山  名  立山(雄山)
 標  高  3003m
 場  所  富山県立山町
 登  頂   H27.7.5 
 メンバー  同道二人

 

                                【概 要】                               
 立山は北アルプス北部の立山連峰に位置する山で雄山、大汝山、富士ノ折立の3つの峰の総称で、雄山は主峰で中部山岳国立公園を代表する山の一つです。また雄山、別山、浄土山を立山三山と呼ばれています。
 山岳信仰の山として富士山、白山と並んで日本三霊山の一つに数えられ山頂には雄山神社本宮が置かれています。一等三角点(標高2999m)が設置され、本宮の前には測量の基準である標石(標高点3003 m)があります。
 このエリアは日本では数少ない氷河(御前沢雪渓)が存在など、北アルプスの中でも最も積雪が多いとされます。今回も夏山開き直後ですが、室堂平から一の越までは残雪に被われていました。

○ 室堂ターミナル駅〜一ノ越山荘
 室堂ターミナル駅を出た場所にある「立山玉殿の湧水」で給水して雄山に向かいますが、正面には立山三山が屏風のようにそびえています。雪原の趣きのある室堂平をまずは立山室堂山荘をめざします。山開き直後とは云え石畳の散策道はまだ除雪が進んでいません。重機で掘削していますが場所によっては人の背高ほどもあります。
 さすが室堂山荘前は地肌が覗いていました。山荘前は分岐点で左手には木造平屋の2棟の国指定重要文化財「室堂山荘」が見えています。直進は「一ノ越・雄山(立山)方面」、右折は「室堂山・浄土山 五色ケ原方面」の表示があり、室堂山展望台の辺りにはスキー屋の姿も見えました。
 室堂山荘から先はゆるやかに登る石畳の幅広な登山道となりますが、周辺はまだ林野庁「ブナ坂国有林」の案内板も半分ぐらい埋もれるほどの残雪です。広い雪の原に点々と連なるポールは道標でしょうか、視界の失われたときは大いに助けられることを帰路で認識しました。腐った雪は足を取られやすく大変歩きにく簡易アイゼンを装着した人の賢明さを感じます。
 秋口になっても雪渓の残る浄土山の麓を巻く辺りから登りらしくなり、地獄谷の硫黄臭がこの辺りまで漂っています。登路は束の間、石畳が現れるものの雪道が続き、ときおり左側の斜面を滑降して行く人もあります。振り返ると中央に奥大日岳を見て雪に覆われる室堂平、雷鳥平と雄大な景観が広がっていました。
 徐々にきつくなった雪道をジグザグに登ると標高 2567mとされる場所にある「祓堂」に到着しました。祓堂は立山信仰で俗界と神の世界の境界とされ祠が建っています。ここからは一ノ越山荘がすぐそこのように見えていますが、一段と斜度を増した雪道を進まねばなりません。立山直下の斜面で雪が無くなり、これまでの難渋が嘘のような石畳道を進むとようやく一ノ越山荘に到着です。

○ 一ノ越山荘〜雄山
 山荘前(標高2700m)は浄土山との鞍部で一寸した広場とバイオトイレもあったりして格好の休憩地です。この時期はまだ登山者もまばらですが、ピーク時には結構混雑しています。またこの場所は登山道の分岐点で北は目指す雄山、南は浄土山そして竜王岳から五色ヶ原方面へのルートになっています。東には黒部湖と後立山連峰の一部が望めますが生憎ガスが湧いています。
 一休みの後は雄山に向かいますが、ここからは標高差300mを一気に登ることになります。登路には雪は全く見あたりませんが登山者が多いだけに踏み跡も多く、薄くなったペンキ印を確認しながら登ります。見かけ以上に急登で、ものの10分もすると山荘がはるか下方にと云う感じです。
 左手眼下に室堂平を見ながら登り、前方にあたかも門のような大岩が見えると二ノ越(標高約2800m)の祠です。そして突然、三ノ越(標高約2880m)の祠に出ました。これまでの道が嘘のような砂礫の広くなだらかな所で一息着ける格好の休憩場所になります。再び険しくなった岩の道を進み、四ノ越(標高約2960m)の祠を過ぎ、そして最後の急登をジグザグに登ると山頂の五の越に到着です。
    
○ 雄山〜室堂平
 出たところには三角点石柱と方位盤が置かれています。シーズンの盛りなら多くの人で賑わう雄山神社社務所前もさすがに人影はまばらでした。標高3003mの最高点には雄山神社峰本社がありますが登拝料が必要です。
 前回は快晴に恵まれ槍が岳や鹿島槍などの後立山連峰、剣岳、薬師岳などを360°の大パノラマを楽しめましたが、今回は雨天の予報こそ外れましたが湧き上がるガスで展望は良くありませんでした。
 神社鳥居の脇が富山県最高峰の大汝山(標高3015m)、別山方面への縦走路スタート点になります。大汝山までは往復40分程度ですが、雪道は思いの外に時間を要し今回は雄山までとして展望を楽しんだ後は下山です。
 下山は登ったルートをそのまま辿るだけですが、急な下りに加えて小石の混じるザレ状の斜面は浮き石もあり注意が必要です。
 一ノ越山荘を越えると再び雪の原ですが、午前中とは異なり深いガスの中を下ることになりました。               
                          
                                                  広島里山紀行記



 
 
   

     

     
    ターミナル駅横の碑からスタートです       除雪の終わった散策道を 

        
                重機による除雪作業が進む室堂平。左が大日岳、右が奥大日岳です  

       
       立山三山、左から別山、雄山、浄土山。屏風のように立ちはだかる雰囲気です。一ノ越ははるか遠くに 

     
 
     
    立山室堂山荘、右の2棟が重要文化財の室堂山荘      右は浄土山・五色ケ原方面へのルート 

     
 
     
    登山路に入ると除雪はありません        地肌の現れた所ではホッとします
   
   

             
               浄土山の裾を巻きます。 この辺りは前回、8月でも雪渓が残っていました   
     
 

       
     一ノ越山荘が見えてきましたがまだ遠い      振り返ると室堂平が眼に入るようになりました 


                            
   
        
       
        短い夏を競うように      次第に斜度を増した登路、浄土山を背景に

  
                        振り返ると素晴らしい景観が広がっています  

      

      
   
     祓堂です。俗界と神界との境界             中央の裸地に祓堂がみえます 

     
 
 
     一ノ越山荘に到着、右は五色ケ原方面へ   
 
   

      

     
     山荘は標高2700mに置かれています      山荘前からガスの湧く黒部湖方面を 

      

     
     山荘前から雄山に向けて。建物はバイオトイレです      10分ほど登ると山荘も眼下に 

          
 
         二ノ越の祠です   

          
            二ノ越を超えると景観も変わってきます。中央部にはみくりが池みえるのですが、、、  

        

      
       三ノ越に向けて。浮き石もあり注意が必要です       場所によっては両手を使っての 
   
    

 
     三ノ越に到着。薬師岳方面はガスで   
      
     
     三ノ越の祠から奥大日岳を望みます      三ノ越は砂礫の広場 

         
     
        社務所は目の先ですが急登が続きます     四ノ越の祠の先に浄土山の頂が 

      
    
 
     五ノ越に置かれた一等三角点と方位盤です      社務所前、さすがにまだ人影はまばらです 
                   
                    
                         最高点の岩峰と雄山神社峰本社
   

         

     
        本社はこの関所を越えます       神主さんも暇そうでした       


                 
                   正面に剣岳を。眼下には立山連峰に囲まれた美しいカルデラが広がっています
 
   

         

           
     下山です      三ノ越、剣岳が頭を覗かせています

          
     
         近づいてきた一ノ越山荘と竜王岳      一ノ越から下ると視界が遮られて 

      

     
     ポールの必要性を実感させるような      腐った雪は時に足を取られます       

      

     
     雪原の趣きの中を      室堂山荘まで下山しました 

      

     
     除雪の進んだ散策道を     たたずむ遭難者慰霊塔 
        
   
     雪解けの進んだみくりが池   クロユリ、魔性の花とか 

         
 
   

 
 

        
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