山 名 | 弥山 |
標 高 | 535m 三角点529.7m |
場 所 | 広島県廿日市市宮島町 |
登 頂 | H29.1.11 |
アクセス | JR宮島口駅(広電宮島口駅)→ フェリー乗り場→ 宮島桟橋 |
コース | ○登り: 博奕尾登山口9:00→博奕尾9:26→10:51獅子岩展望台11:08→11:25本堂11:29→弥山11:43 ○降り: 弥山12:36→12:54御山神社12:56→仁王門13:06→里見茶屋跡13:36→大聖院14:09 |
メンバー | 美9名 |
過去記録 | H28.2.3(前峠山) H26.1.16 H25.6.6 H23.2.14 |
○宮島桟橋8:43〜登山口8:54
今回は旧軍用道路から博奕尾根を登り弥山に向かうコースです。
まだ正月飾りの残る宮島桟橋を出て広場前の道を左折します。少し進むと前方に長濱神社の赤い鳥居が見え、道脇には直進が「包ケ浦自然公園」、右に上る道は「紅葉谷」の案内板が建っています。すぐ先で道が分岐し「もみじ谷、ロープウェイ・包ケ浦、杉之浦・桟橋」の道標があります。道標に従って「うぐいす歩道」と呼ばれる紅葉谷、ロープウェイへの舗装道を進みます。
案内板から6分でうぐいす歩道と石畳道
の分岐で、分岐点には舗装路は「もみじ谷公園へ」、石畳道は「杉之浦へ」の道標があります(この石畳道は明治期に築造された包ヶ浦火薬庫や鷹巣砲台に通じる軍用道路とか)。
石畳の道を2分も行くと道を横切る溝ふた(グレーチング)と電柱があり、その先の右手に登山口
が登っています。案内表示類はありませんが、マサ土の露出した小スペースがありそれとなく分かります。辺りには既につぼみを付けたアセビの木が繁茂していました。春にはアセビ街道になることでしょう。
登山口9:00〜博奕尾9:26
登山口からは博奕尾に向けての登路ですが、良く踏まれた道は倒木も多く見られました。
途中、どこへつながるのか分からない道がクロスすることもありますが、登り道を進みます。登山口から9分で支尾根に出ますが、ここは右折してコシダの茂る道を登ります(左手の踏み跡は杉之浦方面に?)。
すぐ幅の広い穏やかな尾根道となります。気持ちの良い道からは大鳥居や大野瀬戸、経小屋山など対岸の山並みなどを見ることができ、次いで正面に獅子岩展望台、弥山、駒ケ林が現れました。
軽く下ると紅葉谷からの道と合流しますが、ここには「←もみじ谷公園・包ケ浦自然公園→」の道標が立っています。登ってきた方向は倒木で止められていました。この合流地点からすぐで案内板と合戦図そしてベンチのある厳島合戦史跡の博奕尾
に到着です。登山口からは26分でした。
○博奕尾9:26〜獅子岩展望台10:51
ここからいよいよ博奕尾根
の急登が始まりますが、包ヶ浦自然公園やキャンプ場への道でもあり擬木階段など歩きやすく整備されています。振り返ると朱の大鳥居と厳島神社そして経小屋山、船倉山など対岸の山が広がっています。
博奕尾から15分ほどで「包ヶ浦自然公園30分・弥山登山」の道標がある分岐に到達しました。
ここで遊歩道から分かれてコシダの茂る山道に入ります。急坂をあえぎ登ること20分、主尾根に出て右に登ります。左は倒木で止めてあります。(ここは下山時の要注意地で、案内表示などはありませんが今回は赤テープがありました
)登るとすぐ「←もみじ谷公園、包ヶ浦自然公園・弥山登山→」の道標があり、この道標の後ろに包山や鷹巣高砲台、大砂利への道が分岐しています。道標からしばらく進むと左手の下方に開拓集落が見え、続いて広島湾方向が開けホット一息つけます。明るい尾根の道を登ります。
おむすびのような小黒神島が顔を見せ、風化した「包ケ浦・自然公園」の表示板を見送ると405m台のピークです。前方には獅子岩駅と弥山が見えています。ピークからは深く溝状に掘れたまさ土の道を慎重に下ります。ロープウェーの音が聞こえると「かや谷駅
」が見えゴンドラが出発して行きました。道は駅施設の下のコンクリートトンネルを抜け駅の右手で山頂に向けて登っています。博奕尾からは55分ほどでした。
かや谷駅からすぐの大きい段差を越えると急登となります。進むにつれて一気に視界が開け、「三つ石尾根(みついしおね)」と呼ばれる穏やかな道はコース随一の絶景です。右手、東方向に大奈佐美島や西能美島が見えました。正面にはロープウェー山頂駅の「獅子岩駅」、右手には小黒神島、大黒神島も見えます。再び視界がさえぎれますがすぐ獅子岩駅
の裏に出ます。かや谷駅からは約20分でした。
暖房の効いた獅子岩駅の二階には売店やレストラン、展望台ができていました。駅前の石段を登ると標高430m台の獅子岩展望台で、西側は弥山(標高535m)ですが北〜東〜南方向には江田島や能美島をはじめとする瀬戸内の素晴らしい多島美が広がります。
○獅子岩展望台11:08〜弥山11:43
しばらく景観を楽しんだ後は目的の弥山に向かい、駅舎から遊歩道を鞍部に向けて降ります。観光の人達と行き交いながら6分ほど降ると紅葉谷コース
との合流点で、「紅葉谷1.8km、弥山山頂0.7km、獅子岩駅0.3km」の道標と宮島自然散策案内図そして下山口には「天然記念物弥山原始林」の石柱が立っています。
道は舗装路に変わり、すぐ右手に台風19号の際の復旧工事ころから利用されている山道が分岐しますが今回はパスです。左手にロープウェー獅子岩駅がみえる辺りから展望が開け、崩落地跡では瀬戸内海の景観が楽しめます。急な石階段を登りきると霊火堂のある弥山本堂前
に出ました。獅子岩駅から18分でした。
弥山本堂は弘法大師修業の場と云われます。霊火堂(2006年再建)は弘法大師の時以来1200年間消えたことが無いと云われる霊火で知られ、万病に効くと云われる大茶釜の湯を頂くことができます。本堂から三鬼堂へ、そしてその左手の石階段を登るとすぐ台風19号で崩壊した千手観音地蔵尊堂そして観音堂、文殊堂です。文殊堂の背後には山頂の大岩が見えています。毘沙門堂跡の前を通り「くぐり岩」を潜ると南方が開け阿多田島そ奥のに周防大島が望めました。門のような巨岩の間を抜けると弥山山頂
です。
○弥山12:36〜仁王門13:06
山頂には529.7mの三角点
がありますが最高点は535mの巨岩の磐座(いわくら)石です。
山頂レストハウス
3Fの展望台からは海と島が織りなす360度の大パノラマを展望が得られます。北方向には広島市街地、東側方向には先ほどのロープウェー獅子岩駅、その右手に大奈佐美島(おおなさびしま)、その背後に江田島と西能美島、東能美島その奥には倉橋島が重なり、そのさらに奥は野呂山など呉の山々も見えます。また南方向には小黒神島、大黒神島から阿多田島が真南に、その右奥には周防大島そして微かに四国の山並みも望めました。西側には宮島の先峠山から三つ丸子山、駒ケ林と焼山、その先に大野の経小屋山その奥には芸北の山並みが連なります。
下山路は磐座石の右側の大日堂経由と左側の文殊堂経由がありますが今回は文殊堂に下りました。弥山本堂からは大聖院コースに向かいます。
本堂から下るとすぐ真っ赤な祠の水掛地蔵堂で、次いで御山神社への入口です。赤い鳥居をくぐり3分ほど進んだ石段の先に、宗像三女神を祀ると云う朱塗りの瀟洒な社殿が見えています。玉垣に囲まれ静寂な社殿の前は大岩で絶壁の先は深い谷となっています。 再び登山路に戻り軽く登ると左手に鯨岩があり、駒ヶ林と焼山(三剱山)が真正面に見えています。下ると仁王門
ですが台風で倒壊し平成24年に再建されたものです。仁王門のすぐ下が分岐で直進すれば大元公園コース、右折すれば大聖院コース、左折すれば奥の院です。
○仁王門13:06〜大聖院14:09
今回は大聖院コースとしますが導標には大聖院までは1.9kmとあります。右手のアーチ型石階段から石段と石畳の急な道を下りますが、間もなく現れる石畳が「遊女石畳道」でしょうか。8分ほどで左手の谷が大きく崩壊していますが、ここが平成17年の土砂崩れ先端部でしょう。自然災害のすさまじさを感じさせられます。10分で1号砂防堰堤
でその先に青い大野瀬戸が顔を見せています。堰堤は景観に配慮して表面に石材を張ってありましたが、自然に溶け込むには長い年月を要することでしょう。堰堤下部には14丁の石柱があり、堰堤石段を登った辺りが広島城主が馬で登ってきたという「大夫戻し(たいゆうもどし)」と思われます。 堰堤から谷は登山道の右手に変わり、この辺りからは新しい石段が作られていますが結構急勾配で登りは大変でしょう。10分で巨大な一枚岩の「幕岩」で、手前には崩落した元の石段が残されていました。幕岩の先の左手には石仏群が祀られた賽の河原がありました。間もなく右手に岩壁を流れ落ちる小滝(白糸の滝?)が見えます。はるか下まで続く岩壁はなかなか壮観です。
仁王門から30分で里見茶屋跡
に到着しました。ここはテーブル・ベンチが置かれた東屋で厳島神社、千畳閣、五重塔など神社エリアの核心部を俯瞰できる絶好の展望地です。
茶屋跡からも急な階段を下ると明るく開けて瀧宮神社です。神社は土石流により破壊され再建されたもので、背後に白糸の滝が見えますが水量は少なめでした。茶屋跡から20分で瀧不動堂で大聖院の伽藍も見えてきましたが、辺り状況は土石流の惨状を偲ばせます。懺悔地蔵堂を過ぎて石鳥居をくぐると宮島で最も歴史の古い寺院と云われる大聖院
です。仁王門からは1時間でした。
広島里山紀行記