山 名 | 吉和冠山 |
標 高 | 1339m |
場 所 | 廿日市市吉和 |
登 頂 | H29.6.14 |
アクセス | ○JR五日市駅7:07→JR宮内串戸駅7:22→宮内串戸駅バス停7:28→潮原温泉バス停8:43 ○潮原温泉バス停16:25→宮内串戸駅バス停17:34→JR宮内串戸駅17:45→JR五日市駅17:51 |
コース | ○潮原温泉バス停9:01→9:28登山口9:33→林道10:16→10:59クルソン分岐広場11:01→山頂11:41 ○山頂13:17→13:56クルソン分岐広場14:01→14:14狗留孫岩14:30→14:55林道14:58→登山口15:27 |
メンバー | 美10名 |
過去記録 | H26.5.1 |
○オオタキ10:13〜クルソン岩分岐広場10:59
オオタキからは木橋を渡ってウシオ谷とクルソン谷との二股の谷に入ります。対岸には平成26年にも見た「工事中」の看板が置かれていました。左に渡るとこれが最後の橋となり汐谷川と別れ、植林帯も終わってここから本格的な山歩きゾーンに入ります。
オオタキから3分でそれまでの深い緑の渓谷と打って変わって、上空が大きく開けて前方に木階段が登っています。登ると砂利を敷き詰めた広い林道に出ました。前回は巨大な重機が騒音をたて木々をなぎ倒し傍若無人に振る舞っていましたが、その変貌は予想以上です。林業振興を目的としたものでしょうが、いささか無粋に感じます。
気を取り直して林道から登山路に入ります。すぐに上空は閉ざされて自然林の中の快適な道に変わりました。早速、登路の両側にはニシノヤマタイミンガサの群落が広がります。実を付けたエンレイソウもそこかしこですが、多くの草花の植物名が分からないのが残念です。
石のゴロゴロする道を進み林道から20分で小沢を左に渡ります。広葉樹林にサワグルミの大木が混在し深山の趣きのする道を登ると、小沢から4分でクルソン岩への近道分岐に着きました。
分岐には案内表示はありませんが、テープが巻かれ一本スギがあります。直進が冠山へ向かう本道で、左はクルソン岩へ向かう近道ですが見た目以上に超急登です。ここは本道を進みます。この先も新緑と云うには少し遅いけれども、樹々の葉を通り抜ける透過光がとても綺麗な広葉樹林帯の道が続きます。
道が穏やかになりクルソン岩への近道分岐から20分で一本のブナ大木が立つ鞍部広場に到着しました。1120m台の鞍部広場は三叉路で「冠山登○道↑」・「狗留孫仏岩・国体コース帰路←」のプレートが架かり、左に帰路に立ち寄るクルソン岩への登路が分岐しています。
○クルソン岩分岐広場11:01〜山頂11:41
広場から右に採りますがと少し傾斜のあるしかし広くて歩きやすい道を4分ほどで1155mピークです。ピークにはとくに表示もありませんが、スギ木立にテープが巻かれていました。ピークからは緩やかに下ります。すでに強い陽射しですがブナ幼木の道は無数の葉がろ過してくれ遊歩道のような快適さです。
1155mピークから7分ほどで小沢を渡ります。この先からは本コースで最大の急登が始まるので一呼吸をおきました。道はしばらくは山腹をトラバースしますがやがて直登となります。ブナの張り出した根っこを階段代わりに登っていきます。この辺りはブナの大樹が点在し、登路もキラキラと木漏れ日に揺れて冠山で最も魅力的な個所です。
上空が明るくなり、山頂が近いことを予感させるようになると右手に向きを変えます。山頂直下に見頃のサラサドウダンがあり暫し観賞しました。ドウダンの木からすぐで山頂と松の木峠への分岐に到着です。分岐から右に採ると道は二分しますが、どちらを選んでもすぐに山頂に到着します。登山口からは約2時間10分ほどでした。
○山頂13:17〜クルソン岩14:14
一等三角点の山頂は樹木に囲まれてこの時期は展望も良くありませんが、山頂から少し北側に下り懸崖に向かうと素晴らし眺望が得られます。北方向の真正面に十方山、すぐ左隣に県内の最高峰の恐羅漢山、そして東側に立岩山、女鹿平山、小室井山、西側に五里山、大神ケ岳など西中国山地脊梁の山々が一望できました。
懸崖には初めて見た白い花のシロバナサラサドウダンもありました。展望を楽しんだ後は、お目当てのオオヤマレンゲを見るために一旦山頂に戻り松の木峠方面へ下ります。
山頂から数分で疲れた足には一瞬躊躇するような急な降り10分ほど歩いてオオヤマレンゲを見つけました。少し早かったようですが、それでも白いつぼみは花開いた山の貴婦人の姿を思い浮かべさせてくれるには十分でした。満足して山頂に引き返します。
下山は松の木峠へのルートも話題になりましたが往路を下ります。直下から急な下りとなりますが、辺りはブナ林の雰囲気十分です。そこかしこに見られるブナ大樹からは、森で育くまれた生命力溢れるグリーンシャワーが降り注いでいるように思えます。
小沢を渡り淡々と進んで1155mピークを越えるとクルソン岩分岐の鞍部広場に着きました。山頂から39分でした。
小休止してクルソン岩に向かうとすぐ広いけれども直登の道が待っています。上り詰めた小ピークまでは高低差では40mに満たないと思われますがそれ以上に感じられました。次のピークを降りると鞍部で道は大きく左に曲がります。この辺りに国体コースがあるようですが全く分かりませんでした。分岐広場から14分ほどの板状節理の大岩を過ぎるとクルソン岩に到着です。
○クルソン岩14:30〜登山口15:27
クルソン岩は狗留孫仏岩とあるように確かに何かの顔に見えなくもありません。屹立する高さ16mと云われる岩塔の基部に立つとその大きさに圧倒されます。クルソン岩はそれ相応の装備と技術が無ければ登るのは難しいようですが、隣のローソク岩には左側へ回り込んで登れます。ローソク岩はクルソン岩と冠山の山容を見渡せる絶好のロケーションとして知られます。と云うことでメンバーの若手3名が挑戦しました。
クルソン岩からは近道分岐へ下ります。高低差150mほどの道は急で岩が点在し足場も悪く、疲れた足には負担が掛かり緊張の連続です。転倒の危険性を考えると余力があれば登りに利用したいルートです。転げ落ちるような急坂を12分ほどで近道分岐へ下りました。4分で小沢を渡りさらに10分で林道に出ましたが、突然開ける空間には違和感を感じます。
林道から2分でオオタキ、オオタキから27分で下山口の鉄橋に着いて心地よい陽射しと新緑のシャワーをたっぷり浴びてのハイキングを終えました。後はバス停まで20分余りを歩きます。
広島里山紀行 記
9:01 潮原温泉バス停で下車 | 9:33 登山口をスタートです |
9:35 国体コースの橋は既に腐朽しています | 9:40 渓流を見下ろしながら「滝ケ休」へ |
植林帯には倒木も | 苔むした巨岩が優雅な雰囲気を醸し出ます |
良く整備された登山路を進み | 10:13 オオタキの崖を巻いて |
10:16 真新しい林道が現れました | 登山路は分断されています |
ニシノヤマタイミンガサの群落が広がります | 10:35 小沢を渡り |
陽射し浴びて降り注ぐgreen showerの中を | 10:39 左にクルソン岩への道を分けて本道を |
岩の散らばる道です | 10:59 鞍部の広場。クルソン岩は左へ |
広場のシンボル的存在のブナ樹 | 11:04 1155mピークを通過します |
眩しすぎるほどの光と青葉のシャワーを浴びて | 11:11 小沢を渡るとコース最大の急登が始ります |
張りだした根を階段代わりに | ブナ林を歩く快適さはどこから来るのでしょうか |
老山毛欅 | |
山頂が近づくと斜度がますます増します | 直下でサラサドウダンを暫し観賞 |
11:41 左に松の木峠への下山路を分けて | 11:41 山頂に到着です |
11:41 県内第2の標高です | 一等三角点 |
一等三角点を中心にした山頂部は木立に囲まれて | |
山頂から北へ進んだ懸崖は素晴らしい展望地です | |
真正面に十方山と県内最高峰の恐羅漢山、右手に立岩山、女鹿平山、小室井山、左に大神ケ岳など西中国山地脊梁の山々が一望 パノラマはこちらへ |
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山頂から松の木峠方向へ10分ほど降りますが | お目当てのオオヤマレンゲはまだ蕾でした |
13:17 下山です | 分岐からは往路を |
急な下りが続きます | 陽光に映える鮮やかな緑に目を奪われ |
ブナ林の雰囲気を味わいつつ森の中を | 1155mピークへ向けて遊歩道のような |
13:56 鞍部広場で小休止して | 14:01 鞍部からクルソン岩に向かいます |
すぐ小ピークへ向けての急な登りが | 小ピークを超えて |
この鞍部を越えるとクルソン岩は近い | クルソン岩の手前です |
14:14 屹立する高さ16mの狗留孫岩 | 隣のローソク岩に向かうメンバー |
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人知れず花咲き、人知れず散りゆく | |
14:30 クルソン岩から下ります | 見た目以上の急坂、悪路 |
14:42 分岐に下山。左が山頂への本道です | 小沢を渡ります |
14:55 林道に出ました | 14:58 何とも似つかわしくない光景 |
15:00 オオタキを通過します | 15:27 登山口に下山しました |
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15:50 バス停に到着し登山を終了 | |