からは船倉山まで45分の表示をみて急な坂道を下ります。おおよそ10分で鞍部に達し進むと分岐で、直進が570mピークへ向かい、左は巻き道で林道矢草線にもつながると思われます。直進の道は滑りやすい急登で2分ほどでピークに達しますが展望はありません。
 570mピークからも想像を絶するような急降下のまさ土の道で、小枝の助けを借りて下ります。15分あまり苦戦すると次第に傾斜が緩み道幅も広くなってきました。ピークから約20分で「白糸の滝」源流と思われる鉄分の多い沢に出て渡ります。渡渉地点 からすぐ分岐で「左に矢草林道、右に船倉山、来た方向に高見山」の案内表示があります。さらに1分で船倉山と白糸の滝の分岐です。この地点は要注意で案内表示も不十分ですが、直進する草の被った細道が白糸の滝、王舎城方面への下山路となります。
 分岐から船倉山に向かうため左手の急な道を登ります。この道もまた大変滑りやすい道です。分岐から約15分で次の分岐で右には良い管理道が延びていますが、案内に従って左に登ります。2分で山頂ですが草を被った道はこの山の存在を象徴するようです。登山路の真ん中に四等三角点の置かれた山頂部は狭く眺望も良くありません。ただ直下の大岩に立てば広島湾方面の素晴らしい展望が得られるの救いです。
 船倉山から西に下れば烏帽子岩山から大野権現山へ至る長大な尾根歩きが楽しめます。
                                             (高見山からは約1時間でした)

○船倉山12:38〜王舎城13:45
  船倉山頂上からは往路を引き返しますが前方には高見山と570mピークが見えています。滑りやすい道を下ると15分ほどで高見山方面と白糸の滝・王舎城との分岐 です。多少分かりにくい個所ですがテープもあり草を被った細道が左に水平に延びています。右折すると1分先の渡渉地まで下りますので要注意。
 この先は利用者も少なくなったのか、急なまさ土の道は所によっては足元が見えない状態で、いつまでこのコースが維持されるのかちょっと心配です。ただ下山路からは時折展望が開けてホッとさせられます。深いシダが現れた道を下ると分岐から18分ほどで崩落地で短いロープが架かっています。5分で倒木のある湿潤地、さらに5分でコンクリート階段、そして3分で舗装林道 に出ました。下ると林道は未舗装に変わりますが、ここが白糸の滝への分岐となります。滝は約100mほど先にあり落差は申し分なく、加えて今回は水量も多く楽しめました。
 分岐からは未舗装林道を下り清水之橋を越えると王舎城領域に入ります。
                                            (船倉山からは約1時間でした)

                                                     広島里山紀行記



 

      

   

   
  8:52 高見林道入口を出発します    9:17 最初の徒渉、この先から道は多少悪路に

   

          
  9:23 最初の砂防ダムを過ぎます    9:29 小さな小川を渡るとすぐ2番目の砂防ダムに 

      
   
      
  9:32 高見川を渡ります       徒渉地の上部にはロープもあります 

      
   
     9:43 採掘砂礫と石積みのある急登です    9:45 大野鉱山の本鉱跡 

      
  
     まさ土に変わりますが、相変わらずの急登      高見山の山頂部です。ミニ三倉岳の雰囲気が 

   
 
  10:00 尾根の分岐です。右折するとすぐ80号鉄塔へ   


           
           80号鉄塔からの眺望です。中央に経小屋山、左手には岩船山も  
   
      
  10:06 尾根分岐、左手から登りました        管理道の良い道ですが

      

      
     10:12 79号鉄塔です      鉄塔の先からは急な登りです 


   
                       79号鉄塔からコース随一の展望が開けます  

   

   
  10:25 王舎城を俯瞰   10:25 78号鉄塔との分岐は左に登ります 

      
     10:27 伐採されて明るい山頂手前の小コブです  

       

       
      所々に岩を見ると        10:41 高見山に到着です

     
 

   

   
    山頂を示す手製のプレートが架かっています     山頂直下のテーブル状岩からの展望です 


       
 
 

            
 
  

      

     
     10:54 山頂からは急な下山路を      11:02 570mピークの急登です 

     
      
    11:13 展望のないピークからは超急降下で   11:34 白糸の滝源流部を徒渉します

     

     
   
 11:35 分岐点の左は矢草林道、右が船倉山へ      11:36 船倉山へも滑りやすい道です 

  


   
 
  11:52 船倉山の山頂に到着   

        
       船倉山からの展望はあまり良くありませんが、直下の岩からは西方向に 
   
      
  13:38 王舎城へ向けて下山です      まさ土の道を下ります 

   

   
  12:54 少し分かりにく王舎城・白糸の滝への分岐を    展望の得られる場所もありますが

       

      
      利用者の減少を感じさせる道です       高度下げると深いシダも 
   
      
   ホッとするビューポイントも       13:21 林道に出ました

      
   
    13:27 落差のある白糸の滝はかなりの水量で     13:45 王舎城の遊歩道まで下山です 
 
     
   
   

 


       
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