山  名 弥山 
標  高 535m 三角点529.7m 
場  所 広島県廿日市市宮島町 
登  頂 H31.1.9 
アクセス JR宮島口駅(広電宮島口駅)→フェリー乗り場→宮島桟橋  
コース 博奕尾コース→大聖院コース
○登り: 博奕尾登山口9:05→博奕尾935→11:01獅子岩展望台11:15→弥山11:45 
○下り: 弥山12:19→仁王門13:00→大聖院14:01 
メンバー 美12名 
過去記録 H29.1.11 H28.2.3(前峠山) H26.1.16  H25.6.6  H23.2.14 

 

                     【概 要】                                 
 安芸宮島の弥山へ登るコースとしては宮島観光協会が紹介している大聖院、紅葉谷、大元の3コ−スが一般的で、博奕尾(ばくちお)コースは公式コースとして紹介されていませんがコース上には最低限の案内表示はあります。
 今回は博奕尾ルートから登り大聖院コ−スで下山しました。博奕尾(ばくちお)コースは弥山の左側にのびる稜線伝いに瀬戸内海の島々を眺めながら登る尾根コースで、距離的には最も長くなります。大聖院コースは平成17年の土石流で参道が流失したため、各コース中で最も整備が進んでいると云えますがその分階段が多くなります。

○宮島桟橋8:50〜登山口8:58
 今回のコースはうぐいす歩道から旧軍用道路に入り博奕尾根をたどって弥山に登り大聖院コースで下山しました。
 早出の観光客と伴に正月飾りの残る宮島桟橋で下船しました。桟橋広場前を包ヶ浦(つつみがうら)方面に左折し、宮島別荘、宮島伝統産業会館の前を過ぎ道なりに進むと分岐です。左手前方に長濱神社の赤い鳥居が見え、直進が「←包ケ浦自然公園2.8km」、右に上る道は「紅葉谷1.6km」の案内板が立っています。要害山への道を分けた先にも「みじ谷、ロープウェー・包ケ浦、杉之浦・桟橋」の道標があります。「うぐいす歩道」と呼ばれる紅葉谷、ロープウェーへの舗装道を進むと左に石畳道の道が分岐します。分岐点には導標があり舗装路は「もみじ谷公園へ」、石畳道は「杉之浦へ」とあります。(石畳道は明治期に築造されたもので平成30年1月に訪れた鷹巣砲台に通じています)。「紅葉谷1.6km」の案内板から6分でした。
 石畳の道を少し進むと道を横断する溝ふた(グレーチング)があり、その先で石畳は終わってアスファルト舗装に変わります。案内表示類はありませんが道の変わり目の手前が登山口です。右上にマサ土の露出した小スペースがありそれとなく分かります。桟橋からは8分ほどでした。

○登山口9:05〜博奕尾9:34
 登山口の前面が開けて大鳥居が見えています。辺りはアセビの木が繁茂し昨年と打って変わった暖冬に既に花開いたものも見られました。アセビを分けてのマサ土の道は穏やかに登り5分で林道崩れ?の道に合流しました。赤テープがあるだけですから下山路に使うときには注意が必要です。
 登山口から10分で支尾根に出ますので右折してコシダの茂る急な道を登ります。すぐ幅の広い穏やかな尾根道となります。快適な尾根道からは右手に大鳥居や大野瀬戸、経小屋山など対岸の山並みなどを、次いで正面に獅子岩展望台、弥山、駒ケ林を望めます。
 弥山を眺めて軽く下ると紅葉谷からの道と合流しました。合流点には「←もみじ谷公園・包ケ浦自然公園→」の導標が立ち、登ってきた道は倒木で止められていました。合流地点のすぐ先が博奕尾で毛利元就と陶隆房(陶晴賢)が戦った厳島合戦の説明板と合戦要図そしてベンチが置かれています。登山口からは30分ほどでした。

○博奕尾9:35〜獅子岩展望台11:01
 博奕尾からも獅子岩展望台、弥山、駒ケ林がみえています。登路は包ヶ浦自然公園やキャンプ場への道でもあり、擬木階段など歩きやすく整備されていますが次第に傾斜が増していきます。振り返ると大鳥居と厳島神社そして経小屋山、船倉山など対岸の山が広がっています。傾斜が緩むと幅広の道に出ましたがここにはベンチが置かれていました。包ヶ浦キャンプ場の導標が現れると「包ヶ浦自然公園30分・弥山登山」の導標がある分岐です。公式コースとしては紹介されていませんが“弥山登山”の表示はあるのです。博奕尾から15分ほどでした。
 この分岐から博奕尾根に入ります。コシダの茂る山道は急登で展望もありませんが、やがて岩が見られるようになりました。主尾根に出るとようやく一息つきましたが、ここは下山時の要注意地点で直進しないように倒木で止めてあります。
 ここから登るとすぐ「←もみじ谷公園、包ヶ浦自然公園・弥山登山→」の道標があり、包山や鷹巣高砲台、大砂利への道が分岐しています。道標からしばらく進むと左手の下方に開拓集落、その先には似島や江田島が見えきました。冬枯れの目立つコシダの道を一登りすると一気に視界が開けて対岸から広島湾方向が望めます。
  展望を楽しみながらの明るい尾根の道は再び岩が見られるようになり、弥山山頂も確認できました。包山、鷹巣高砲台方面への進入口を過ぎると初めて逆光に黒いシルエットで浮かぶ小黒神島が顔を見せました。
 風化した「包ケ浦・自然公園→」の案内板を見送ると405m台ピークに着きました。前方にはロープウェーケーブルが伸びる「獅子岩駅」と展望台そして弥山が見えています。ピークからは深く溝状にえぐれたマサ土の道を慎重に下ります。ロープウェーの音が聞こえると乗換駅の「かや谷駅 」です。登山路は駅舎下のコンクリートトンネルを抜けて駅の右手に出ます。博奕尾からは約1時間でした。
 かや谷駅前で小休止して獅子岩駅に向かいますが、道はすぐ岩を踏み台にしての段差の大きい急登となります。
 登り切るとコース随一の絶景が得られる「三つ石尾根」と呼ばれる穏やかな道になります。視界が一気に開けて正面にはロープウェー山頂駅の「獅子岩駅」と展望台、海側は左手に大奈佐美島や西能美島そして遠くには絵下山の地デジ塔も、右手には小黒神島、大黒神島が見えています。道にせり出す巨岩を巻き、足を滑らすと大変なマサ土の斜面の道を過ぎるとJR宮島駅方面と能美島方面の両方が望める贅沢な展望が待っていました(パノラマ参照)。
 この先は送電線など人工物が目障りとなりますが土嚢で補強された荒れ道を一登りすると獅子岩駅の裏に出ました。かや谷駅からは約20分でした。
 駅舎前の石段を登ると標高430m台の獅子岩展望台ですが珍しく人影がまばらでした。展望台に立てば西側は岩の弥山(標高535m)ですが北〜東〜南方向には瀬戸内の素晴らしい多島美が広がっています。
                               
○獅子岩展望台11:15〜弥山11:48
 駅舎からは観光客と行き交いながら弥山に向かいます。6分ほどで紅葉谷コースとの合流点です。「紅葉谷1.8km、弥山山頂0.7km、獅子岩駅0.3km」の導標と宮島自然散策案内図そして「天然記念物弥山原始林」の石柱が立っています。
 この先は舗装路に変わりますが、暖冬の今年は凍結も無く安心して歩けます。すぐ右手に山道が分岐しますが今回は舗装路を登りました。
 やがて左手に視界が開けると獅子岩駅や瀬戸内海の景観を楽むことができました。急な道ですが聞こえてくる梵鐘の音に元気づけられて最後の石階段を登りきると弥山本堂前に出ました。獅子岩駅からは19分ほどでした。
  弘法大師ゆかりの弥山本堂に参拝します。1200年間消えたことが無いと云われる霊火堂を後にして、三鬼堂へ、そして崩壊した千手観音地蔵尊堂、観音堂、文殊堂と石段を登っていきます。「くぐり岩」を潜ると南方が開け阿多田島そ奥のに周防大島が望めました。皇太子殿下御展望跡の碑を見て巨岩の間を抜けると弥山山頂に到着です。

○弥山12:19〜仁王門12:55
 山頂レストハウス前の広場中央に三角点(529.7m)がありますが、最高点(535m)は巨岩の磐座(いわくら)石になります。
 山頂レストハウス 3Fからは360度の大パノラマを展望が得られます。北方向には広島市街地、東側方向には獅子岩駅や大奈佐美島その背後に江田島と東西能美島、その先に野呂山など呉の山々も見えます。南方向には小黒神島、大黒神島から阿多田島が望めます。西側には先峠山から三つ丸子山、駒ケ林と三剱山、大野の経小屋山その奥には雪らしい山並みが連なります。           
 陽射しが陰ると、吹き曝しのレストハウスはさすがに長居できません。
 下山路は磐座石の右側の大日堂経由と左側の文殊堂経由がありますが、今回は大日堂側に下りました。右側の下山口から干満岩を経てジグザグに石段をくだると大日堂で、最後の長い石段を下ると二十一丁石の立つ本堂への入口です。左に進めば弥山本堂、右手の下れば大聖院方向です。右に下って水かけ地蔵を過ぎ3分で御山神社への入口です。赤い鳥居をくぐって3分ほど進むと石鳥居です。石段の先に朱塗りの社殿が見えています。宗像三女神を祀る玉垣に囲まれた瀟洒で静寂な社殿に参拝して再び再び登山路に戻ります。駒ヶ林と焼山(三剱山)が真正面に見えています。鯨岩を見送り石の参道を下ると20分ほどで仁王門に到着です。数基のベンチが置かれているのでここで小休止としました。

○仁王門13:00〜大聖院14:01
  今回の大聖院コースの下山口となる仁王門下の分岐には、大聖院まで1.9kmの導標と瀬戸内海国立公園(宮島)の案内板があります。分岐を右折すれば大聖院コースで直進すれば駒ヶ林と焼山(三剱山)や大元公園コース、左折すれば奥の院に通じます。           
  アーチ型の石階段を下ると早速に急な石段が待ち受けています。次いで現れる石畳が遊女が寄進したと云う「遊女石畳道」と思われます。ただ道は平成17年の土石流で流され、新たに別ルートとして作られたものです。左に土砂崩れ先端部を見て石畳を下ると1号砂防堰堤で下山口から10分でした。景観に配慮して表面に石材を張られた堰堤からは大野瀬戸が望めました。
 堰堤を越えると谷は登山道の右手に変わり、新しい石段の道が急勾配で下っていきます。向かいは花崗岩が露出した岩壁で、とくに劇場の緞帳を思わすことから「幕岩」と名付けられたという巨大な一枚岩は圧巻です。道脇には落ち葉に埋もれた石仏群、次いで左奥に大きな岩の下に多くの石仏が祀られた賽の河原がありました。祠は倒壊し石仏は倒れたものも多く荒れ果てた感じです。
 仁王門から30分あまりでその昔は茶店があったっと云う里見茶屋跡に到着しました。テーブル・ベンチが置かれた東屋は厳島神社や千畳閣、五重塔など神社エリアの核心部を俯瞰できる絶景ポイントです。 
 茶屋跡からも続く急な階段を下ると明るく開けた瀧宮神社です。神社の手前に「天然記念物弥山原始林」と「白糸の滝」の石柱が立っています。厳島八景の一つと云う滝も水量が少なく糸のような流れでした。土石流災害から再建された神社からは長い階段が下り、その先に瀧不動堂と大聖院の伽藍が見えています。懺悔地蔵堂を過ぎて石鳥居をくぐると瀬戸内海国立公園(宮島)の案内板と「弥山登山道(大聖院コース)・2.5km」の導標が立っています。仁王門からは1時間ほどでした。
                                     広島里山紀行記



 


  

   

   
  8:48 宮島桟橋からスタートです    長濱神社の鳥居が見える分岐をうぐいす歩道に 

   

   
  8:56 うぐいす歩道から石畳道の道へ   8:58 登山口。 石畳の終わるところです

   

   
  登山口からは鳥居が見えています   9:05 登山口を出発。 辺りはアセビの群落です


                 
 

   

   
  林道崩れ?に出ました   赤テープがあります 

   

   
  案内はありませんが登る方向へ      小尾根に出て右折し 

   

   
  尾根に出ると広い穏やかな道に    正面に獅子岩展望台、弥山、駒ケ林を望みます 

   

   
  9:34 右へ紅葉谷への道が下ります   来た道は木で塞いでありました。青は紅葉谷コース

   

   
  9:34-9:35 博奕尾に到着です   包ヶ浦自然公園への道をたどります

   

   
  博奕尾からは整備された道を    9:42-9:46 尾根上のベンチで小休止します 





   

       
  9:51 包ヶ浦自然公園ルートから分岐して登山路へ       急な登りが始まります 

   

   
  岩が出てきました   左手に登ります 

      





   
     花崗岩の風化した道は荒れ気味に         展望の尾根が始まります 

  
 
  一気に視界が開けて対岸から広島湾方向が望めました

                                 
   

   

   
  冬枯れの目立つコシダの道を   獅子岩駅と弥山山頂も確認できます

      





   
     405m台ピークからは深くえぐれた道を   荒れた道を下るとロープウェイの音が聞えました

   

    
  10:38 かや谷駅下のコンクリートトンネルを抜けて     10:40 駅舎前から獅子岩駅へ向かいます

      





   
   岩を踏み台にしての段差の大きい道を    獅子岩駅と展望台が見えてきました 

     

                  逆光の海に黒いシルエットで浮かぶ小黒神島

   

   
  マサ土斜面の道を登ると   さらに展望が広がります   

  
 
  「三つ石尾根」はパノラマルート、贅沢な展望が広がります  

   

   
    11:00 獅子岩駅の裏に出ました 

   

   
  11:12 展望台に寄りました     11:14 真正面の弥山に向かいます
        
          
   
          展望台からは瀬戸内の素晴らしい多島美が広がっています 

      

      
     くぐり岩を潜ります        皇太子殿下御展望跡の碑を見て


  

  

   
  11:48 弥山山頂に到着です    パノラマはこちらへ(平成26年)
 
        
  

   

   
  12:19 磐座石の右側から大日堂経由で下山します   下山口に「弁慶のかかと」があるのですが

   

   
  干満岩の前を下り   本堂の入口前に下りました 

    

   
  12:31 御山神社の分岐を神社へ   石段の先に朱塗りの社殿が 

   
 
  
   玉垣に囲まれた瀟洒で静寂な社殿   駒ヶ林の奥に三剱山が

   

   
  12:55 仁王門に到着です   13:00 仁王門下の分岐から大聖院コースで

      





   
     すぐ急な下りが始まります   13:09 砂防堰堤の先に大野瀬戸が

   

   
  堰堤は景観に配慮し石材が張られています   花崗岩が露出した幕岩

   

   
  賽の河原。 祠は倒壊し少し荒れた感じです    13:31 里見茶屋跡は厳島神社俯瞰のポイント

   

   
   白糸の滝入口にも石仏が   厳島八景の一つ、白糸の滝です

   

   
  瀧宮神社から瀧不動堂と大聖院を    瀧宮神社と白糸の滝を振り返ります

   

   
  14:01 懺悔地蔵堂を過ぎて石鳥居をくぐります   14:02 大聖院コース登山道の導標が

   
 
  宮島桟橋に帰着です   
   
   
   

 
    
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