山  名   大万木山 
 標  高  1218.0m
 場  所  広島県庄原市高野町・島根県飯石郡飯南町
 登  頂  H25.5.16
 アクセス   三次東JCT→松江自動車道→高野IC→432号→杉戸篠原林道→新生坊峠駐車場→大万木林道
 コース  林道登山口→地蔵尊展望台→山頂
 メンバー  同道二人


 

                                 【概 要】                                
  大万木山は広島県庄原市高野町と島根県飯石郡飯南町の境界に位置し、標高1218mで二等三角点が置かれています。「おおよろぎさん」が一般的ですが高野町側では「おおまんぎやま」と呼ばれています。
 島根県民の森の一部を構成するシンボル的な山で、頂上を含めて眺望はほとんどありませんが、雄大な山容と中央中国山地には数少ない豊かなブナ林を持つ山です。
 山頂付近には中国地方では珍しいサンカヨウの群落があり、ブナ林と併せて人気の山です。サンカヨウは花の時期が短いため、今回も平日にもかかわらず多くの登山者に出会いました。
 山頂への登山道は滝見コース(登山口門坂駐車場から山頂まで3.1km、約120分)、権現コース(登山道入り口から山頂まで1.8km、約100分)、渓谷コース(登山口位出谷駐車場から山頂まで2.8km、約90分)の3つがあります。
 今回は高野町から杉戸篠原林道を登り大万木林道終点の登山口から滝見コースに合流し地蔵尊展望台経由で山頂をめざす最短ルートを選びました。

○登山口〜地蔵尊展望台
 高野町から杉戸篠原林道で新生坊峠に登って大万木林道終点にある登山口 に向かいます。終点には駐車スペースがあり正面には大万木山が大きくそびえ、登山口には「頓原・吉田地区自然観察ゾーン」と書かれた案内板が立っています。
 「大万木山山頂へ」の案内に従い新緑の眩しい登山道に入ります。「大万木山山頂へ」の案内に従い新緑の眩しい登山道に入ります。道には等検境コースと書かれた指導標が立ちバラスが敷かれ少し歩き難いもののよく整備され、滝見コース合流点までは等検境コースをさかのぼって行くことになります。
 しばらくは水平道が続き8分ほどで等検境まで2.5kmの標柱です。次いで10分で林道0.1km標柱ですが、よく見ると目の前に先ほど通過した林道が見え、広々とした草地の空き地があり1台駐車しています。ここを利用すればさらに10分の時間短縮ができました。
 ここから1分程で右手から滝見コース登山道 が合流し山頂へ1.6kmとありました。左に登る道は廃道の案内が出ています。
 この先から斜度が増し滝見コース合流点から12分で山頂1.5kmk表示です。ここは先ほどの廃道が通じていると思われますが、廃道とは云いながら結構利用されている風でした。このすぐ上が門坂峠の地蔵尊展望台です。

○地蔵尊展望台〜山頂
 地蔵尊展望台 (標高約1000m)では三瓶山や宍道湖・隠岐島も見られるはずでしたが、生憎の空模様で展望はありません。ここには蔵尊堂がありテーブルベンチも置かれ、格好の休憩地ですが林道利用ではその必要もありません。
 地蔵尊展望台からは左手に毛無山への縦走路が延びています(なお縦走路は新生坊峠の駐車場付近に出ますが、出口には特別の案内表示がありませんから初めてだと戸惑うかも)。縦走路を1分ほど歩いたところにもサンカヨウがあるはずですが今回は先を急ぎ省略しました。
 展望台からはまた急な道となりジグザグに高度を上げて行きますが、次第にブナも大きなものが見られるようになり、展望台から17、18分ほどで嘘のような広くて平坦な「遊歩道」となりました。辺りを見回す余裕もできて新緑のブナ林は本当に美しく見えます。
 平坦道が終わると再び横木の置かれた緩やかな登りに変わりました。登りに変わってから6分ほどで水飲場 で山頂0.4km、門坂駐車場2.7kmの表示があります。流れ出る伏流水は大万木山の銘水と云えコーヒーに使えばさぞ美味しいだろうと思ってしまいます。
 水飲場の先からサンカヨウの自生地 となり、道の両側に花が見られるようになります。この花を目当てに多くの登山者が登るはずですが辺りに人影は見あたりませんでした。
 水飲場から木の根の張る坂道を400m登ればログハウス風の避難小屋で、山頂まで0.2kmの案内がありました。この辺りは山頂台地の一郭で山頂まで平坦地が続きます。新緑のブナ林の中を緩やかに延びる道は、どこまでも歩きたい気持ちに駆られる実に快適な道です。前方が開けてくると山頂です。門坂駐車場からの所要時間の半分程度でしょうか、比較的容易に山頂に到着できました。

○山頂〜山頂大ブナ
 山頂 はきれいに刈り込まれた広場で一本のブナと二組のテーブルベンチが置かれています。3ルートが合流する上、花の適期とあって思いのほか大勢の登山者が憩っていました。そうこうする内にも30人が到着しますの声も聞こえてきました。
  山頂広場から権現コースを数分降ったところに、この山の中でも最大級と云われるブナの古木がありますので昼食後のぞいてみます。大万木山の盟主の山頂大ブナは地上数メートルのところで多くに枝分かれした奇形の巨樹で、枝分かれは鑪(たたら)製鉄用の木炭材料にするために切られた枝の跡と聞きます。
 山頂大ブナからもう少し先に進むと山頂展望台がありますが、展望は到底期待できないので止めました。山頂に引き返してみるとあれほど登山者で溢れていた広場は潮が引いたように人影もありません。 

○山頂〜下山口
  いつの間にか霧も流れるようになり、山頂はようやく山本来の静けさを取り戻していました。静寂の山頂でしばらく休息した後は下山です。霧の発ちこめるブナ林は幻想的で心癒される空間が広がります。ひっそりと霧のヴェールに包まれて林は静けさを増す。霧の中に吸い込まれそう。
 登山道の両側に広がるサンカヨウの自生地を眺めながらの下山ですが、往時には気付きませんでしたが下山路の左手には実に大きなサンカヨウの群生地が広がています。進入路もありませんので保護は確実でしょう。下山は往路を下るためあっという間に地蔵尊展望台に到着しました。展望は相変わらずで宍道湖はとても望めませんが、ここで最後のコーヒータイムとしました。
 下山口から見上げる大万木山方面は深いガスに被われていました。
                                                      広島里山紀行 記
 



 

         

     
       新生坊峠駐車場から大万木山林道で 林道の終点。赤が大万木山、青は等検境へ 

         

     
       終点に登山口があります  島根県民の森としてよく整備された道を 

         

     
      林道0.1km、ここが最短コースの出発点になります  右から滝見コースが合流、直進は廃道とありますが? 

         

     
      合流点から登りになり  地蔵尊展望台が見えてきました 
 
              
                                地蔵尊展望台

   
                     展望台は絶好の休憩地。左に毛無山縦走路が分岐します

Hiroshima Satoyama Kikou


展望台からは宍道湖や隠岐島も見えるはずですが


       

 
     地蔵尊展望台からは急な登りが始まります  道はジグザグに登り 

        

 
     次第に大きなブナが現れます  坂道を登り切ると 

       

 
      広い平坦道に変わりました   

       

 
      平坦道が終わると再び横木階段の登りに   

       

 
      水飲場、山頂へ0.4m地点です  水飲場を過ぎるとお目当てのサンカヨウが 

     
 
  サンカヨウロードを行く

       

 
     避難小屋前に到着  避難小屋、山頂へは0.2kmの案内が 

       

 
     山頂台地の穏やかな道を進むと  山頂に到着です 


ここ2

Hiroshima Satoyama Kikou


山頂部の
ブナ林、癒しの空間です。

 

      

      山頂、二等三角点です  広場のシンボルツリー 
  
    
                  賑わう山頂広場      パノラマスクロールはこちらへ

       

    
      大万木山の盟主、山頂大ブナ        異形の大ブナはタコブナとも

       

 
      少しガスが漂ってきました 山頂は潮が引いたように静けさが戻り 
 
       

 
      避難小屋まで帰りました  霧のヴェールに包まれて、ブナの林は静けさを増す 

       

 
                 霧漂う森             橅林霧景 

  

 
      濡れると透明ガラスの花のように変化  

       

 
     平坦道まで降ると霧も晴れて  分岐点です。赤が林道へ青は滝見コースの下山路 

       

 
      林道登山口に下山です   

 
                  

       
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