山  名   天狗城山 中天狗 小松尾山 
標  高 293.4m  325.1m  379.7m 
場  所 呉市天応町 安芸郡坂町 
登  頂 H30.6.13 
アクセス JR西広島駅→JR呉ポートピア駅 
コース ○JR呉ポートピア駅8:21→西条登山口案内板8:32→屏風岩9:04→9:42かえる岩9:45→山頂9:50
○天狗城山9:55→9:58八畳岩10:09→中天狗10:39
○中天狗10:43→小松尾山11:17
○小松尾山12:00→12:08二艘木12:13→12:58滝13:03→登山口13:13 
メンバー 美13名 
過去記録 H27.3.5   H24.10.18    H22.2.13    H19.5.31     

 

                         【概 要】                                  
  天狗城山・中天狗・小松尾山は広島県呉市天応町と安芸郡坂町に位置します。天狗城山は四等三角点が置かれ奇岩大岩が立ち並んでいます。低山ながら急峻で高度をあげるにつれて瀬戸の島々を一望する素晴らしい眺望が開けます。登路は瀬戸内沿岸部によく見られる花崗岩の岩山で露岩登りを楽しむことができます。
 中天狗は天狗城山から眺めると美しい円錐形ですが、その山容とは裏腹に樹林の山頂は展望には恵まれず縦走路上の一通過点の扱いとなっています。
 小松尾山は奥天狗とも呼ばれ四等三角点が置かれています。露岩の点在する山頂からは焼山の団地や灰ケ峰、野呂山など呉市の山並みと瀬戸の海が遠望できます。
 今回は急登と尾根歩きとが適度に続く起伏に富んだ山登りが堪能できる縦走コースでした。天狗城山から中天狗、小松尾山を経て二艘木峠に下り清々しい森林浴の道を歩いて深山の滝に出合う山歩きでした。

○JR呉ポートピア駅(8:21)〜天狗城山(9:50)   
 JR呉ポートピア駅で下車して国道31号線を鉄道沿いに少し呉方面に進み最初の踏切である浜崎踏切を渡ります。渡ると左手にはお地蔵様の祠があります。セーラー万年筆の工場前から広島呉道路の高架下をくぐります。天応西ICの進入路の傍らに天応郷土史研究会の「天狗城山(てんぐじょう)登山案内板」が置かれておりここが「西条登山口 」となります。案内板には所要時間は登山口〜天狗城山が50分、天狗城山〜中天狗は20分、中天狗〜小松尾山が30分とあり目安となります。
 案内板の先に設置された鉄製の階段を登ると民家入口で左上に長いコンクリート階段が上っています。ここから三百段余りの擁壁上の急な階段を8分ほど登ると山道になり一息つきます。この地点は案内板では標高70mとなっており目の前には海が見えます。
 この先からは展望の無い雑木林を進むことになります。10分ほど歩くと前方が開けてパイナップルの房を想わす岩肌をした奇岩パイン岩です。パイン岩からは樹林帯を抜けていよいよ露岩帯に入りますが5分ほどで最初のロープが現れました。さらに5分で屏風岩 と呼ばれる岩の横に出ました。グングンと高度を稼いでおり天応の町並の先に呉湾そして江田島、能美島と広がっています。すぐ立ちふさがるような大きな岩魂が現れましたが赤ペンキでルートが示され難無くクリアできました。その後も要所にはペンキマークが見られます。屏風岩から2分で祠のような形をした岩を過ぎると大きな岩斜面を慎重に上ります。振り返ると海の青さ、空の青さが目に染みるようです。
 この先からはあたかも積み木を重ねたような大小の岩群を乗り越えて進むことになります。ただ足下は大変安定しており何の心配もいりませんでした。やがて右手に横に切れ目の入ったような腹切り岩が見えてくると二番目のロープですが特に危険個所ではありません。ロープを過ぎると一寸ステップの大きいルート上で最も難儀する大岩です。次いで三番目のロープの助けを借りて登り一息つくと呉ポートピアパークが眼下です。この先も堆積する岩群を越えての登りが続きます。樹林の中の岩場には最後のロープが架かっていました。これを越えるとまた視界が開け呉の工場群が見えるまで高度が上がっています。目の前には烏帽子岩山の岩肌が見えています。
 ここからすぐでかえる岩に着きました。かえる岩 はポートピア駅からも見える大岩で、岩の形状が蛙の背に似ていると云われます。登山口からは70分ほどでした。カエル岩に立てば瀬戸内の多島美が広がります。左手から烏帽子岩山、呉湾、江田島、能美島、似島、宮島、大竹市から広島市街までが見えています。青い海に映えるフェリーの白い航跡が印象的です。かえる岩から3分ほど登ると天狗城山に到着しました。登山口案内板からは1時間20分足らずでした。
                                           
○天狗城山(9:55)〜中天狗(10:39)   
 天狗城山は四等三角点が置かれ砦跡らしい平坦地で手製プレートが架かっていました。周囲は樹木に囲まれて展望は得られません。
 展望のない山頂を後にして下るとすぐ小岩があり視界は狭いものの似島や広島湾、廿日市方面などが展望できます。さらに下ると左手に展望岩 です。山頂方向の視界が妨げられるものの南方向に江田島、宮島、似島、西方向に広島市街とそれを取り巻く近郊の山並み、北方向には眼前の中天狗、その奥には小松尾山と絵下山、東方向には野呂山、灰ヶ峰、烏帽子岩山と素晴らしい景観が広がります。また海上の船の動きも手に取るようで砦としては適地であったことが想像できます。
 展望を楽しんだ後は次の目的地の中天狗に向かいます。下山は縦走路に戻り岩の右を巻いて下ります。急な道もすぐ尾根の平坦となりました。展望の無い尾根道ですが7分ほどで前方に鋭く立ち上がる中天狗が現れました。樹林を抜けるとシダの見られる明るいけれども坂を転げるような急な道です。下るにつれて中天狗がドンドン高くなっていきます。展望岩から10分ほどで再び視界の無い鞍部に降りました。
 鞍部からは再び急登、直登が待っています。天狗城山のような岩場では無いものの10分ほどで周囲には岩が目立ってきました。直登の道はほとんど展望は得られません。それでも振り返ると展望を楽しんだ天狗城山の展望岩を見ることができました。鞍部から18分で中天狗山頂に着きました。

○中天狗(10:43)〜小松尾山(11:17)   
 中天狗は手製のプレートが架かり二つばかりの丸っこい岩が点在するだけで樹林に覆われ展望はよくありません。中天狗から軽く下ると展望はないものの穏やかな起伏が続く尾根道となります。
 中天狗からの快適な尾根歩き後に一登りすると深山の滝への近道分岐点 に到着です。中天狗からは約20分でした。ほとんど展望はありませんがわずかに似島方向が見えています。分岐にはテープと「←小屋浦二双木・現在地・↑近道深山ノ滝・天狗城山→」の錆びたプレートが巻かれ、深山の滝への近道を示す天狗面の案内表示は原形を留めず壊れて地面に落ちていました。近道は右手、東方向に下っていきますが今回は二艘木経由で深山の滝に向かいますのでここは直進します。
 分岐を小松尾山に向けて少し進むと展望の小岩があります。中天狗の奥に天狗城山が姿を見せ、左に呉湾、右手には小屋浦の町や似島が望めました。ここからはすっかり上空の明るくなった道を4分で小松尾山に到着です。中天狗からは35分ほどでした。

○小松尾山(12:00)〜二艘木(12:08)
 切り開かれた山頂には小岩が点在し四等三角点が置かれています。木柱には小松尾山の表示と「大屋橋←天狗城山←現在地→二艘木」のプレートが架けられていました。山頂は東側に開け焼山の団地の奥に野呂山、灰ケ峰、手前に大庭山、右に振ると烏帽子岩山、その右手、輝く海の先には倉橋島、江田島の一部さらに広島湾、似島と瀬戸内の贅沢な風景が展開します。
 大休憩後は二艘木に向けて下山です。道脇に置かれた三角点の先では絵下山が正面に望めました。下山路は展望の無い急坂を下ること8分ほどで中国自然歩道に出ました。標柱には天狗城山までは2km、左は小屋浦方面と書かれています。右へ少し下ると二艘木 の鞍部で中国自然歩道の「二艘木・茶臼山ルート案内図」の大きな案内板が立っています。二艘木は各方面への分岐点で、二艘木と書かれた標柱には小屋浦までは1.3km、別の標柱には北方向は絵下山まで2.3km、東方向の深山の滝へは1.8kmとあります。傍らには二輪車での通行を禁じる案内もありました。

○二艘木(12:13)〜深山の滝登山口(13:13) 
 深山の滝へ向けてこれまでとは打って変わって良くなった中国自然歩道を下ります。3分ほどで二艘木集落跡 に出ました。すでに家屋は倒壊して竹藪に飲み込まれつつありますが立派な石垣に人々の営みがあったことが偲ばれます。少し下り明るく開けた場所に出ると中国自然歩道の「絵下山2.6km・深山の滝1.5km」の標柱が立っていました。ここからは絵下山の地上デジタル電波塔が見えています。また案内はありませんがここも絵下山、中野山方面へ連絡するようですが今の時期は植物の勢いが強く躊躇しそうです。
 この標柱で90度右に振りますが広かった道が急に狭く草の被るようになりました。深山の滝から登ってくるとためらうかも知れません。しかしすぐ道も広く明確になります。集落跡の中を下ると二艘木鞍部から12分ほどで大屋大川の源流に架かる木橋を渡ります。木橋は滝までに6、7個所あったと思います。次いで3分で休憩ベンチがありました。自然歩道は源流に沿って木もれ日の中を右に左にと変りながら進みます。ベンチから7分で坂町と呉市の境界で「呉坂界」と書かれた「←二艘木経由絵下山・深山の滝0.7KM→」の標柱です。
 ベンチからフィトンチッドを浴びながらの道を14分で天狗面が描かれた「こっち天狗城山」のプレートがありました。ここが天狗城山への近道進入口となり細い木橋が架かってり、そのすぐ下流に砂防堰堤がありました。近道進入口から3分で左の樹幹に「南沢・中野山方面」のプレートがあり中野山への登山口がありました。「←呉市・坂町界0.6KM・呉市野営場1.6KM」の標柱を見送り、中野山登山口から4分で右に深山の滝の上段の滝が見えます。深山の滝は上段の滝と下段の滝の二段で構成されています。1分余り先の下段の滝への木階段を下るとすぐ深山の滝 に出ました。傍らに和合地蔵菩薩像が立っています。滝の水量はそれ程でもありませんがなかなかの迫力です。
 滝からは川に沿って「深山の滝0.1KM」の導標がある滝前の広場に出ました。この先は遊歩道で「焼山多目的保護林」や「二艘木経由絵下山・深山の滝バス停0.3KM」の案内を見て10分で深山の滝の登山口に出ました。ここには「深山の滝」と彫られた大きな岩そして中国自然歩道の「烏帽子岩山灰ケ峰ルート案内図」の案内板と「深山の滝0.4KM・呉市野営場1.1KM」の標柱が立っています。
 JR呉ポートピア駅まではバス便は廃止となっていますのでタクシー利用となりました。歩けば1時間ほどの距離です。
                                                              広島里山紀行記


 


  

   

   
  8:21 JR呉ポートピア駅からの天狗城山    浜崎踏切を渡ります

   

   
  8:32 西条登山口、案内板でコースの確認を   8:34 鉄階段を登ります 

     





   
    三〇〇段余りの階段   8:42 階段最上部から山道に変わります

     

     
    8:55 パイン岩     パイン岩を過ぎると岩道が始まりました

     

     
    9:00 最初のロープが現れました     全身を使っての

     





   
    9:04 奇岩、屏風岩です   ペンキでルートが案内されている個所も 

   

   
  クレアラインと天応の町並を   祠でもあったのでしょうか

     

      
    長い岩斜面を登り  振り返ると市街地との高低差が大きくなっています 

     

     
    段差の大きな岩場も     変化に富んだ岩場が次々と 

     

     
      9:20 2番目のロープが架かります 

   

   
  9:22 ステップが大きくコースで一番の難所   9:25 3番目のロープが
   
   
   

   9:26 呉ポートピアパークが眼下です





   

     
  積み木のような大小の岩を越えて     9:37 4番目のロープ





   

     
  広島湾方向に似島が      9:38 最後の5番目のロープを

   

   
  ロープを登ると展望地、正面に烏帽子岩山が   9:42 かえる岩に着きました

     
    瀬戸内の多島美。烏帽子岩山、呉湾、江田島、能美島、似島、宮島、大竹市から広島市街までを一望 
 

  
 
   
  絶景を背景に     かえる岩から山頂へ 


  

   

   
  9:50 天狗城山に到着です   展望に乏しい四等三角点の山頂

        
      北へ少し下ると広島市西部方面が望めました  

   

 9:58 北側直下の展墓岩。 江田島、宮島、似島、広島市街と近郊の山並み、中天狗、小松尾山と絵下山など素晴らしい景観です
 

       
  

   

   
  10:09 展望岩から中天狗に向かいます   しばらく展望の無い道を 

     

     
    中天狗が正面に見えました     鞍部に向けては急な下りです 





   

     
  10:21 鞍部に着いて     中天狗に向けては視界の無い急登が続きます 

   
 
  樹間から天狗城山を。 山頂直下に展望岩が  


  

   

   
  10:39 中天狗は樹林に覆われ展望はよくありません   10:42 小松尾山に向けて下山です

     

     
    穏やかな尾根道が続きます     深山の滝分岐に向けて少し登ります 

   

   
  11:04 深山の滝分岐に着きました   展望は似島方面にわずかだけです

   

   
  滝への近道(白)が東側に下っています   分岐から4分で中天狗と天狗城山が望めました 

  
 
  尾根に出ました   


  

   

   
  11:17 小松尾山に到着       小岩が点在する山頂です   

  
 
  焼山団地の奥に野呂山、灰ケ峰、正面に烏帽子岩山、海の先には倉橋島、江田島さらに広島湾と瀬戸内の風景が展開します

   

   
  道脇に四等三角点が置かれています    12:00 二艘木に向けて下山です

   

   
  下山口からは絵下山の地デジ塔がみえます   12:08 自然歩道に降りました。小屋浦への道(白)も

   

   
  12:08 二艘木は絵下山、深山の滝への分岐点です   12:13 自然歩道を深山の滝に向かいます

   

   
  12:20 二艘木集落の跡地に入りました   12:22 深山の滝への案内導標がありました

   

   
  導標から集落跡地の中心部に入ります   絵下山の地デジ塔が意外に近くに見えています 

   

   
  跡地の中心部   12:30 最初の木橋を渡ります

   

   
  12:33 渓流沿いにベンチがありました   12:47 天狗城山への近道入口を見送って

   

   
  木もれ日の中、清々しい道を   12:49 中野山への登山口がありました
   
      
  深山の滝の上段の滝が見えています    深山の滝への階段を降り
 
            
 
            13:00 深山の滝  

   

   
  13:13 深山の滝入口に到着です   深山の滝と彫られた大岩  
   
   
   

 
 
 
                 
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