山    名   大野権現山・おむすび岩 
標  高 699.5m 
場  所 広島県廿日市市大野町 
登  頂 2020.11.18 
アクセス ○JR宮内串戸駅9:15→宮内串戸駅前バス停9:25→佐伯工業団地入口バス停9:46
○バス上峠バス停→宮内串戸駅前バス停→JR宮内串戸駅  
コース ○佐伯工業団地入口バス停9:46→10:15登山口10:22→鞍部10:48→山頂三角点11:46
○山頂12:07→ベニマンサク湖分岐12:36→佐伯町分岐12:42→船倉分岐13:09→おむすび岩13:11
○おむすび岩14:14→分岐14:18→十字路鞍部14:40→下山口14:58→上峠バス停15:24  
メンバー 美9名 
過去記録 R1.11.6  H27.11.11  H25.11.12 

 

                     【概 要】
 大野権現山(699.5m)は廿日市市の大野と峠との境界にある廿日市市20名山の一つで、大野権現山から烏帽子山、船倉山へと東西に伸びる長い縦走路の西端に位置します。
 権現山の山名は諸神は仏(阿弥陀)の仮の姿(権現)でそれを祀るために山中に社が置かれたことに由来するとされています。大野権現山もそうした信仰の山で各地に存在する権現山と区別するため谷和権現山、日裏権現山、緑井権現山などと同様に大野の名を冠して区別したものでしょう。
 大野権現山の山頂からは北方向に大峯山や野貝原山などが展望できます。また一段下の露岩「展望台」からは広島市街そして野貝原山や船倉山山系、経小屋山などの山並みと宮島や能美島など瀬戸内の島々が広がる素晴らしい眺望が得られます。
 おむすび岩(685.1m)は眼下にベニマンサク湖、東方向には烏帽子岩山から船倉山に続く山並み、南方向には宮島から瀬戸内海の島々さらに西側には経小屋山から三倉岳などと大野権現山を優る展望が広がります。
 登山コースは山の南側と北側とからの二つに大別でき、一般的には道標などが整った南側のおおの自然観察センターから登られています。
 今回はマイナーな北側の佐伯工業団地(下峠ルート)から登って大野権現山から縦走路を東進し667峰直下のおむすび岩へ至り北側の上峠(上峠ルート)に下山するコースをとりました。
 北側ルートは急傾斜で軽い岩場もあるなど多少ワイルドな趣があり、また下山ルートは倒木が散在する湿潤した道を降ります。両ルートは階段などの人工物もなく自然な雰囲気を楽しめました。

○佐伯工業団地入口バス停9:46〜下峠ルート登山口10:15
 佐伯町の佐伯工業団地入口バス停で下車し左折して佐伯工業団地の方に進みます。
 左前方に権現山とおむすび岩、船倉山へと繋がる尾根、右側後方に大峯山を見て登山口に向かいます。
 バス停から5分ほどで「佐伯工業団地」の立派な碑を見送って工業団地内の道を真っ直ぐ進みます。青光園団地に入ると団地案内図があるの現在地と権現山登山口を確認しておきましょう。
 バス停から30分足らずで青光園団地の最深部に到着しました。ここが下峠ルート登山口ですが特に案内表示類はありません。右に2棟のブッロク積みの建造物がありその奥に山道が延びています。この地点の標高は約340mです。

○登山口10:22〜山頂11:46
 おおの自然観察の森開園(平成元年)まではメインルートだったと云う登山路も登山口からすぐ小沢の中を歩くような悪路となっています。
 薄暗い植林地の中を10分ほどで小沢は左に去ります。前回あった腐朽した丸太橋はすでに見当たりませんでした。歩きやすくなった道を進むと約25分ほどで峠に到着しました。この地点の標高は約440mと思われます。
 からは左(東方向)に取り付きます。とくに案内表示類はありませんが赤い杭がありよく見ればリョウブの幹に古びたテープが巻かれリボンも下がっています。
 峠からは小径木の林の中、急登が始まります。10分ほどで岩が点在するジグザグ道となって高度を上げていきます。途中で北側が少し望めたものの展望の無い道が続きます。
 峠から27分余りで最初の補助ロープの架かる岩ですが特に危険ではありません。
  この先も大岩を巻いたり岩と岩の間を抜けたりまた岩を乗り越えたりの道で最初のロープから12分で第二のロープです。紅葉の見られる穏やかな道になったと思うと次いで16分で第三のロープです。
 ロープのすぐ先の両側に立つ岩の間を抜けると山頂に到着ました。

○山頂12:07〜おむすび岩13:11
 山頂には抜け出た岩を背に半ば倒壊しそうな小さな権現祠がありました。果たして神はおはしますか。
 正面には「権現山」の標柱が立ちその側に埋もれるようにして三等三角点が置かれています。三角点前から右手には自然観察の森やおむすび岩方面への登山路が下っています。 祠前を進むと巨岩で囲まれた山頂に出ました。
 山頂の北側は露岩の急崖で北から東に大峯山や野貝原山、東から南に広島市街や宮島方面が展望できます。また直下の展望台と呼ばれる大岩からは広島市街そして野貝原山や船倉山、経小屋山などの山並み、そしてその先には宮島や能美島など瀬戸内の島々が広がる眺望が得られました。
 展望を楽しんだ後は三角点の所から次の目的地のおむすび岩に向かいます。
 下山口から早速急な下りとなりますが遊歩道として整備されているため道は格段に良くなります。15分ほど下ると左手に登る道が分岐していますが、ここは右の巻き道に降ります。穏やかに降る道は華やかなシロモジの黄葉を楽しむことができるはずでしたが既に落ち葉が敷き詰められていました。
 山頂から30分ほどで自然観察の森ルートの分岐に降りました。「←権現0.8km」、「←ベニマンサク湖1.1km」、「おむすび岩1.0km→」の道標が立っています。
 この先も穏やかな落ち葉の道が続きベニマンサク湖分岐から6分ほどで佐伯町分岐の鞍部に達しました。ここには「←権現山1.4kM」と「←佐伯町」の道標があり左に佐伯工業団地入口バス停への道が分岐します。
 この分岐から先は最後の難関と云えるステップの高い階段です。10分ほど耐えると地籍図根三角点のある小ピークに達しました。
 図根三角点から6分余りで「←権現1.8km・おむすび岩0.4km→」の道標を見送ります。
軽くアップダウンを繰り返し8分ほどで「烏帽子岩山・船倉山→」のプレートがあり今回の下山路が左に下っています。
 分岐先の667ピーク(展望は無くなりました)を越えておむすび岩へ向かいます。展望が得られ右手に大野権現山を指呼の間に望むことができます。分岐から2分でおむすび岩に到着しました。

○おむすび岩14:14〜上峠ルート登山口14:58
 到着したところは小広場で「おむすび岩」の案内板が立っています。木柵の外側の巨大な露岩には今にも転落しそうなおむすび型の岩が乗っかっています。
 露岩は展望地で北側は樹木に遮られるものの眼下にはベニマンサク湖、東方向には烏帽子岩山から船倉山に続く山並みと広島湾、そして南方向には宮島や能美島などの瀬戸内海の島々、さらに西側には経小屋山から三倉岳などが広がります。
 下山は上峠ルートとします。道脇に置かれた「←権現山2.2km」のプレートを見ておむすび岩を出発し「烏帽子岩山・船倉山→」の分岐点まで戻ります。
 下山路の分岐からはすぐ急な降りですが補助ロープなどはありませんでした。しばらくすると傾斜も緩み辺り一面の落ち葉を踏んでの道となり一息つけます。
 分岐から10分あまりで大岩が現れ裾を巻いて転がるように降ります。大岩は下山路で唯一展望地で正面にのうが高原、右に船倉山へつながる山並みを見ることができます。
 大岩からも急坂は続きますが10分で鞍部に着きました。
 鞍部は十字路の分岐で来た方向には「おむすび岩」、直進する急登は「烏帽子岩山、船倉山」、右に下る道は「自然観察センター」、左に下る道が「佐伯、上峠」と案内されています。
 上峠ルートは左に降ります。5分ほどで沢の源流部に入りますがこの先は湿潤した滑りやすい悪路となります。ただ急降下の道からは開放され次第に傾斜も緩んできます。
 小沢渡りを数度繰り返し苔生した岩や散乱する倒木を越えての道を降ると分岐から13分で砂防堤があります。
 砂防堤を見送ると突然前方が開けて伐採地跡の広い荒れ地が現れ、抜けると水道タンク(南部簡易水道上峠第一配水池)の脇に出ました。この上峠ルート登山口にも案内は見当たりませんでした。この地点は標高400mほどです。
 登山口からはミニ団地の中を上峠バス停まで20分ほど歩きます。 
                       広島里山紀行 記



 
 

               


  

   

   
  9:46 佐伯工業団地入口バス停で下車   左前方に目的の権現山をみながら 

       





   
     登山口近くで出迎えてくれた大イチョウ   10:22 登山口をスタート、案内はありません 

      

      
     しばらくは倒木、湿潤の道が続きます      小沢が左に去ると悪路から開放され 





   

      
  10:48 鞍部から取り付きます。古びたテープが       早速、直登、急登の始まりです 





   

       
  10分ほどで岩が見られようになりました      11:15 簡単なロープが現れました 





   

      
   ジグザグ道で高度を上げていきます       束の間、緩んで黄葉を楽しみ 





   

      
  11:27 二番目のロープで岩を越えて       11:432 三番目のロープです 

 
 

   

   
  11:46 山頂の三角点前に出ました   11:46 三角点からすぐで山頂の大岩に到着

   
  三角点には倒壊しそうな権現の祠が立っています。 神はおはしますか 
   

    
   急崖の露岩からは北から東に大峯山や野貝原山が展望できます 

        
 

  
        
  直下の大岩(展望台)からは船倉山、経小屋山などの山並みそして宮島や能美島など瀬戸内の島々が広がます 
                                  (パノラマは2019.11当時)





   

      
  12:07 山頂12:07       溶岩が裂け目を登ってきた痕跡の岩とか 

      





   
     遊歩道とは云え急な降りの道を   12:23 左に道が登りますがここは右に降ります

   

   
  シロモジの黄葉が美しい巻き道も既に落葉でした   12:36 右にベニマンサク湖への道が分岐します

      





   
     しばらくは心地よい道が続いて    12:42 左に佐伯町への道が分岐

      





   
     12:52 次なる試練の階段が   12:55 図根三角点を通過です

      




 
   
     しばらくアップダウンを繰り返します   13:09 下山路となる船倉山への道が左に分岐

   
 
  展望が得られると権現山が顔を覗かせました  


 

   
  13:11 おむすび岩に到着。 眼下にベニマンサク湖、東には船倉山、広島湾、南には宮島などの瀬戸内海の島々を
                           (パノラマは2019.11当時)
  
   

   
  14:14 おむすび岩を出発です   14:18 分岐から船倉山への縦走をたどります

   

   
  急な降りの道が一息つきますが   すぐ急坂へ。展望岩の脇を転がるようにして

   

   
  展望岩からは正面に野貝原山が   次の鞍部までは急坂の連続です

   

   
  13:45 十字路鞍部を上峠へ向けて下山   谷筋へ降ります 

      
     鞍部には案内プレトがあります。 直進は烏帽子岩山、船倉山、右は自然観察センターへ

   

   
  こちらも湿潤、泥濘の悪路です   倒木も多く見られます

   

   
  開けて明るい伐採跡に出ました   14:10 簡易水道タンクの所に下山です

   

   
  集落の中をバス停に向かいます   14:30 上峠バス停に到着しました
   
   
   
   

 
 
        
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