【概 要】 |
経小屋山は広島県廿日市市大野町にあり、標高596.6mの山ですが、海抜0mから始まる山歩きは急峻な尾根登りを強いられ、標高差以上の登り応えがあります。山頂まで車道が通じているため達成感は損なわれますが、明るい尾根道からの大野瀬戸と宮島を一望する山歩きはそれを補って余りあります。
登山コースは数ルートあり体力、時間に合わせて選択できますが、今回は鳴川ルートを登り三軒屋墓苑ルートを降るコースを選択しました。鳴川ルートは山頂までに途中、巨岩群の間を縫って登り、展望の岩場と440m台のピーク、そして513mの西展望所と見所満載のルートです。
○JR玖波駅8:39〜展望岩10:05
先週の傘山登山に続いてJR玖波駅に下車です。偶然、駅で待ち合わせて河平連山に向うという広島労山のKさんに久しぶりにお会いしました。
JR玖波駅前から東進して経小屋調整池に向かいます。駅から200mほど東進した2つ目の鉄道ガードを潜って玖波小学校前から右折し、玖波7丁目団地を抜け自動車道の下をくぐると15分でポンプ所の前に出ました。左折すると玖波尾根ルート登山口に向かいますが、ポンプ所からもルートをたどれるようです。
ポンプ所から右折し5分ほど自動車道側道を歩くと経小屋調整池入口の柵があり、経小屋山の表示が立っています。立入禁止のプレートが架かる!柵の脇から入り、舗装路を5分登るとタンクのある鳴川ルート登山口に着きました。
服装調整の後、右手の道に入りますがここには登山口などの特別の表示はありません。2分で鉄塔に出て、たらたらと降って登り返すと本格的な山道です。2分ほどして振り返ると緑色のタンクがもう下に見えます。鉄塔から4分で右手から巡視路が合流します。この辺りは平成11年の山火事の影響も感じられず、もう結構生長した木々に被われています。登り始めて17分ほどで視界が開けて団地が目の下に広がっています。
展望のない尾根道は直登で高度を稼いで行きます。タンクから35分ほどで岩場が現れ、登ったところは標高270mのピークでしょうか、前方に440m台ピークと思われる岩に被われた山が見えています。一旦軽く下って登り返すと巨岩群が目前に立ちはだかり、いよいよ鳴川ルートのハイライトシーンの岩場コースが始まります。この辺りはワラビの植生が多い場所で先行したグループが盛んに採取していました。
○展望岩10:05〜南展望所11:23
タンクから50分ほどで展望の岩が現れました。標高は400m台と思われますが前方には440m台ピークが見え、眼下に大野瀬戸と宮島を望む素晴らしい景観が広がります。展望の岩から進むと果たして大丈夫かと思われるような、巨岩に被われた440m台ピークが覆い被さるように迫ります。左手目の前には結構岩が多い玖波尾根ルートが、その奥には3月に登った傘山が顔をのぞかせています。また振り返ると岩の重なる鳴川ルートの尾根が玖波の海に雪崩落ちています。
登り切ると440m台ピークに出て岩場登りも終わります。巨岩の間を抜けてのルートでしたが、道はしっかりしており安心して登れました。ここからは台地状の山頂部でしばらくは、なだらかな道を進みます。やがて右手から残念社ルートが合流します。合流点までタンクからは1時間20分ほどでした。
樹木に被われた穏やかな道を進むとやがて右手に視界が開け、宮島が目の前に見えています。前方に西展望所を見ながら進みますが、右手には新しい岩滝ルートの巨岩尾根がみえます。残念社分岐から10分ほどで西展望所へ向けての急坂が始まりました。ロープも架かるまさ土むき出しの道は降りに使うと難儀しそうです。
何とか登り切ると西展望所です。西展望所は岩に囲まれた平坦地で宮島から大竹方面にかけての景観が得られ、登ってきた鳴川ルートの440m台ピークや玖波尾根ルートも見えています。
西展望所からは森林公園の範囲になり木階段が下っています。すぐ遊歩道一周コースの分岐、続いて半周コースの分岐です。ここで林道経由で山頂三角点に向かうFさん達3人と別れ、他は一周コースをたどり直接南展望所に向かいました。南展望所手前の右手に分岐があり、テープに宮浜温泉へ下るルートと記されていましたが、これが新しい岩滝ルートと思われます。到着した展望所には2人の登山者の姿がありました。登山口からの所要時間は休憩時間を含んで2時間10分ほどでした。
○南展望所12:04〜JR大野浦駅13:43
東屋のある南展望所からは真正面に宮島、その奥に能美島などが望めますが、遠く四国の山並みまで見ることもできると云われる眺望も生憎の雲曇り空で今ひとつでした。
下山は三軒屋墓苑ルートです。展望所から7分の宮浜温泉と妹背の滝へ分岐を左折します。分岐から階段が現れ、8分でロープの架かる岩道を過ぎると、この先は展望のないジグザグを切る樹林中の急坂となって急速に高度を下げます。
南展望台から50分ほどで十字路の鞍部に至ります。十字路は左が妹背の滝、直進が城山・三軒屋墓苑ですが、右手の大野駅へのコースは既に消滅しかかっているようでした。直進の城山へのルートをとり急登を一登りすると、あとは尾根の快適な道が続きます。
鞍部から20分あまりで城山と三軒屋墓苑との分岐で、ここを右へ下ります。15分で三軒屋墓苑登山口に下山しました。八区集会所の前で左折すると登山口から10分ほどでJR大野浦駅に到着しました。
広島里山紀行 記