山  名   奥滝山・ 中津岡山・馬の口山 
標  高 550m・530.3m・567m 
場  所 廿日市市大野町 
登  頂 H30.10.31 
アクセス JR大野浦駅8:37→県道289号線登山口8:51 
コース ○県道289号線登山口9:01→574mピーク10:09→馬の口山11:05
○馬の口山11:07→奥滝山11:16 
○奥滝山12:31→中津岡山12:53
○中津岡山12:58〜近角林道登山口13:38 
メンバー 美15名 
過去記録  

 

                      【概 要】                                
  奥滝山(550m)と中津岡山(530.3m)は廿日市市大野町の里山で経小屋山と大野権現山に挟まれる形で南北方向に延びる山塊で、574mピーク・奥滝山・馬ノ口山・中津岡山・帆柱山と連なりますが何れも地形図に山名の記載はありません。また連山中の最高峰は574mピークですが三角点は中津岡山に置かれているのみです。
 経小屋山と大野権現山の両山の陰に隠れた目立たない存在ですが、それだけにロープなどの人工物が無く手つかずの自然が残された静かな山歩きが期待できます。展望は奥滝山からは東側に大きく開け大野瀬戸を隔てて広島湾、江田島、宮島、大野権現山などを望みます。また山頂から少し下った露岩岩場のロックガーデンは絶好の西側の展望地で渡の瀬ダム、傘山、河平連山や大野権現山、遠くは三倉岳その奥に羅漢山、吉和冠山などの中国山地脊梁の山並みまで望めます。
 中津岡山は縦走路から少し外れた樹林に囲まれる狭い山頂です。展望も無く地味な存在ですが北方向に少し下れば大野権現山方面を見ることができます。
 今回は経小屋山林道入口(県道289号との分岐点)側の登山口から547mピークを経て奥滝山に至り中津岡山からおおの自然観察センター側の登山口(近角林道)に下山する縦走コースでした。
 ロックガーデンルートはテープのみですが奥滝山・中津岡山は案内標識が整備され、コース中で特に危険な場所はありませんでした。

○県道289号登山口〜574mピーク10:09
 JR大野浦駅からタクシーで県道289号線を西進すると15分ほどで経小屋山林道入口に到着しました。
 林道入口と県道との交差点から松ケ原町、渡ノ瀬ダム湖寄り少し進むと携帯電話アンテナがあり白いフェンスが上っています。ここが「おおの自然を愛する会」の登山マップで「ロック・ガーデン・ルート(新道)」と紹介されている登山口となります。フェンスには「中津岡山、帆柱山方面」と書かれたプラスチックプレートがありコース概念図が描かれていました。
 登山口からフェンス沿いに登ると3分で雑木林に入り、「右 大野町有林」の境界杭のある穏やかな道を登ります(杭はコースで唯一の人工物でした)。楽勝と思いきや登山口から5分もすると険しい道が始まりました。視界の無い道ですが上空は明るく開けています。出発して23分ほどで初めて視界が得られて道脇の岩から経小屋山を背後から見ることができました。登山口から574mピークまでの標高差は300mほどですが、この展望の岩からは大変な急勾配が続くことになります。登るにつれて足に優しいシダの道もマサ土の道にと変わってきました。
 登り始めて50分で風化した花崗岩露岩に着きました。目の前に経小屋山から大鉢山、傘山、河原連山と素晴らしい景観が広がっています。この露岩地を過ぎても急な登りは続きますが5分ほどするとやっと解放されて574mピークへの尾根に出ました。登山口からちょうど1時間でした。尾根道からは時たま視界が得られ厳島神社方面が望めるなどホッとさせられます。緩やかに歩を進めると3分ほどで574mピークに到着しました。

○574mピーク10:09〜馬の口山11:05
 574mピークは赤テープが樹幹に巻かれているだけで展望も全く得られませんでした。ピークを下るとこの先は馬の口山へ向けての、今回コース中で随一と云える自然林の中の快適な尾根道歩きとなります。この先ロックガーデンまでは尾根を大きく回り込んでいきます。
 これまで彩りの乏しかった道も盛りのシロモジの黄葉が映えて少し疲労を感じる体を癒やしてくれます。木々の狭間から時折姿を見せる巨岩ロックガーデンが進むにつれて少しずつ姿を変えていきます。
 道には案内表示はありませんがテープは見られます。ピークから20分余りの地点で初めて「←ロックガーデン、帆柱山・経小屋山林道→」のテープがありすぐ鞍部に降りました。鞍部から登り返すとちょっとした露岩があり三倉岳やダム湖が顔を見せました。
 再び急になった道を登ると574mピークから38分ほどで右手下方突然開けました。下ってみると展望の露岩でした。目の前にはロックガーデンの巨岩、そして574mピークやずいぶん遠くになっ傘山が見えています。展望岩を出発し小コブを越えたと思ったら再び急勾配です。登り切ると馬の口山でした。574mピークから55分ほどでした。

○馬の口山11:07〜奥滝山11:16

 馬の口山は三差路分岐で多くの案内表示類が見られ、登山口と同じ概念図が書かれたプラスチック製プレートや「←経小屋山林道口」の案内テープがありました。左(北方向)はおおの自然観察センター側の登山口や帆柱山への登山路で、右(南方向)が奥滝山への道です。ただ肝心の山頂を示す標識は見当たらず、知らなければ山頂らしい雰囲気の無い馬の口山はそのまま通過しそうです。
 奥滝山へ向かうとすぐ穏やかな下り道に入り色づいた木立の間を縫って進みます。平坦な鞍部を越え前方に見えてきた山頂の大岩の右を巻いて登ると奥滝山に到着です。馬の口山からは8分でした。

○奥滝山12:31〜中津岡山12:53
 手製プレートの掛かった奥滝山の山頂は前面が切れた落ちた狭い露岩の上で正面に宮島が見えています。展望は東側に大きく開け大野瀬戸を隔てて広島湾に浮かぶ似島、江田島、宮島、大野権現山などが望め、西側は木立に邪魔されますがそれでも木の間越しに山影が確認できました。
 次の目的地であるロックガーデンは山頂から南西に数十メートル下ります。段状になった露岩のロックガーデンは西側の絶好の展望地で574mピークから馬の口山への縦走尾根の背後に渡の瀬ダム、傘山、河平連山や大野権現山、遠くは三倉岳その奥に羅漢山、吉和冠山など芸北の山並みが望めます。
 大休憩の後は中津岡山に向うため一旦山頂まで戻ります。往路をたどり馬の口山から右に下り軽く登り返すと尾根上の展望地で、正面に中津岡山その先に大野権現山などを見ることができました。下り再び登り返すと小ピークに出ますがここは左折して進みます。上空は明るいけれども視界の無い道を下り、再度登り返すとポッカリ開けた小広場に出ました。馬の口山からは20分ほどでした。
 ここは帆柱山、中津岡山、奥滝山の三差路分岐で来た方向に「奥滝山・ロックガーデン」、直進方向に「帆柱山 自然観察の森」、右折方向に「至 中津岡山」の案内表示があります。中津岡山に寄るため右折し平坦な道を2分ほど進むと山頂です。

○中津岡山12:58〜近角林道登山口13:38
 手製プレートが掛かった狭い中津岡山の山頂には三等三角点が置かれています。端に大岩があり昭和十五年と書かれた陸軍省標石が立っていますが、生長した樹木に囲まれて展望はありません。(山頂から少し引き返し右に下れば展望の岩で大野権現山方面を見ることができますが。)早々に分岐まで戻り「帆柱山 自然観察の森」方向に下山します。
 辺りはマツの疎林で前方に大野権現山を見ながら、時には海を見ることもできました。ただ足下はマサ土が露出した道で注意が必要です。分岐から数分もするとシダの急な下り道となってきました。シダの道が終って山腹を巻くようになり数回小沢を越えると薄暗い谷間の右手にそそり立つような大岩が現れました。岩の裾を巻く形で緩んだ尾根道を進むと近角林道登山口と帆柱山との分岐です。山頂からは26分ほどでした。
 分岐には多くのテープ類が見られ、樹幹には「中津岡山・ロックガーデン」の案内標識が掛かっていました。直進する帆柱山への尾根道は進みたい気持ちに駆られる良い道ですが、テープに「帆柱山(急坂)・自然観察の森→」と書かれており急勾配の道のようです。 
 今回は予定通りに「←車道 車道に出て右方向自然観察の森」の案内に従って左に下りました。すぐ薄暗いヒノキ植林帯に入り倒木や一部沢状の道を抜けて小さな沢を跨ぎ一登りすると近角林道に出ました。道脇に「←奥滝山登山口」の案内標識が立っています。山頂からは40分でした。  
 近角林道を自然観察の森入口まで歩くことになりますが、9分ほど進んだ地点で舗装路が崩落していました。車の往来の無い道を20分で自然観察の森入口に到着しました。
                   
                          広島里山紀行記


 


  

   

   
  携帯電話アンテナの所が登山口です    9:01 フェンス沿いに。矢印が経小屋山林道入口 





   

      
  しばらくは穏やかな道ですが       次第に急勾配の道に変わります 

    
 
  
  足に優しいシダの道を     9:24 前方に展望の岩が見えてきました 

        
       展望の岩からは経小屋山を背後から見ることができました。 奥には宮島も。 

     

            
     展望の岩からも険しい道は続き      滑りやすい道に変わってきました      

   

   
  9:52 花崗岩の露岩に出ました   風化し砂礫で滑りやすい斜面を 


 
 
            露岩からは経小屋山や大鉢山、傘山、河原連山と素晴らしい景観が広がっています 

   

   
  10:01 574mピークへの尾根に出ました    尾根道からは宮島が顔を見せました

   

   
  歩きやすくなった尾根の道を   10:09 574mピーク、展望もありません

   
   
  ロックガーデンの右端が見えています    彩る秋色を楽しみつつ





   

      
  尾根道を歩けば聞こえる聞こえる秋の音      盛りのシロモジの黄葉 

   

   
    前方が開けると露岩展望地でした

   

   
  露岩からは三倉岳やダム湖が顔を見せました   木の間から姿を見せたロックガーデン

      





   
     急になった道を登ると   展望の露岩でした。 ロックガーデンが 

   
 
  10:49  展望の岩からは正面に574mピーク、左にはロックガーデンの巨岩が見えています

     

      
    尾根の終わりはアップダウンが       最後の急傾斜の道を登ります 


  

   

   
  11:05 馬の口山に到着です   ここにも分かりやすい概念図が 

   

   
  馬の口山は三差路分岐です   11:07 奥滝山に向かいます

   

   
  奥滝山が見えてきました   色づいた木立の間を縫って進みます

   
 
  山頂の大岩は右を巻いて  


  

   

   
  11:16 奥滝山に到着   狭い山頂ですが展望は素晴らしい

  
 
  展望は東側に大きく開け大野瀬戸を隔てて宮島、江田島、大野権現山などを望むことができます 

      
  山頂から少し下るとロックガーデン。 数段の岩棚から構成された展望の良い岩場です 

  
 
  574mピークからの縦走尾根の先に傘山、河平連山、渡の瀬ダムや三倉岳さらに羅漢山、吉和冠山などの中国山地の山並みが

            
  

   

   
  12:22 中津岡山へ向けて下山です   12:31 馬の口山の分岐は右に下ります




   

      
  中津岡山その先に大野権現山を      小ピークに出ると左折します

   

   
  12:51 分岐の小広場にでました   先ず中津岡山(赤)へ。 帰路は林道方面(黄) 

   
 
  中津岡山へは平坦な道です  


  

   

   
  12:53 中津岡山に到着   狭い山頂部です

     
 
     三等三角点と陸軍省標石が置かれた山頂は生長した樹木に囲まれて展望はありません 

   

   
  12:59 山頂から下山です。 奥滝山は左へ   明るいマツ疎林の道を

       





   
      マサ土とシダの急な下りとなってきました   大野権現山を見ながら





   

      
  山腹を巻いて     滑りやすい道が終わり谷間に下ります

       





   
      薄暗い谷に下ると大岩が    大岩を巻いて小沢を越えます 

   

   
  13:23 帆柱山へ続く尾根道から左折し林道に   分岐を直進(黄)すると帆柱山へ 

     

      
    薄暗い植林帯を緩やかに下ります      荒れた道は沢のように 

   

   
  13:38 近角林道に出ました   出た所には登山口標識があります 
 

          
 
          ベニマンサク  秋の深まりは更なり

   

   
  近角林道は通行止めでした   13:59 おおの自然観察の森に到着です
   
   

 
     
inserted by FC2 system