山 名 | 傘山 |
標 高 | 649.9m |
場 所 | 大竹市 |
登 頂 | 2020.10.21 |
アクセス | ○JR玖波駅(タクシー利用)→県道42号→谷和林道→東登山口 ○ こいこいバス松ヶ原農協バス停→JR玖波駅 |
コース | ○登り:東登山口9:56→岩舞台10:51→反射板11:18→11:21天狗の踊場11:25→11:38山頂11:41 ○降り:山頂12:42→展望岩13:08→登山口14:30 |
メンバー | 美12名 |
過去記録 | H25.3.26 |
傘山(649.9m)は広島県大竹市にあり東峰(三等三角点)と西峰の二つのピークからなります。JR玖波駅から交通機関の利用もでき駅から近距離にありながら静かな山歩きを楽しむことができます。
登山口は南側に谷和林道沿いに東登山口と西登山口その中間点に谷コース登山口、北側には松ヶ原登山口があります。
南側の尾根の道は意外な急登で山頂までには数回のアップダウンが続きますが、途中には傘山八景と呼ばれる一息岩、岩舞台、桃割石、天狗の踊場などの展望の開ける箇所もあり疲れを癒してくれます。
三角点の山頂(東峰)は樹木に遮られ東側に少し展望がある程度です。これに対して西峰の極楽岩(傘山八景)からは北側に展望が得られ、三倉岳、河平連山を眼の前にして羅漢山、吉和冠山、大峯山から山口県、島根県の山など中国山地の山々が連なります。北側の尾根道は一個所新しい送電鉄柱が見られるものの、総じて自然林が良く保たれ静かな山歩きが楽しめます。
今回は南側の東登山口から登って北側の松ヶ原登山口に下山しました。明るくバラエティーに富む南尾根に対して北尾根は自然な雰囲気が残され、一山で二つの異なった山歩きを楽しむことができました。
○東登山口9:56〜岩舞台10:51
行者山から縦走することも可能ですが、今回はJR玖波駅
から谷和林道の東登山口まではタクシーを利用しました。駅から県道42号線を北上し「←和谷」の表示で左折し林道に入ることになります。
東登山口は行者山、錦竜公園からの登山路の出口のすぐ先で、林道の擁壁に「傘山登山口」と書かれた案内標識があり階段が上っています。階段には柵などありませんので注意して登ります。
良い道を4分ほど登ると52番鉄塔に出ました。岩も見られるようになった登路を鉄塔から15分で傘山八景の一つ「一息岩」です。岩からは目の前に宮島や行者山が姿を見せています。
一息岩から5分で次の鉄塔脇を通過しさらに2分で初めて「←傘山頂上・東登山口→」の導標がありました。ここは鉄塔管理道と思われる道が交差しています。
歩きやすい道が終わると再び岩の道で導標から5分で花見岩です。時期にはどんな花が観られるのでしょうか。
2分で亀頭岩です。以前は黒く目が描かれていましたが今はその跡形もありません。さらに2分で長い岩尾根が始まります。登ること6分で左に展望が得られると小方行者山、大鉢山などが望めまました。
展望地から1分で一本松に「岩廊下」のプレートが架かっていました。プレートからすぐ岩廊下が終わりますがより高い位置から宮島を眺めることができました。
宮島を眺め一旦降って登り返すと526mピークです。ピークから東に振れて急坂を降ります。明るい雑木林を登り返すと岩廊下頂部から20分ほどで「岩舞台」に到着しました。
岩舞台からの眺めは素晴らしく正面に県道42号線を俯瞰し経小屋山や宮島、玖波行者山から大竹の工業団地、右手には大鉢山から忠四郎、高鉢山方面に連なる山並みが広がっています。
○岩舞台10:59
〜山頂11:38
岩舞台からは山頂と中国電力の傘山反射板が見えています。4分ほどで「桃割岩」ですがここも岩舞台同様の展望が得られました。桃割岩から7分、軽く下った鞍部にひときは目を引く株立ちの大木があり「御主樫」とプレートの架かっていました。
御主樫から雑木林の中を登っていくと8分ほどで反射板のある590m台のピークに着きました。
反射板からは山頂が大きく見えています。反射板のフェンスを廻って降り登り返すと3分ほどで右手に「天狗の踊場」です。
天狗の踊場はコースで三番目の展望地で目の眩むような岩の端に立てば松ヶ原集落を俯瞰し傘山が目の前です。馴染みの勝成山、大峯山、大野権現山の他に遠くは広島湾の方まで見通せます。
天狗の踊場から降ると常緑樹の薄暗い鞍部です。鞍部からは落ち葉の堆積した滑りやすい急な登りになり5、6分ほどで「鬼舌岩」と書かれた最後の岩場が現れました。振り返ると反射板が目と鼻の先です。鬼舌岩からは5分ほどで傘山の山頂(東峰)に着きました。
○山頂11:41〜松ヶ原登山口14:30
山頂(東峰)は三等三角点が置かれ大竹山の会の「傘山山頂」の標識が立っていました。北側には帰路に利用する松ケ原登山口への道が降っています。山頂はさほどのスペースもなく視界も東側に少し開ける程度です。三角点確認程度で眺望のよい西峰に向いますが軽く降って登り返すと3分で西峰です。
西峰は「極楽岩」と書かれた岩場で北方向には眼前に瓦小屋山、三倉岳、河平連山、遠景には羅漢山、吉和冠山、大峯山などそして山口県、島根県の山々と中国山地の山並みが連なります。西峰のすぐ先の防災無線中継局に寄ればさらに山口県の黒滝山、白滝山などが望めます。
下山は松ヶ原登山口として東峰山頂に戻ります。
下山口から早速急な降りとなりました。この先は北尾根を忠実にたどることになります。
南尾根のようなオーバーユーズ気味な道とは異なり小径木の中、落ち葉を踏んで快適に降ります。
山頂から9分ほどで送電鉄柱に出会いました。最近設置されたものらしく辺りが切り開かれ異質な空間となっています。この先は再び雑木林の中の急な道を降ります。鉄柱から12分で松ヶ原財産区の石柱がありました。
石柱から2分ほどで初めて視界が得られ経小屋山が見えています。さらに3分で展望の岩が現れました。花崗岩の岩は風化した砂粒で覆われ少し危険ですが、河平連山や大野権現山を一望できます。展望の岩を巻いて降るとここも展望地でした。
この先、道は急な降りで深いウラジロに覆われるようになりました。疎林の中の道は細かくアップダウンを繰り返し降っていきます。
展望の岩から15分ほどで展望の得られる砂礫の小ピークに降りました。ここは登り時には休憩適地となりそうです。この地点からは道はますます急でウラジロは一層深くなり足下も定かではありません。加えて倒木も行く手を妨げます。
太陽光パネルの施設が立木の間から見えるようになると初めて補助ロープが架かっていました。ロープから2分で林道奥谷尻線の松ヶ原登山口に降りましたが、降り一本調子の北尾根は登りに使用すると相当厳しいものと思われました。
登山口には「←傘山・松ヶ原登山口」の標識と「大の町有林」と刻まれた石柱がたっています。林道を右手(松ヶ原方面)に5分ほど下ると分岐で左手に河平連山への登山口があります。
河平連山登山口を通過し県道42号線の農協跡に出ると向かいが松ヶ原農協バス停で「河平連山・登山道入口」の案内板があります。
しばらく待って「こいこいバス」に乗車することができました。
広島里山紀行記