山  名   安芸小富士・下高山 
標  高 278.1m  203.1m 
場  所 広島市南区似島町 
登  頂 R1.12.4(水)
アクセス 宇品港→フェリー  
コース

○学園前桟橋9:49→登山口10.01→安芸小富士10:48
○安芸小富士10:59→似島峠11:46→下高山登山口12:06→下高山12:37
○下高山13:18→尾根登山口13:50→似島港13:58 

メンバー 美11名 
過去記録 H29.3.8 H28.1.27 H27.2.25 H26.1.16 H23.1.17 

 

                  【概 要】                     
  広島湾の沖合に浮かぶ似島(にのしま)には似島峠を挟んで南北に対峙する2山がありそれぞれ二等三角点と三等三角点が置かれています。北側の山は富士山の1/10ほどのスケールですが海上にそびえ立つ端正な山稜から安芸小富士(278.1m)と呼ばれ、南側の山は安芸小富士が古くは高山と呼ばれていたことから下高山(203.1m)と云われているようです。中腹から山頂にかけてが瀬戸内海国立公園特別地域と林野庁の風景林に指定されているため都市近郊の島でありながら自然な環境が良く保たれています。この島も島の人の話ではここ2年の間でイノシシの出没が顕著になりミカンなどにも被害がでているようです。
 登山コースは安芸小富士は東西南北から4コース、下高山は北(尾根コースと山麓コース)と東からの2コースが利用できます。今回は東側の似島学園登山口から安芸小富士に登り一旦似島峠に下って下高山に東コースからの登って尾根コースで下山しました。
 似島は平成30年の西日本豪雨で災害を受けましたが、今回のコースでは土砂崩れが一個所あったものの通行上は支障がありませんでした。

○似島学園10:01〜安芸小富士10:48
 宇品港から似島汽船フェリーに乗船しましたが登山者や観光客らしい姿は見えません。 20分の船旅で学園前桟橋に到着しいつものように慌ただしく下船しました。
  桟橋前には似島検疫所跡に建つ似島学園があります。開放的な校庭に入りレンガ造りの弾薬庫通用門跡の前からグランド脇をぬけて学園の体育館に向かいました。
 登山口になる体育館前の階段を登り「いのちの塔」への道を右に見送ると急な山道に入ります。擬木階段を登ると深くえぐられ溝状となった滑りやすい道に変わります。土嚢で補強されてはいますがオーバユーズは顕著で荒廃はいかんともし難い状況です。眼下に目をやると瀬戸内の海が広がり穏やかな海に浮かぶカキ筏や航跡が映えます。
 登山口から15分ほどの最初の難関である風化花崗岩の滑りやすい急斜面を登ると国旗掲揚台に到着しました。
 掲揚台からは視界の無い雑木林に入り単調な登りで尾根の分岐をめざします。登り始めて30分余りで尾根の分岐に到着しました。
 分岐には多くの案内プレートが見られ左は下高山への下山路で「←似島臨海少年自然の家」、右は「小富士山頂→」で山頂へ誘導しています。その他にも「←似島学園方面」や「似島臨海少年自然の家・家下、似島港方面→」のプレートが掛かっています。
 分岐を右折して小富士に向かいます。傾斜は緩みますが深くえぐれたマサ土の道は滑りやすく歩きにくいことこの上無しです。
 分岐から15分ほどで次の難関の露岩帯で砂礫の乗った花崗岩の露岩帯を慎重に登ります。
 露岩帯を越え再び緩やかになった道を進むと分岐から20余りで山頂に到着しました。

○安芸小富士10:59〜似島峠11:48       
 二等三角点の山頂は赤く塗られた航空保安施設があり山名案内図板も置かれています。
 南側は樹木で視界が妨げられますが西から東は開けて広島湾の先に市街地そして経小屋山、極楽寺山、鉾取山山系、呉婆々宇山、絵下山、灰ケ峰、江田島などが広がります。
 展望を楽しんだ後は下高山に向かいます。
 山頂から5分下った露岩帯からは正面に青い瀬戸内海が広がり、似島港と家下(やじた)の集落そして下高山へ続く稜線、宮島、沿岸部の山々が望めます。見飽きることのない美しい景観を楽しみながらの道はまさに展望コースです。
 山頂から15分ほどで到着した学園ルート分岐を右折して下高山に向かいます。
 分岐からは一転して視界が閉ざされた雑木林の穏やかな尾根道になり4分で再び分岐です。
 ここにも案内プレートがあります。右が似島峠経由の下高山への道ですが左の似島臨海少年自然の家へ誘導するものが目立ちます。
 旧高射砲陣地跡とされる幾つかの凹みの脇を抜けるとミモザの群生地です。ただ巨木の多くが台風によるものか倒木状態です。
 平坦な尾根道が終わると足下の悪い超急な下りとなり次いで竹林に入ります。
 急下りの竹林を抜けると学園ルート分岐から20分で似島港への分岐です。「←広島市似島臨海少年自然の家」・「似島港(家下)→」そして「←下高山登山道」の案内があります。
 下高山へ向かい分岐から篠竹の中に突入するとすぐ先にオリエンテーリングの案内表示があり左手に少年自然の家へのルートが分れます。
 荒れた篠竹の道を抜けると視界が開けて左下に少年自然の家、後方には小富士も見えています。荒廃したミカン畑跡を抜け新しく設置された電波塔の脇を進むと墓所です。
 墓所を抜けると家下地区と大黄(だいおう)地区とを結ぶ似島峠の舗装路にでました。

○似島峠11:48〜下高登山口12:06  
  似島峠から右折すると「下高山尾根コース登山口」ですが今回は左折して「下高山登山口」から登ることにしました。
 左折するとすぐ大きな案内板があり直進方向が「似島小学校・中学校、原爆慰霊碑、下高山登山口→」、後方が「似島桟橋→」、左が「←臨海少年自然の家、広島平和養老館、似島学園」とあります。
 2分ほど進んだカーブ地点に「下高山(標高203m)」の案内がありコンクリート道が右に登っています。豪雨災害の痕跡が見られる谷を右にして薄暗い道を登って左に折り返すと視界が開けました。
 ミカン畑の先に広がる海に浮かぶ峠島や絵下山を眺めながらトラバース道を進みます。竹林の道を抜けると左手が大きく崩落していましたが特に危険ではありません。
 すぐ先が下高山登山口で前方からは中学校からの登山道が合流しています。
        
○下高山登山口12:06〜山頂12:37
 下高山登山口には「←下高山登山道入口」、来た方向に「似島臨海少年自然の家・家下港→」の表示があります。                                  
 左手に木の間越に下高山を見ながらを15分ほど登ると尾根(176m)に出ました。
 尾根は分岐点で反対側には似島港への下山路が下り「←家下・似島港方面」の案内があり、来た方向は「似島臨海少年自然の家、似島小・中学校方面→」となっています。
 尾根(176m)から下高山に向かうとすぐ右手が開けた似島港と家下集落そして安芸小富士が眺められる展望地です。
 展望地からシダが繁茂する急坂を一登りして一旦下り再度登り返すと視界が開けて下高山と手前の190m台ピークが見えてきます。
 190m台ピークからは沿岸部の山々や宮島方面への素晴らしい展望が得られます。
 下って小学校の赤い体育館やカキ筏の浮かぶ海を左下に見ながら転落防止鎖が張られた尾根道を進みます。
 大岩の左を巻くと下高山で尾根(176m)分岐からは16分ほどでした。

○山頂13:18〜似島港13:58      
 山頂は思いの外に広く中央部に三等三角点の置かれ藤棚とベンチが設置されています。
 眺望は素晴らしく北に小富士が姿を見せ極楽寺山、窓ヶ山、鈴ヶ峰、大茶臼山、呉娑々宇山など広島市の山々、東に絵下山、天狗城山、灰が峰、休山など呉の山、南は目の前に大須瀬戸を挟んで能美島が望め、クマン岳、大須山、砲台山、野登呂山など江田島と能美島の山、西には宮島弥山や経小屋山、大野権現山、野貝原山など県西部の山々と360度の大展望が広がります。
 下山は似島港に向かいますが190m台ピークからの小富士を最後に視界が遮られました。
 山頂から15分ほどで尾根(176m)の分岐に戻りました。左折の下山口には「←家下・似島港方面」の案内があります。
 以前に比べると随分と広く歩きやすくなったとは云えすぐ雑木林の急な下り道となります。
 尾根(176m)分岐から15分足らずで開放された荒れ地に出ます。荒れ地は分岐点で「高見山(尾根コース)」のプレートがあり左にトラバース道が分かれます。
 前回は左折しましたが洪水被害のことも考えられるため今回はそのままに直進して似島峠に向かいました。
 電波塔の脇を抜けすぐ先の狭いコンクリート階段を下ると似島峠の尾根コース登山口に下山しました。ここにも「下高山(尾根コース)→」の表示が立っています。
 似島峠からは通学路を下って集落に入り民家の細い路地を抜けると8分ほどで似島港に着きました。
                                   広島里山紀行記


 

  

   

   
  9:22 宇品港からフェリーに乗船   目指す安芸小富士です

   

   
  9:49 学園前桟橋で下船。前方に安芸小富士が   登山口の似島学園に向かいます 

   

   
  弾薬庫通用門跡の前を通って登山口へ   10:01 体育館前の登山口を出発です 

   

   
  風化花崗岩の滑りやすい急斜面を   10:19 国旗掲揚台に到着しました





   

      
  10:30 尾根分岐を安芸小富士へ      花崗岩の露岩帯を 

  

   

   
  10:48 安芸小富士に到着です   二等三角点の山頂には赤い航空保安施設が 
   
   
   広島湾の先に市街地そして経小屋山、極楽寺山、鉾取山山系、呉婆々宇山、絵下山、灰ケ峰、江田島などが広がります  

   
 
  10:59 下高山に向かって下山です  

      
     瀬戸内の多島美。 似島港そして下高山へ続く稜線を望む展望コースを下ります

   

   
  11:14 学園コース分岐を右折し   11:18 臨海公園コース分岐も右折し下高山へ 

   

   
  しばらく穏やかな尾根道が続きます   尾根道からは急な降りに

   

   
  竹林の中を   11:35 似島港分岐から篠竹の中へ

   

   
  11:43 荒れた篠竹を抜けると墓所に出ました   11:46 似島峠から左折して 

   

   
  11:48 案内に従って下高山へ   ミカン畑の先に峠島や絵下山を眺めながら 

   

   
  豪雨災害による崩落地を慎重に   12:05 下高山への登山口です

        





        
     再び急な登りが始まりました    12:21 尾根分岐は左折し下高山へ

  



   

        
  安芸小富士の展望地を過ぎて      アップダウンを繰り返します 

   

   
  小ピークから下高山を    コース上でみた唯一の人工物です 





     

        
  大黄港の先に峠島や絵下山が        12:36 この大岩を巻くと山頂です

  

   
 
  12:37 下高山に到着しました  
  
   
 
 北に極楽寺山など広島市の山々、東に絵下山など呉の山、南から西は江田島などの島々と360度の大展望が広がります

         
  

   

   
  13:18 下山です。中央に三等三角点が   13:33 尾根分岐を左折して似島港へ 

   

   
  13:44 この分岐は直進し似島峠へ  

                       
           電波塔の脇を抜けて下ります

   

   
  似島峠の舗装路が見えています    13:50 狭い階段を下りると尾根コースの案内が

   

   
  舗装路を下って似島港へ   13:58 似島港へ到着しました

   

   
  14:23 宇品港へ向けて乗船です  
   
   
   
   

 
      
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