山  名  三倉岳  瓦小屋山 
 標  高  701.8m  663.8m  
 場  所  広島県大竹市 
 登  頂  H26.11.27 
 アクセス  JR玖波駅→タクシー→Bコース登山口 
 コース  ○Bコース登山口8:48→Bコース五合目(胴乱岩)9:21→中岳・朝日岳分岐10:00→朝日岳10:04
 ○中岳・朝日岳分岐10:14→中岳10:27→夕日岳11:06→Aコース合流点11:18→三倉岳三角点11:24
 ○三倉岳11:30→灯籠岩11:47−12:16→瓦小屋山13:01−13:20→下山口13:34→瓦小屋山登山口14:35 
 メンバー  美9名 

 
                                 【概 要】                               
 三倉岳(701.8m)と瓦小屋山(663.8m)は大竹市の北部に位置し、両山は尾根伝いに縦走が可能です。
 三倉岳は別称、三本槍と云われ露岩のピークが東から朝日岳(上ノ岳)、中岳(中ノ岳)、夕日岳(下ノ岳)とラクダのコブ状に連なります。その急峻な岩峰と松が織りなす山水画風の山容は見る者を魅了します。急峻な岩峰はロッククライミングのゲレンデとしても登攀ルートが開かれています。この圧倒的な迫力の岩峰群は一度登れば登山者を虜にする魅力があります。瓦小屋山は三倉岳のその凄まじいばかりのインパクトに押されて影が薄いのですが、起伏に富んだ稜線やピークからの展望の良さそして静かな山歩きができるなど意外に魅力のある山です。
 今回のコースは朝日岳・中ノ岳・夕日岳の順に登って三倉岳三角点から瓦小屋山を経て下山しました。山は低いのですが変化のあるコースと岩山のムードそして展望の良さと楽しい山登りができました。

○Bコース登山口8:48〜中岳・朝日岳の分岐10:00
 玖波駅からのバス便が悪くタクシー利用でBコース登山口まで直行です。少し先の三倉岳休憩所まで行けばすさまじいばかりの三本槍の全体像、朝日岳・中ノ岳・夕日岳を目の前にして高揚感も高まるのですが、本日の行動時間が気になりそのままBコース登山口からスタートです。
 今回のコースは朝日岳・中ノ岳・夕日岳の順に登って三倉岳三角点から瓦小屋山を経て下山する予定で、大きなBコース案内板のあるBコース登山口からスタートです。歩き始めてすぐ左にキャンプ場を見送ると、登山口から約20分ほどでAコースとの分岐に出会いますのでここは右折しBコースを進みます。
 この先から次第に傾斜が増し登路は急な階段の道になってきます。途中の四合目小屋への分岐を見送るとA・Bコース分岐から10分で「胴乱岩の由来」の案内板です。ただし胴乱岩はどの岩かよく分かりませんでした。案内板から階段道を登ると目の先に五合目の標識が見えています。少し登ると東に開けたベンチのある五合目展望台で、目の前には霧の海が広がっていました。これは予期していなかったできごとで、しばらくは霧の中に燕山が小島のように浮かぶ幻想的な風景を楽しみました。
 予想外の景観を楽しんだ後は元の道に戻ってすぐに六合目、八合目と着実に高度を上げます。道は石の階段状で、辺りは樹間のいたる所に大岩や切り立った崖が眺められ、林の中なので高度感はありませんが、三本槍の真っ直中を登っていることが実感されるすさまじいばかりの登路です。
 五合目展望所から約30分で上空が明るくなると、中岳と朝日岳との分岐である鞍部に到着です。登山口から約1時間10分ほどでした。指導標には朝日岳までは30m、中岳までは90mと案内されています。

朝日岳(上ノ岳)
 先ず三本槍の最初の峰である右手の朝日岳へ向かいます。距離は短いものの急登で岩の間に露出した木の根を手がかりとして登って行くことになります。3分ほどで大岩の立つ朝日岳へ到着しましたが、巨岩に占領され狭い山頂です。眼下にはようやく霧の晴れかけた栗谷の集落が箱庭のように小さく見え、右手には花崗岩をまとった中ノ岳のすごい岩壁が迫っています。
                              
○中岳・朝日岳の分岐10:14〜三倉岳三角点11:24
天狗の踊り場

 一旦、分岐へ戻って中岳方向へ進むと4分ほどで、石段の中に最初の鎖場が現れますが岩に鉄の足場が打ち込まれており距離も短く見た目ほどではありません。登ったところ右手はさほど広くはありませんが「天狗の踊り場」と呼ばれるテラス状の岩があり、東に開け大野権現山、河平連山などが広がり、目の先には朝日岳が望めます。
 展望を楽しんだら天狗の踊り場の南方向、3峰の中で最も展望が良いとされる中岳に向かいます。急な斜面は荒れて足下も悪いのですが架けられた鎖と露出した木の根を頼りに高度を上げます。ここを過ぎれば中岳は目の前です。

中岳(中ノ岳)
 
天狗の踊り場から5分余り、見上げる巨岩の間からは鎖が下がり、岩の上には頼りなげな鎖の柵が見えています。初めてチャレンジした人はついその危なかっさと展望の良さとを連想することでしょう。
 鎖にすがって登った中岳山頂は大パノラマが広がる絶景の花崗岩のテラス状岩です。西は夕日岳の大岩壁が迫るものの、残り三方には遮るものは何もない素晴らしい展望が広がります。栗谷の集落を目の下に北の吉和冠山、東に大峰山、大野権現山、大野権現山の右手前には河平連山などと馴染みの山並み、そしてその先には瀬戸内海が広がります。中岳はわずか600m余りの高さですが素晴らしい高度感が得られます。反面さほど広くない傾斜のついた岩の上は少々落ち着きの悪い場所でもあります。なお山頂には中岳を示す標示類は見あたりませんので、それと知らず登る登山者もあるようです。

夕日岳(下ノ岳)
 
 夕日岳へ向けては鎖を頼りに一旦鞍部に戻ります。鞍部からは標示に従い左に進みます。中岳を発って約10分ほどで最大に難所の鎖場に着きます。鎖場はほぼ山頂直下まで続きますが、大まか二段になっていて両側から迫る岩壁の間を登ります。むき出しの木の根に掴まり、鎖にすがり、鉄のくさびの打ち込まれた足場を頼りに登ると一息つけます。この先は鎖に垂れ下がる岩の斜面を登りますが、ただでさえ大変なこの場所は昨日の雨の影響で滑りやすくなっていました。
 巨岩の重なる夕日岳は一部は樹林に隠されるものの中岳より高い位置での展望を楽しめ、これから縦走する予定の三倉岳から瓦小屋山に至る稜線そして黒ダキが目の前です。最高点には遭難碑がありました。山頂部直下を左に回り込むと南の方向に細長く突き出した大きな岩盤が緩やかに下り先端と両側は断崖となっています。

三倉岳

 夕日岳からは打って変わって歩きやすくなった道を10分余り下ると鞍部です。鞍部は九合目小屋跡で左からAコースが合流し前方には三倉岳三角点への登路が登っています。斜度を増した道は明るく快適に歩を進めると、鞍部から6分で二等三角点の置かれる山頂に到着です。
 山頂は平坦な小広場ですが樹林に囲まれて眺望は得られません。また瓦小屋山への縦走路を示す標示はあるものの三倉岳の標識は見られませんでした。山頂の西側にはこれから進む瓦小屋山への縦走路が下っています。       (瓦小屋山編へつづく)
                                                    広島里山紀行記

 
Bコース登山口〜中岳・朝日岳の分岐   

 

 
登山口広場からの三本槍(前回登山時)  8:48 Bコース登山口からスタートです 

 

 
しばらくは公園内の道を  9:21 五合目(胴乱岩)に到着です 


        
                   幻想的な霧の海、その静寂さが心地よい  
 

     

    
中岳の切り立った断崖     立ち上がる岩壁、青白ハング?でしょうか

 

 
厳しい登りが続きます  10:00 中岳と朝日岳の分岐である鞍部に到着 
   
朝日岳〜三倉岳   

 

 
10:04 朝日岳山頂は巨岩が占拠  10:14 鞍部から中岳をめざして 
  

           
                    朝日岳山頂から。岩崩れのような中岳が印象的です 


 


 
10:22 先ず天狗の踊り場に  鎖と露出した木の根を頼りに中岳へ向かいます 


                
                 天狗の踊り場から。朝日岳を前景に大野権現山や河平連山など


 


 
鎖の助けで中岳の山頂へ  10:27 中岳山頂は最高の展望台 


 
栗谷の集落を目の下に大峰山、大野権現山、河平連山などを  


 


 
目の前には夕日岳の岩肌が迫ります  10:27 夕日岳へ向けて下山です 

   

   
  コース最大に難所の鎖場が始まります    打ち込まれた鉄のくさびを頼りに 
 
   
鎖にすがり、くさびを頼りに登ると一息    鎖の垂れ下がる岩の斜面を登ります 

 

 
11:06 夕日岳に到着  最高点からの景観です 

 

 
  細長く突き出した大きな岩盤 

 

 
11:15 三倉岳三角点に向けて  11:18 Aコース登山道が合流し 

 

 
明るい三角点への道を  11:24 三倉岳山頂に到着 


            
   

 
                                
              

   
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