山 名 | 白滝山 大師山 |
標 高 | 458.6m 471.5m |
場 所 | 山口県岩国市美和町 |
登 頂 | H30.10.17 |
アクセス | ○JR五日市駅→JR大竹駅8:20(タクシー)→岸根集会所8:35 ○岸根バス停(岩国市生活交通バス(坂上線))13:05→JR大竹駅13:40 |
コース | ○集会所スタート8:45→登山口8:49→尾根9:19→白滝山10:00 ○白滝山10:14→Bコース分岐10:52→大師山11:13 ○大師山11:57→分岐12:18→大師堂12:33→鉄階段12:41→集会所12:53 |
メンバー | 美11名 |
過去記録 | H27.10.21 H19.11.13 |
○集会所8:45〜登山口8:49
岩国市美和町岸根(がんね)方面へのバス便数は少なくJR大竹駅からタクシーで登山口へ向かいました。 国道186号線を北上して県道116号(大竹美和線)に入り弥栄(やさか)ダムの弥栄大橋を渡ると山口県で、岸根集落に入る手前の橋を渡って右折すると岸根地区集会所に到着です。橋の脇には美和町観光協会の従前の「白滝山入口、大師山八十八ヶ所」の案内板に加えて、新しい「入口 白滝山 大師山八十八ヶ所」の案内板がありました。なお橋の大竹寄りに岸根栗の販売所と帰路に利用するバス停岸根があります。
道なりに進むと登山の起点となる岸根地区集会所に到着です。ここには岩国市生活交通バスのバス停があり、バス停の傍には「白滝山 山頂付近からの眺望」の新しいパネルがありました。
集会所にはトイレと駐車場、そして横には河内大明神の祠と美和町教育委員会の白瀧城趾の由来案内もあります。それによると城の時代背景などは詳細不明の部分が多いとしながらも「往古ここに山城があり、城の丘とも呼ばれたという、山頂に約7mと18mばかりの平地があり、柱穴らしい穴が6個石上にある。「玖珂郡誌」にはここに筑紫大炊頭という者が城主をしていたとある」と書かれていました。何時もは登山コース図が置かれているのですが見当たりませんでした。登山者も多いのでしょう。
今回コースは白滝山から大師山を経て大師堂に下山するAコースとして登山口の向かいます。集会所の先に「白滝山・大師山登山ルート」の絵図と「白滝山→」と「←大師山八十八ヶ所」の表示が立っています。
○登山口8:49〜白滝山10:00
正面に白滝山を見ながら民家前を右折したすぐ先の「大師山登山口→」の表示で細い道に入ります。ここには「大師山登山道 山頂まで1410m」もありました。(尾根まで750mです)。次いで「@頂上まで1.3km→」のプレートですが、この案内表示は「A頂上まで1.1km→」のように次々と現れて大師山と白滝山と分岐点では27の案内表示がありました。平家落人伝説にまで遡るという地区特産の岩根栗の林を左に見ながら5分ほど歩くとイノシシ除けの柵です。薄暗い植林帯の道は良く踏まれていますが度重なる豪雨や強風によるためか荒れ気味でした。二度ほど小沢を渡りシダの現れた道を左へ巻くようになると急坂になってきました。次第に傾斜を増した道を登ると登山口から30分程で尾根に出ました。
尾根には「←山頂方向」と「山頂まで660m」の表示があります。明るい尾根道を進むと前方に岩山がみえてき、やがて尾根道は花崗岩と真砂土の滑りやすい登り道に変わりました。右手に屹立した大岩群が見えてくると登路は斜度を増します。尾根に乗って10分で奇岩、入道岩の前に出ました。尾根道の真ん中に立ちはだかる入道岩の右を巻いて慎重に進みます。登るにつれて展望も良くなり前方には山頂部、右手眼下にはダム湖も見えてきますが弥栄大橋は山に隠れて見えません。
この先はコースのハイライトといえる山頂にかけての花崗岩と真砂土の展望尾根が続き、低山らしからない風景を満喫しながらの登山となります。左手(西側)正面に端正な大師山や白滝山の由来となった布敷岩が見えてくると巨岩の五頭岩に着きました。入道岩から10分余りでした。五頭岩は前回平成27年には無かった補助ロープが架かっています。ここで岩の左手を巻いて登るグループと直登するグループに分かれて山頂を目指しました。合流して砂礫地を進みます。辺りは岩が点在し背の低い松を配した、さながら日本庭園の雰囲気で右手には「あざらし岩」も見えます。振り返るとダム湖や美和方面の展望が開け田園風景が広がります。明るい尾根道を登り切ると10分ほどで山頂に到着しました。
○白滝山10:14〜大師山11:13
白滝山の山頂部はに三等三角点と方位板が置かれて、平坦で憩うには十分は広さがあります。西側が樹木に遮られる以外は眺望は良く、眼下の弥栄湖を挟んで向かいには迫力の黒滝山、北方向に名峰三倉岳などが望めます。滝は急峻な岩壁を意味するようですが、弥栄湖の対岸の黒い岩壁の黒滝山は白い白滝山とは対照的で、互いに岩肌を競っているかのようです。
小休止の後は次の目的地である大師山を目指して北側に下山します。一旦視界の閉ざされる雑木林の中に入って登り返すと雨乞岩と千人崩れの表示のある岩場に出ました(山頂から230m)。山頂からは8分ほどでした。
山頂からも見えていた屹立する岩で構成された雨乞岩は素晴らしい展望地です。弥栄のダム湖を挟んで迫力の黒滝山を、北方面に大師山や三倉岳そして南方向に白滝山頂から岩国方面の山々を望むなど第一級の展望が得られます。千人崩れは登山口の案内板によると「四方の峰々に点滅する狐火を、大敵の襲来と見てあわてて退却しようとして多数が城の後ろの谷底に転落し命を失ったという伝説もある」と書かれた急峻な岩場です。
雨乞岩から少し下ると「下山方向」の表示の所で右にテープのある枝道があり展望の岩場に出るようですが先を急ぎました。20mほど下った分岐で「←白滝城跡・白滝水神社・鏡池」と白滝城址への道標がありますが割愛して右の大師山へ進みます(雨乞岩から130m)。分岐から5分で前方が開けて天狗岩や兎岩などの大岩が露出した大師山が見えています。
この先は超急な下りとなり初めて遊歩道のような人工的な階段が現れましたが、鎖のついた擬木の階段は崩壊が進み一部の木柱は宙に浮いていました。一旦鞍部に降りて登り返すと「日本庭園」の表示です。点在する岩とマツを庭園と見立てるのでしょう。前方にはかなり近づいた大師山が望めます。明るくなった道を進むと今度は「見晴岩」で美和町方面が見渡せ大師山はさらに近づいています。
「日本庭園」を下ると鞍部の三差路分岐に着きました(白滝山から810m)。雨乞岩からは20分余りでした。ここには「←大師山・白滝山→」の他にも左の白滝グランドへ下るBコースの「←下山道」、「←下山方向」、そして「白滝山→」、直進方向は「←大師山250m」などと多くの表示がありました。
大師山へ向けての登り始めは急ですが、すぐ尾根のなだらかな道に変わりました。しかしホッとしたのもつかの間、再び山容に似つかわしい急登となりました。道は急ですが疎林で明るいのが救いです。亀岩でしょうか大岩があり目の前に白滝山が迫ります。続いて天狗岩の巨岩の右を巻いて登ります。展望の天狗岩は登るのは諦めて兎岩に期待して進みました。展望の兎岩は北方向に大きく突き出た巨岩です。先端部に行くのはさすがに止めて基部からの展望に留めました。それでも右手に高鉢山、黒滝山、左方向に三倉岳、その奥には大峯山と素晴らしい景観が広がっています。兎岩からは一登りで「大師山→」表示があり大師山です(鞍部から320m)。鞍部の三差路分岐からは20分余りでした。
○大師山11:57〜登山口12:41〜集会所12:53
大師山の山頂は三角点はありませんが、二本の寄り添ったマツに前回は無かった美和町観光協会の「大師山 山頂 標高471.5M」のプレートが掛けられています。かなり広い山頂部は全体が巨岩で構成されているようで足下は断崖絶壁の岩場となっています。
展望は良く眼前に黒滝山や布敷岩の白滝山が間近に迫り美和町の田園風景も広がっています。北方向には名峰三倉岳が望まれその右には大峯山も姿をみせ、遠くは芸北の山並みまで見渡せました。目の前には先ほどの大きく突き出した特徴ある兎岩が見えています。また美和町方向の下方には重岩でしょうか、重なった塔状の大岩群も確認できました。
下山は北側に下ります。大岩の脇を抜け「←大師山八十八カ所参道」の案内表示を過ぎると下山口です。山頂プレートと云い、参道案内と云い前回に比べると整備されていますが、何も無い山頂の風情もそれはそれとして好感が持てたものでした。
下山口からは真砂土の滑り易い超急降下の道です。下り始めてから10分余りで補助ロープが現れました。岩場ですが特に危険を感じる場所ではありません。ロープから10分で八十八ケ所巡りの巡拝路に出会いました。
道はここで左右に分岐し、大師堂を起点とする八十八ケ所巡りの巡拝路を歩くことになります。美和町観光協会の「←順路(くぐり岩)」表示があり、これに従って左にとれば「くぐり岩」潜りが楽しめますが、今回はバス時刻に余裕がなく右に下りました。右折するとすぐ石仏がありますがこの先も各所で石仏に出会います。巡拝路は太子堂に向かって深い谷を下っていきますが、手入れされ特別の難所もありませんでした。明るく大きく上空の開けた道はむしろ快適です。シダ茂る斜面をジグザグに切り急速に高度を下げて行きます。林に入り右手に駐車場が見えてくると「太子堂」に出ました。分岐から15分でした。小さな大師堂には
「昭御影八十八箇所 弘法大師」とわずかに読める扁額が架かり石仏が安置されていました。すぐ先に東屋がありましたが先を急ぎます。東屋先の分岐で左側に「くぐり岩」を経由する巡拝路が登っています。コケで被われ滑りやすい道を進み鉄製階段下ると林道白滝線に出ました(大師堂から270m)。
ここが大師山への登山口となり「←大師山八十八カ所参道入口」の案内表示が立っています。林道を下るとすぐ右に大師像が立ち駐車場への進入路が上っています。
階段からは舗装路を集会所に向かいBコース登山口を過ぎて出発地の集会所に到着しました。登山口からは11分でした。集会所から5分ほど歩くと岸根バス停です。乗り遅れると2時間待ちですが発車時刻にちょうど間に合いました。
広島里山紀行記