山  名   木の宗山 
標  高 412.7m 
場  所 広島市東区・安佐北区 
登  頂 H31.4.17 
アクセス ○JR西広島駅8:23→8:34JR広島駅8:39→JR上深川駅9:13 
コース ○JR上深川駅9:30→養老橋9:47→登山口10:00→山頂11:21
○山頂12:23→12:51展望広場13:13→三田ケ峠13:50→大平バス停14:12 
メンバー 美14名 
過去記録 平成24.4.18  平成20.4.20

 

                      【概 要】                               
 広島市東区と安佐北区の境界に位置する木ノ宗山(きのむねやま)は標高413.1mで三等三角点が置かれています。小河原川と三篠川によって囲まれた独立峰は中世、天文年間に吉川興経や奥西仲網が築いたと伝えられる木ノ宗山城趾だけに小山ですが急峻な山です。二段の削平地で構成された本丸跡は岩群が不規則に並び山城の雰囲気を残しています。複数の郭群、堀切、石垣、土塁跡などの遺構そして「銅鐸・銅剣・銅戈」(国重要文化財指定)の出土した中腹の烏帽子岩は城趾愛好者や歴史愛好者のロマンをかき立てるには十分でしょう。
 山頂からはほぼ360度の素晴らしい展望が得られ東方向には藤ヶ丸山、呉裟々宇山と続く山塊、南方向は広島市街地と広島湾、二ヶ城山が、西方向には武田山などの広島南アルプスと阿武山そして北方向には鬼ヶ城山、白木山、高鉢山などを望むことができます。
 登山コースは西の三田ケ峠側または東のJR上深川駅側から登るのが一般的です。他に南の福田からの道も利用されまた小河原からの道も開発されているようでした。
 JR芸備線は平成30年の西日本豪雨で橋梁が流されるなど大きな被害を被り、全線開通はまだですが幸いJR上深川駅は利用できます。
 今回はJR上深川駅から出発し山頂に至り、三田ケ峠に下山して福田の大平バス停で乗車しました。なお利用した登山コースは豪雨による影響は見られませんでした。

○JR上深川駅9:30〜登山口9:50
 JR上深川駅から県道37号に出て西進し新鳥越橋を渡りすぐ左折します。三篠川沿いに進みますが西日本豪雨災害の修復工事が続いているため、舗装土手を避け集落の中を抜けて養老橋を渡りました。狭い橋を渡って道なりに進むと「←木の宗山412.7m(上深川 三鬼会)」の案内がありました。突き当たりの民家から右に大きな墓所を見て進みます。辺りは土石流と思われる土砂と倒木が散乱していましたがすぐ先の広場は無事でした。

○登山口10:00〜山頂11:21
 広場で服装調整の後、登山口となる広場先の竹林に入ります。「←木の宗山412.7m」の案内に従い右折して竹林と植林との混在林に入ります。この辺りにも谷筋を流れ下ったと思われる土砂と倒木が散乱していました。次いで「木の宗山412.7m」の案内をみて左折して登ると尾根に乗りました。登山口から4分でした。
 この先は城趾らしい急峻な尾根登りの道となります。一本調子で登って行く道は木の根も張り出して険しく小径木に視界を遮られて展望もありません。登山口から26分ほどで一旦傾斜が緩みますが、それも束の間でまた急な道です。しかし良く踏み込まれた落ち葉の道が着実に山頂へと導いてくれます。
 登り始めて40分で道が緩み一息つくことができました。ここには「木の宗山(412.7m)・山頂まで約30分(上深川 三鬼会)」のプレートがありました。この先はしばらく急勾配から解放された尾根道を歩くことができます。町境石などを見ながら幅の広い快適な道を10分ほど歩くと「←小河原 上深川愛林会」のプレートがあり左から(小河原)登路が合流しました。合流点から覗いてみると下方にも「←小河原 上深川愛林会」のプレートがありました。この山は様々なボランティアの活動により維持されていることが分かります。
 この先も快適な道が続き2分で岩が現れました。両サイドの岩はあたかも門岩のようでもあります。ここは左に展望が得られて呉娑々宇山を正面に見ることができます。岩が多くなった道を穏やかに登ると郭跡と思われる台地(350m台)を通過します。門岩から8分ほどで軽く下ると分岐です。左手から福田の上氏の原(かみうじのはら)ルートが合流しました。ここには森づくり県民税で作ったとある「←木の宗山山頂・上深川駅方面→」の道標があります。 
 この分岐あたりから植林も見られるようになりました。道は再び急登となり倒木もあり荒れた感じです。植林帯も終わり自然林が目立つようになると足下の石も多くなり郭の石垣跡らしき石群も見られました。最後に鞍部(堀切跡)に下って犬走りのような道を巻いて登ったところが山頂です。登山口からは1時間20分ほどでした。

○山頂12:23〜登山口13:50
 山頂は二段の削平地で構成され最上段に三等三角点が置かれ、岩群が不規則に並んだ山頂は中世山城、木ノ宗山城本丸跡としての雰囲気が感じられます。また「木の宗山(412.7m)」と「木ノ宗山展望案内」の案内板がありますが、木ノ宗山城跡の説明板は破損し読めません。
 展望は素晴らしくほぼ360度の眺望が得られ福田地区から馬木地区の町並みを眼下にして、東方向には藤ヶ丸山、呉裟々宇山と続く山塊、南方向は広島市街地と広島湾、二ヶ城山が、西方向には武田山などの広島南アルプスと阿武山そして北方向には鬼ヶ城山、白木山、高鉢山などを望むことができます。
 下山は三田ヶ峠登山口を目指しますが、下山口から早速急な下りとなりロープが架けられています。登りの落ち葉の道とは異なり下山路は角ばった岩が露出し、急降下する道は大変滑りやすく登りに使うと大変な試練の道となるでしょう。ただ上空が開けて明るいのが救いです。前方に二ヶ城山を見ながら23分ほど下るとようやく道が緩みました。
 ここで道が右に分岐し、足下に「ここから急になります」と読める板が置かれていました。平成24年にあった「老人ホーム・中深川」と書かれたテープは今回は見当たりませんでした。一見、分岐からは比較的良い道が下っていますが、『広島市の山を歩く』には廃道化しているとあります。この地点から振り返る木ノ宗山は急峻です。
 穏やかになった道を下ると5分で銅鉾出土地分岐のある展望の広場に着きました。山頂からは30分ほどでした。ここには南側に福田の大平バス停からの道が合流してきます。広場には「←木の宗山山頂・広島県史跡 木の宗山 銅鐸銅剣出土地→」の標柱が立ち、ベンチも設置してあり休憩の適地です。展望は良く左に長者山から呉裟々宇山、高尾山にかけての山塊と下方に温品バイパスが直結した広島東ICを望むことができます。
 出土地を確認するため福田方向に下りました。道は大変な急勾配ですが下ること8分で烏帽子岩のある史跡に着きました。巨岩には「広島県史跡木宗山銅鐸銅剣出土地」と刻まれています。傍らの「広島県史跡木宗山銅鐸・銅剣出土地」の説明板には出土した重要文化財は銅鐸19.5cm、銅剣40cm、銅戈(どうか)29cmとあり、これらが一緒に出土した数少ない遺跡の一つだとありました。目の下に福田の町並みが見えていますが引き返します。登りも頑張って8分で広場に到着しました。
 展望の広場からは再び足場の悪い急坂を下りますが、傾斜が緩み良い道になると7分で次の広場に着きました。展望の広場ほどではありませんが高尾山から二ヶ城山方面を望むことができます。広場からの下山路は二分していますが右の良い道を下ると階段道となります。階段は新しいようで道脇にはサクラの植樹も見られました。10分ほどでベンチのある広場に出ましたが展望はありません。階段を下ると3分で登山口である三田ケ峠の舗装道路に出ました。ここには「木の宗山山頂約1km」 の道標と古びた「木の宗山ハイキングコース案内」の絵図があり、向かい側には「木ノ宗山憩の森」の木柱があります。

○登山口13:52〜大平バス停14:12
 三田ケ峠の道路を右折すればJR中深川駅に向かいますが老人ホームそして高陽中学校を過ぎて駅まではおおよそ35分ほど要します。今回は峠から左折して福田の大平バス停に向かいました。木の宗山の裾を巻く形で集落の中を下ると20分ほどで広島バス大平バス停に着きました。
                                               広島里山紀行記


 


  

   

   
  9:30 JR上深川駅をスタートします   新鳥越橋を渡り左折します 

   

   
  養老橋を渡ります   9:49 養老橋を渡ると案内がありました 

   

   
  登山口広場の前辺りは土砂災害の影響が   10:00 広場から登山口の竹林に 

   

   
  10:01 案内表示に従い右折します   土石と倒木が散乱していました





   

      
  尾根に取り付きます      尾根道は木の根も張り出した大変な急登 

      




   
     ほとんど一本調子の道が続きます   つかの間、急登から解放されますが   

      





   
     展望の無い急な登りは終わりません  10:40 ようやく穏やかになると山頂まで30分表示が 

   

   
  1052 小河原方面からの道が合流です    10:54 城門のような岩が現れました

   

   
  岩からは正面に呉娑々宇山を   郭跡を思わす台地を通過

   

   
  11:08 左手から上氏の原ルートが合流    合流点には道標があります 
 




 
  

      
  分岐を過ぎると植林も見られるようになりました      足下には石も多くなり 





   

      
  郭の石垣跡らしき石群も見られました      郭跡の穏やかな道です

      





   
     堀切跡に急な道を下ります        犬走りのような道を巻いて登ると山頂です 


  

   

   
  11:21 二段になった山頂に到着です   三等三角点が置かれています

          
        東から南に呉裟々宇山、高尾山と続く山塊と広島市街地と広島湾、二ヶ城山など

 
  
 
 
    大岩群が不規則に並ぶ山頂は木ノ宗山城跡としての雰囲気が感じられます

    
 
           西方向には武田山などの広島南アルプスと阿武山 

          
 
            北方向には鬼ヶ城山、白木山、高鉢山などを望みます


            
 
  

   

   
  12:23 三田ケ峠に向けて下山です   下山口にはロープが架かっていました 





   

      
  岩が露出し滑りやすい急降下の道を       前方に二ヶ城山を見ながら 

   

   
  12:45 分岐。左の老人ホームルートは既に廃道?  

      
     東から南に長者山、藤ヶ丸山、呉裟々宇山と続く山塊、そして広島東ICや広島市街地と広島湾を  

   

   
  12:51 展望の広場に降りました   広場は史跡への下山口です 

   

   
  急峻な山頂部が見えています   三本木山、藤ヶ丸山、呉裟々宇山なども

   

   
  12:53 史跡見学のため下ります   13:01 史跡に到着。そのまま下れば大平バス停へ 

   

   
  銅鐸出土地の巨岩。 広場へ引き返します    13:29 広場から三田ケ峠へ

   

   
  悪路の下りです   13:36 次の広場に出ました  





   

      
  広場の右手から下ります。 左は急です      広場からは整備された遊歩道を 

   

   
  13:47 ベンチのある広場、展望はありません   車道が見えてきました 

   

   
  13:50 登山口に下山です。左折してバス停へ   福田地区からの山頂 

   
 
  大平バス停から乗車です  
   
   

 
     
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