山 名 | 阿武山 権現山 |
標 高 | 586.4m 397.1m |
場 所 | 広島市安佐南区 |
登 頂 | H29.3.29 |
アクセス | ○JR西広島駅→JR横川駅→JR大町駅→広島交通バス毘沙門台3丁目 ○JR七軒茶屋駅→JR横川駅→JR西広島駅 |
コース |
○毘沙門天本堂9:48→多宝塔9:55→権現山10:21 |
メンバー | 美12名 |
過去記録 | H23.5.25 平成19年1月30日 |
○毘沙門天本堂9:48〜権現山10:21
毘沙門台3丁目バス停から毘沙門天に向かうと権現山の山腹に赤い多宝塔が見えてきます。朱塗りの仁王門からスギ木立の中、七福神像に見送られて参道を進み長い石段を登ると毘沙門天本堂に出ました。本堂は平成26年
8月の豪雨の際、多量の土砂が本堂の中に流れ込み前面が崩落しましたが立派に再建されていました。
参拝した後、本堂の左に回り「多宝塔参道」表示のある登山路を登りましたが、導標には「西廻り遊歩道・権現山頂まで700m」とあります。絶壁の脇の石段を4分登ると「里見の岩」で、広島市街方面が一望でき武田山が大きく迫ります。後方の赤い多宝塔に登るとさらに広い視界が得られ、左手には二ケ城山、中央に牛田山から武田山そして右手に荒谷山などが広がっています。
多宝塔右手から岩場の急な道を登っていきます。岩場が終わると傾斜が緩み階段があるものの、ウッドチップが敷かれて足に優しい遊歩道です。「ミドリイ境」と刻まれた大岩の脇を次第に高度を上げて進み、途中で現れる展望を楽しみます。多宝塔から25分ほどで「東廻り遊歩道・西廻り遊歩道」の導標が立ち東廻りが合流します。合流点からすぐ権現山でした。
○権現山10:29〜阿武山11:41
権現山の山頂には四等三角点が置かれています。展望はテレビ中継局や木立に邪魔されて北西方向にゴルフ場が見える程度ですが、少し下ると阿武山が見えてきます。
山頂から下ると林道の終点で「権現山憩の森」の案内図やトイレなどがあり、背後の憩の森として整備された高台には展望の東屋もあります。終点から4分ほど降ると林道が大きく右に曲がる所に阿武山への登山口がありました。導標には「権現山−阿武山−太田川ハイキングコース・阿武山頂へ2100m」とあります。幅広い遊歩道はウッドチップが敷かれていますが、さすがに剥がれ傷んできています。数回のアップダウンを繰り返し14分ほどで鳥越峠に着きました。
鳥越峠には標柱には「権現山まで890m・阿武山まで1450m・七軒茶屋駅まで1800m」の導標が立っています。帰路は鳥越峠からJR七軒茶屋駅に下る予定ですが、下山口にはロープが張られ通行禁止を修正し「通行注意」の札が架かっていました。
峠から10分足らずで西回り登山道・旧道・遊歩道の3コースの分岐点で、高い樹幹には「阿武山西回り登山道」のプレートが掛かっています。前回は西回りを歩きましたがロープが張られ、「危険歩行者通行禁止」の札が架かっていました。豪雨災害の影響があるのでしょう、さすがに利用された形跡はみられません。今回は急登の旧道(「阿武山→」のプレートあり)を避け右の遊歩道としました。進むとすぐ右手にテープが張られ樹幹に「鳥越川崩れ始り」とありました。既に3年近く経過しますが生々しい痕跡がみられました。
遊歩道は災害の影響は少なく、傷んでいるものの階段やウッドチップが敷かれて歩きやすく整備されています。旧道分岐から25分ほどで梅林小学校ルートが合流しますが、1月16日〜3月31は交通止めとなっていました。梅林小学校ルート分岐から10分余りで旧道が合流し、さらに1分で阿武山の山頂です。
○阿武山12:58〜砂防ダム14:07
山頂部は南北に長い台地状で、登るとすぐ正面に石造りの貴船神社の祠が静かに座しています。祠の裏側には「阿生山586m」の案内板があり、貴船神社(龍王社)の説明が書かれています。それによると雨乞いの神として今も崇敬されているとあり、また縁起によると16世紀に阿武山に住んでいた巨大な龍を八木城の武士が退治したのを龍神として祀ったとあります。平成26年の土砂災害を思えば、古来から土石流を竜や大蛇になぞらえ恐れてきた治山治水の願いが込められているのでしょう。
祠の奥から休憩所の脇を進み一段高みに登ると二等三角点のある頂上です。山頂には「権現山−阿武山−太田川ハイキングコース・権現山頂まで2340m太田川まで2900m」の導標が立っています。北側に下る太田川コースは支障ありませんが、西側の「阿武山西回り登山道」は止められていました。
展望はは東から南にかけて視界が開け太田川を挟んで高陽団地から木ノ宗山、二ケ城山、その背後には左手に白木山系、右手に呉娑々宇山系が望めます。
下山は鳥越峠からJR七軒茶屋駅に往路を下りますが、山頂で問題ないとの情報を得ました。前方に権現山など眺め、淡々と下ると30分ほどで鳥越峠に到着しました。
鳥越峠からはこれまでの遊歩道と異なり急な山道を下ります。とくに土砂災害の影響は見られませんが、落ち葉の下に隠れるゴロ石に要注意です。20分余りでようやく傾斜が緩むと石垣が現れ広い耕作地跡に出ましたが、この先は状況が一変していました。
真新しい鉄階段を下った谷底は木がなぎ倒され無数の大岩で砂防ダムが完全に埋まっていますが、幸いにもこの谷はダムでせき止められたようです。谷を横切り鉄階段で対岸に渡りますが、改めて土石流の怖さを実感させられる惨状でした。渡って下ると下方に巨大な砂防ダムが見えています。ダムの横に「←権現山登山道」の案内板が置かれ降りてきた方向に誘導しています。案内板の右手には旧登山道が見えていますが、辺りは前回と比べて随分と様子が変わっていました。
まだでダンプカーの行き交うダム工事現場を見ながら出たところは緑井8丁目でした。鳥越峠からは35分足らずでした。ここからはJR七軒茶屋駅まで20分ほど歩きます。
広島里山紀行記