山  名   大野城山  大野行者山 
標  高 265.6m  115m 
場  所 廿日市市大野町 
登  頂 H30.9.26 
アクセス ○JR五日市駅8:08→JR大野浦駅8:26 
コース ○登り JR大野浦駅→大頭神社→妹背園地登山口→山頂
○下り 山頂→だんご岩→大野行者山→JR大野浦駅 
メンバー 美11名 
過去記録 H19.12.21 

 

                 【概 要】                           
 廿日市市大野町の里山、大野城山は標高で265.6mの四等三角点が置かれています。天然の要害と云える岩山は中世の山城である門山(かどやま)城址で、山頂付近の露岩には柱穴とされる人工穴などの遺構が数多くあります。山頂からは大野瀬戸を挟んで宮島の駒ヶ林、三劍山、岩船岳などを望むことができますが、少し下った展望岩からは更に素晴らしいパノラマが広がります。
 また大野行者山は標高115mの小ピークですが展望には恵まれません。厳島を訪れた弘法大師が行を行った伝説に由来し昭和40年頃までは祠が存在したと云われています。  今回は大頭神社から妹背の滝ルートを登り城山を経て行者山から新城山ルートで下山しました。JR大野浦駅のすぐ背後と云う里山にしては、露出した巨岩そして適度のアップダウンと意外に変化に富んだ山歩きを楽しむことができます。
 
○JR大野浦駅8:41〜登山口9:36〜三差路鞍部10:31
 装いを新たにしたJR大野浦駅北口から右折して大頭神社に向かいます。往時の商店街の雰囲気を残す道を進んでいると、「おおの自然を愛する会」のTさんがルートマップをわざわざお届けくださいました。感謝感謝です。
 25分ほど歩いて大鳥居を潜り先ずは推古天皇時代の創建と云う大頭神社 に参拝しました。社殿左手の小祠からも行者山を経由する城山へのルートがありますが、今回は妹背の滝ルートで城山へ向かいます。社殿右手から高さ50mの雌滝をみて朱色の幾千代橋を渡って妹背の滝(雄滝)へ出ました。高さこそ30mですが幅のある滝はなかなかの迫力です。
 滝の前で服装調整を行い幾千代橋の方へ少し引き返して急な石段を登ると県道に出ました。車道からはすぐ左下の道を下り滝山橋を渡ると左手に妹背遊園 の東屋が見えます。ここに直進は「経小屋山登山口」、左の階段を登ると「城山経由経小屋山登山口」への標識があります。
 今回は直進して「妹背の滝ルート」で経小屋山方面に向かいます。右手に清流を見ながらの道は間もなく沢の中を歩く感じへと変わりました。足下の悪い道を15分ほど歩くと谷は左下に去り沢状の道からは解放されましたが泥濘した個所もありました。2個所ばかり小沢を越えると谷を離れ深いシダの道に変わりました。急坂を登り切ると三差路鞍部に出ました。登山口からは約45分でした。

三差路鞍部10:38〜展望岩11:22
 三差路鞍部は経小屋山と城山の分岐点となり左手に「城山・大野浦駅」、右手に「経小屋山」、来た方向に「妹背の滝」の案内表示があります。左の城山方面に進みます。鞍部から260mピークに向けての登り道は、わずか5分足らずですがなかなかの超急登です。ピークからはしばらく北方向に向けての穏やかな尾根を進みます。木立の中ですが視界が得られると前方に城山が姿を見せました。その後も下るにつれて城山や宮島が姿を見せ次第に近づいてきます。急な道を下ると三差路鞍部から30分ほどで標高190m台の鞍部につきました。
  この鞍部は塩屋ルートの合流点で「おおの自然を愛する会」の「←大野浦駅」の案内プレートが立っています。鞍部から城山へ再び樹林の急な道を7分ほど登ると補助ロープが現れました。この辺りから大岩も見られてきます。鞍部から10分で大岩が見えると山頂部の尾根に出ました。山頂は左に進みますが正面の「馬のたらい→」 の案内方向に寄り道すると、岩と岩の間を抜けて廻り込んだ大岩に長方形の穴が穿かれ水で満たされていました。

○展望岩12:32〜城山12:42

 馬のたらいを過ぎてシダをかき分けて5分ほど南に下ると展望岩 に出ることができました。城山随一の展望地で東に広島湾が広がり絵下山から呉市の山が、正面にはカキ筏の浮かぶ大野瀬戸を挟んで宮島の駒ヶ林、三劍山、岩船岳そして西には周防大島も見えています。
 大休憩の後は一旦馬のたらいまで戻り山頂へ向かいます。次々と現れる巨岩の間を縫うようにして進むと丸い穴が開けられた岩がありました。これも遺構の一つのようです。馬のたらいから6分で山頂に到着しました。
 思いの外に狭い頂上には四等三角点が置かれています。展望は南に開け駒ヶ林、三劍山、岩船岳と宮島が大きな存在感を示しています。また「史跡 門山城址」の石柱と説明板が立てられ、鎌倉時代から南北朝時代へかけての山城設置の由来や巨岩を利用した遺構類の説明が書かれていました。

○城山12:50〜行者山13:49
 下山は大野行者山を経由するとして城趾石柱の前から北方向に下ります。道はすぐ急な下りとなりました。右手には露岩がありここにも四角な穴が見られます。補助ロープを頼りに急な道を6分ほど下ると鞍部に降り立ちました。薄暗い鞍部を移動すると妹背の滝と行者山への三差路分岐に着きました。降りてきた方に「経小屋山・大野浦」、左手北側に登る道は「妹背の滝」、直進の南方向が「行者山」の案内表示があります。
 行者山に向かう城山を巻く道は深いシダに覆われ足下も定かでありません。中電の標識を見ると道は城山を離れて行者山に向けて急な下りとなりました。この先、行者山までには二つのコブを挟み軽いアップダウンを繰り返すことになります。深いシダですが道は明確で明るく木の間越しに望める宮島が美しい。
 一登りすると大岩「だんご岩 」が鎮座する平坦なコブに出ました。三差路分岐からは20分ほどでした。以前は休憩適地だっただんご岩も深い草に覆われており早々に通過です。だんご岩手前の岩からは船倉山などが眺められました。また「花いっぱいくつろぎ広場」も既に消滅したようで気がつきませんでした。人手が入らない山は野に帰るのも早いようです。二つのコブを踏むと前方に行者山が姿を現しました。登り途中に展望の利く岩があり眼下に大野の町並みと宮島を望むことができました。岩から一登りで行者山です。だんご岩からは25分余りでした。

○行者山13:49〜行者山登山口14:08

 行者山は「行者山頂上 一一五米」の標柱が立つだけで狭い山頂は展望もありません。山頂を下ると展望の岩(見晴らし岩)があり大野の町と岩船岳などの展望が楽しめます。下ると祠跡でしょうか、ちょっとした平坦地で左上に一部が四角にくり抜かれた大岩もありました。この先に「←大頭神社・↑行者山登山口新ルート・↓行者山」のプレートがあり、前方に厳島神社が見えています。
 自動車道と新幹線の騒音が聞こえてくると風化花崗岩の砂礫に覆われた滑りやすい下り道に変わります。フェンスを左にして落ち葉に覆われた急な長いコンクリート階段を下ると自動車道が見えて登山口に下山しました。登山の案内表示はありませんが、階段登り口に「行者山」の説明板が立っていました。行者山からは20分ほどでした。
 自動車道高架の下をくぐり真新しい小中一貫校の大野学園前を通ってJR大野浦駅に帰着しました。

                          広島里山紀行記



 


  

   

   
  JR大野浦駅の背後に巨岩の点在する城山が    9:07 大頭神社に到着しました

      





   
          妹背の滝(雄滝)、高さは30mほどです   9:21 服装調整を行い出発です  

   

   
  県道へ向けては早速石段を   9:30 県道から妹背遊園に向かって下ります

   

   
 9:36 遊園前から経小屋山方向へ (左は城山へ)   右に清流を見ながら林道を 





   

       
  ほどなく道は荒れてきました        さながら沢の中を進む感じです 





   

       
  谷が左に去ると道は良くなりました       うっかりすると足を取られる泥濘の道も 





   

       
  小さな沢を2度ほど渡りました       急になった道を鞍部に向けて

   

   
  10:31 三差路鞍部に到着です   鞍部は分岐です。 城山は左に





   

       
   10:37 城山に向かいます       鞍部からはしばらく急な道を登ります 





   

       
  急登が終わると尾根道に       穏やかな道が続きます 

   
 
   10:53 木立の中の道ですが視界が得られると城山が姿を見せました。 大野の町並みの先には宮島も





   

      
  11:07 鞍部に下りると右から塩屋コースが合流      鞍部からは再び急な登りです 

   

   
  薄暗い道を補助ロープに助けられて   11:17 山頂部の尾根に出たようです 

   

   
  11:17 山頂は左ですが寄り道します   「馬のたらい」、何の遺構でしょうか 

   

   
  11:22 馬のたらいから下って展望岩に出ました   小グループが憩える広さです 


   
 
     東に広島湾が広がり正面には大野瀬戸を挟んで宮島の駒ヶ林、三劍山、岩船岳そして西には周防大島も見えます 
 

   

   
  12:28 山頂に向けて出発です   12:36 馬のたらい分岐から山頂へ

      





   
     大岩が見られるようになります    次々と現れる巨岩の間を縫うようにして 





   

       
  遺構の「刀掛け」でしょうか        複数並んだ丸い穴も 


  

   
 
  12:42 意外に狭い山頂には「史跡 門山城址」の石柱が 

            

 
            狭い山頂は南が開け駒ヶ林、三劍山、岩船岳が目の前に望めます 


             
 
 
  





   

       
  12:50 次の目的地、行者山に向けて下山です       すぐにロープの掛かる急な下りに 

   

   
  薄暗い鞍部に下り三差路分岐へ   13:01 三差路は妹背の滝と行者山との分岐です 

      





   
     城山の巻き道は足下注意の個所も   巻き道が終わると宮島が見えました

   

   
  行者山へ向かっての下りが始まります   ときおり樹間から姿を見せる宮島

   

   
  深いシダですが道は明確です   13:22 だんご岩のピークを通過します





   

       
  だんご岩の前からは船倉山も        この先はアップダウンを繰り返します      

      

       
     次のピークに向けて        ピークからは行者山が目の前に 





   

       
  軽く下り一登りします       山頂前の展望の岩から 

 
 

   

   
  13:49 行者山に到着です   狭い山頂は展望もありません 

   

   
  山頂直下の見晴らし岩から大野の町と岩船岳を   祠の跡でしょうか、岩に穿かれた穴も 

   

   
  左に大頭神社への道が分岐しています   砂礫の散在する風化花崗岩の道を 

      





   
     長いコンクリート階段を下りると   14:08 自動車道の側道終点に下山です

   

   
  14:13 ガードを潜って市道に出ました   14:34 大野浦駅に帰着です
   

 


          
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