山  名   吾妻山 
 標  高  1238.4m
 場  所  庄原市比和町 島根県仁多郡奥出雲町
 登  頂  H24.9.21
 アクセス  庄原IC→国道183号→国道432号→県道255号→吾妻山国民休暇村
 コース  国民休暇村→池の原→小弥山→山頂→南尾根→南の原→キャンプ場→池の原
 駐車場  国民休暇村駐車場  キャンプ場駐車場
 トイレ  国民休暇村
 メンバー  同道二人
 過去記録  H24.5.19


 

 吾妻山はブナ林が茂る比婆山(御陵)と対峙した草原の広がる花の山です。そして比婆山系の中でも多くの山野草に恵まれ、その種類は120種とも200種とも聞きます。草原、湿原、池そして樹林と多様な生育環境が一箇所に凝縮されているのも特徴でしょう。とくに池の原を中心とする元の放牧地は良く草原の状態が保たれており、多種多彩の山野草が繁茂し春から秋にかけて様々な種類の花々を見ることができます。島根県との県境に位置し標高1238.4mですが、登山口となる国民休暇村がすでに標高1000m程度でかなり高い位置にあるため、手軽に山頂を極めることができます。

 久しぶりの山歩きは吾妻山からでした。5月の教訓から「いざなみ工房」手前で久泉原からのルートに入りましたが、すでに閉鎖されていた旧ドルフィンバレースキー場経由の道は復旧していました。
 今回のハイキングコースは池の原から登り、南尾根を下るパノラマルートとしました。

○登山口〜山頂                              
 国民休暇村ロッジの駐車場を少し登ると左に登山口が現れ、すぐ牧歌的な池の原の景観が展開します。一帯はその昔、砂鉄から鉄を作る「たたら製鉄」の燃料用として森林が伐採され後、伐採跡地に牛が放牧されるようになり草原状となったようです。

 草原には原池、ひょうたん池、大池の3つの池がありますが何れも砂鉄を採るための人工池とのことです。その一つ原池には移植されたミズバショウがみられることで知られていますが、この時期はスイレンの花も咲いていました。

 原池を過ぎると左手に小高い芝草の丘小坊主の頂があり、その山裾にはウメバチソウやマツムシソウが見られます。マツムシソウは以前はもっと群生していたと思いますが、国内的にも減少して今やレッドリストに入っているとか。その清楚な姿はやはり草原の秋を代表する山野草でしょう。池の段の花々も良かったがこちらも劣らずすばらしい。

 草原が尽きると早くもロッジと山頂の中間点でここからは山道となります。しばらは灌木の中の道ですが視界が開けると尾根に出て小弥山に着きます。ここにはベンチも置かれススキの原越しに赤い屋根のロッジや池の原も箱庭のように見下ろせる素晴らしい景観が展開する一休みの適地です。

 前方には山頂が見えこの先は稜線沿いに登ってゆきますが、道々には草花が咲いてなかなか歩が進みません。頂上直下の小さな湿地にはやや盛りを過ぎた感のトリカブト(ヤマトリカブト?)も見られました。登山路はこのところの多雨の影響か荒れた個所も。

 玄武岩が露頭した頂上は360度遮るもののない眺望が楽しめます。今日は予報に反してやや霞んでいますが東には烏帽子山、御陵、立烏帽子山、池の段など比婆山連山、眼下には草原状の大膳原が広がっています。西に目を転じると切り立った尾根が特徴の猿政山や高野毛無山などが。残念ながら大山は姿を隠していました。

○山頂〜南の原下山口
 下山南尾根を下り南の原登山口を目指します。緩傾斜の草原の稜線を南へ下ってゆくとすぐ大膳原への分岐ですが、今回はそのまま直進します。さえぎるものの無い尾根道は左手に比婆山連山、正面に福田頭、右手に猿政山などが望め実に雄大な感じです。

 長い長いパノラマコースを下り樹林帯へ入ると程なく左手に大膳原からの道が合流します。ここからは吾妻山の山腹を北へと進みますがサワグルミ、トチノキの巨樹そしてブナの心地よい樹林の中の道となります。

 樹林をすぎるとキャンプ場に到着し舗装路に出て少し歩きます。再び山道に入って小さな沢を渡ると池の原に出て正面に小坊主が見えます。いつもの風景ですが改めてニレ?の大樹の下に立つと圧倒される思いです。湿原の上部を巻いて休暇村ロッジに向かいますが、ゆったりした時間が流れる草原は初秋の風も心地よく感じられました。
 吾妻山はこれからいよいよ錦秋の秋を迎えることでしょう。
  
                                                                     広島里山紀行 記


 

     

     
        吾妻山ロッジ、今日も県外ナンバーが 

     

     
       登山口からすぐ牧歌的景観が       ゆったりした時間が流れる芝の池の原

    

    
        原池   マウスを乗せると  
 
                            
                             
  

     

     
          穏やかな山容の山頂            中間点から山道が始まる

     

     
          尾根に出ると小弥山の頂き           箱庭のように広がる池の原

     

     
         玄武岩が露頭する山頂       視界さえ良ければ大山も見えるはずですが 
   
   

Hiroshima Satoyama Kikou

山頂部の景観

     

     
        ススキの大草原、大膳原            草原の南尾根を

              
                大膳原と比婆山連山。左に烏帽子山、中央に御陵、右に立烏帽子山、池の段

     

     
            大膳原への分岐               南尾根を下り

     

     
            山頂を振り返る           ススキの先に立烏帽子山

              
                             さえぎるものの無い尾根道

Hiroshima Satoyama Kikou

                                                                                          雄大な景観を楽しめるパノラマコース


     

     
         旧ドルフィンバレースキー場を  

     

     
        展望の尾根を終え樹林帯に         左に大膳原からの道が合流
               
       トチなどの巨樹が植生する巻き道を                  ブナも

     

     
          キャンプ場の域内に入り              舗装路に出て

     

     
          ここから池の原に向かいます           鮮やかなガマズミ

                  
                               ニレの大樹と小坊主

                
                              茫々とした中国山地の山並み
 
   
                            
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