山 名   東郷山 
 標 高  977.4m
 場 所  広島市佐伯区湯来町・広島市安佐南区沼田町
 登 頂  H25.9.18(水)
 アクセス  山陽本線JR五日市駅南口→(広電バス湯来温泉行)→大森バス停下車
 コース

 ○大森バス停9:05(服装調整)→伏谷林道入口9:20→登山口10:00-10:01→第1鉄塔(山頂まで1.6km)10:26-10:27
  →第2鉄塔(山頂まで0.8km)10:49-10:50→第3鉄塔(山頂まで0.4km)11:05-10:06→山頂11:20
 ○山頂13:07→登山口16:05→伏谷林道入口14:49

 メンバー  美10名(H氏初参加)
 過去記録  H21.10.22

 

                                   【概 要】                                  

 東郷山は広島市佐伯区湯来町の安佐南区沼田町との境界に位置し、湯来町との合併以前は広島市の最高峰でした。二等三角点の置かれた山頂はさほど広くなく、また展望もあまり期待できず僅かに南西方面に開ける程度です。
 むしろこの山の魅力は北面に存在する自然林にあります。南側と北側では林相が全く異なり、山頂から北側に少し下りた辺りから始まるブナ林の美しさは市内近郊の山中とは思えません。「恵下谷山(えげたにやま)林木遺伝資源保存林」として指定された林には県内有数のブナ巨木が点在します。その他にもスギ、モミ、ツガ等の巨木が分布し、とくに「森の巨人たち100選」として広島県でただ一つ選定された四本杉は登山者に親しまれています。東郷山の素晴らしさはこの自然林の美しさにあると云えましょう。
 登山コースは公共交通機関を利用する場合には湯来町伏郷バス停(または大森バス停)、湯来町和田大橋バス停、沼田町戸山車庫バス停からの3コースがあります。今回は最もポピュラーな伏郷からの往復登山でしたが標高差は約600mとなります。

○大森神社9:20〜登山口10:00                  
 五日市南口バス停を出発したバスはほぼ定時に大森神社前のバス停に着きました(伏郷バス停で下車しても同じです)。バス停前の大森神社はかつては広島県天然記念物に指定されていた鬱蒼とした社叢の中にありましたが、平成3年(1991年)の台風19号によって壊滅的な被害を受けてしまいました。すっかり明るくだだっ広くなった今の神社境内からは想像もできません。
 神社で服装調整を行い伏郷バス停の分岐から登山口をめざして舗装林道を北上します。途中、コンクリート擁壁に東郷山概念図が書かれていますが既に風化が進み判読も困難になっています。おおよそ1kmほど歩くと左に大森バス停前からの林道が合流します。この先は一応舗装されていますが離合困難な道になります。
 左手に伏谷川の清流を見ながら進むと、椎茸栽培場跡(1台分の駐車スペース有り)のあたりで一旦未舗装路の悪路になりますが、それも少しで再び舗装路となり登山口まで続きます。途中に「白井の瀧下口」の表示が架かり道が下っていますが、余り歩かれた様子は見えませんので木の間越しに滝を眺めるだけにします。出発して30分あまりで左手に滝の上部が現れます。かなりの水量が流れ落ちていますので、滝壺に下りれば見応えがあるかも知れません。神社からおおよそ1.5kmほど、40分で登山口に到着です。数台分の駐車スペースがあり道はこの先は未舗装路となります。

○登山口10:01〜山頂11.20
 登山口には湯来温泉観光商工同業組合の設置した立派な案内板があり、山頂まで75分とあります。その他に鳥獣保護区、山火事防止、東郷山、四本杉の案内標識、中国電力の鉄塔標識、それに熊注意などと賑やかです。
 登山路は中国電力の保安道でよく整備してありますが、入口あたりは少し湿潤していました。左手になめら岩の沢を見ながら進むと、登山口から10分ほどで「東郷山四本杉」の指導標がある分岐で、ここから急階段の道が始まります。急な道を登っていくと17分ほどで黒いブラスチックの階段になりました。
 視界のない雑木林を登り前方が開けると第一の鉄塔に到着です。登山口から約25分でした。山頂まで1.6kmの表示があり鉄塔越に僅かに大峯山が見えています。再び急な階段道が始まりますが、20分もするとササが繁茂してきます。
 第一の鉄塔から20分あまりで第二の鉄塔で、ここにはベンチがありますがササに埋もれていました。山頂まで0.8kmの表示があります。南方向が開けてコース随一の展望が得られ、左手に芸南CC、中央に砂谷牧場と畜舎、右手に阿弥陀山(886.9m)、その後方に大峯山の尖峰が見えています。 鉄塔からもササの急登が続きますが、道はやがて山腹を巻き右に植林帯、左に雑木林を見ながら進むと15分ほどで第三の鉄塔に到着しました。明るく開けていますが展望は得られません。山頂まで0.4km、林道登山口まで1.6kmの表示があります。
 第三の鉄塔から一層茂るササの急な道を登ると15分ほどで傾斜が緩み、突然、道の右手に三角点が現れました。二等三角点の先の山頂部は狭い平地で西に国体コ−ス、北に四本杉・和田方面への道が下っています。山頂は南西方面に開けていますが成長した木に阻まれて眺望は得られません。
 取りあえず北側斜面の広島市内唯一のブナ林を見るため四本杉への道を下ります。山頂直下から手付かずの自然の森が広がり、ブナ巨樹が点在する光景はここが広島市内とはとても信じられません。どこまでも下ってみたい気持ちに駆られますが本日はここまで。

○山頂13:07〜登山口14:05
 厳しい残暑も標高差600mあると山頂では心地よい風が吹いていました。至福のひとときを過ごした後は伏郷に向けて下山ですが、降りは二グループに分かれ先を急ぐ先発組は12時07分に下山を開始しました。
 後発組3名はT氏持参のコーヒーを頂きながら暫し山談義などを楽しんで13時7分に下山を開始しました。途中、山頂で得られなかった展望を第二の鉄塔で取り戻したりしましたが、登り時にあれほど苦しんだ道も降りは快調で登山口には55分ほどで下山しました。
 後は伏郷バス停までの林道をブラブラ歩きで最後は団栗亭の癒しのコーヒーで余韻を楽しみました。
                                     
                                                       広島里山紀行記



 
     
  9:05 大森バス停に下車  阿弥陀山を背にした大森神社です 

   

 
  9:20 伏郷バス停から林道に入ります   東郷山を遠望 

      

 
  10:00 登山口に到着   クッリクで図が拡大します  10:13 四本杉・東郷山の道標  

   

 
  木階段の急登が始まり  保安路と整備された道を進み 

   

 
  10:26 第一の鉄塔に到着  大峯山が頭を見せています 

   

 
  鉄塔の先に山頂まで1.8kmの表示が  ササが現れてきました 

   

 
  10:49 第二の鉄塔に   鉄塔の先に0.8kmの表示が 

             
                第二の鉄塔からの展望。砂谷牧場、阿弥陀山、その後方に大峯

   

  
  勢いを増したササの道を分けて   束の間傾斜が緩んだ道を 

   

  
  11:05 第三の鉄塔に到着   鉄塔先の表示は山頂まであと0.4km 
   
 
  11:20 道の脇に二等三角点が  山頂広場からデジカメを高く掲げると大峯山の頂が 

             
            11:20 狭い山頂は展望も得られません。右に四本杉への道が降り             パノラマスクロールはこちら
 
                
                 
 

   

 
  北斜面に降り  ブナ林の尾根道を 

      
                                  癒しのブナ林                                
 
                        
                         
                                   木漏れ日

         
              恵下谷山林木遺伝資源保存林として指定され県内有数のブナ巨木も
 

                 Hiroshima Satoyama Kikou


                                                                                           市内近郊の山とは思えないブナの美林



  
    
 12:07 先発組が下山します                 秋色探し 

  

 
 13:07 後発組も下山へ  どんどん高度を下げます 

  

 
 14:05 登山口の下山です  余韻に浸る一杯を 
   
   

 
                         
        
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