山 名 | 大茶臼山 丸山 |
標 高 | 413.2m 457.6m |
場 所 | 広島市西区・安佐南区 |
登 頂 | 2020.1.29 |
アクセス | ○往路:JR西広島駅→ボンバス西広島駅→己斐峠 ○復路:広島交通春日野下バス停→広電十日市バス停 |
コース | 己斐峠コース→大塚峠コース ○己斐峠登山口9:20→10:04展望岩10:16→大茶臼山10:25 ○大茶臼山10:25→丸山登山口10:43→丸山11:22 ○丸山11:23→11:38丸山小ピーク12:26→大塚峠12:43→大塚谷登山口13:35 |
メンバー | 美14名 |
過去記録 | H30.5.9 H28.12.7 H28.2.10 H26.5.6 H25.2.28 |
【概 要】
広島市西区の大茶臼山(413m)と安佐南区の丸山(457.6m)は鈴ヶ峰や武田山などと共に広島南アルプスを構成する里山です。
大茶臼山は四等三角点が置かれ多くの鉄塔が立ち市内からも目立つ山で、直下の展望岩は中世立石城趾の門の遺構とされます。山頂は展望がありませんが展望岩からの眺望はすばらしく眼下に市街地が広がり呉娑々宇山、絵下山、経小屋、極楽寺山、窓ヶ山と近郊の山並みと江田島、宮島など瀬戸内海の島々が箱庭の風景のように広がっています。
丸山は二等三角点が置かれています。広島湾方向に開けていますが樹木に遮られ眺望は余り良くありません。このため南アルプスの縦走路の中に位置しながら普段は一通過点の扱いの山です。ただ少し下った小ピークは展望も良く南方向に宗箇山や広島市街地、瀬戸内海が広がり、北方向には火山を始め観音山、石山などを望むことができます。
里山の常として多くの登山ルートがあるため多様なコース設定が可能ですが、今回は己斐峠から大茶臼山に上り丸山を経て春日野団地に下るコースをとりました。今回コースは大茶臼山展望岩からの展望と共に大塚谷コースの三面石組堰堤が見所の一つです。
○己斐峠9:20〜展望岩10:04
JR西広島駅からボンバスで己斐峠バス停
に向かいます。西区己斐上と佐伯区五月が丘を結ぶ県道伴広島線は改修されバイパスが開通してバス停も新道に移動していました。
バス停からバイパスの高い擁壁に沿って金属製の階段
がジグザグに上り取り付きには「大茶臼山登山口」のプレートが掛かっていました。
なお少し進んだ峠の頂点にも道路工事に伴う暫定登山口
があります。覗いてみましたがこちらもまだ利用可能のようでした。
下りには利用したくないような階段は登るのに5分ほどかかりました。登り切って振り返ると眼下に国泰寺、その先には市街地から宮島方面の展望が開けています。
すぐ穏やかな尾根道に変わり作業小屋跡を見て5分ほど登って行くと新しい分岐に出ました。分岐は暫定登山口からの合流点で案内図には「ふれあい聖地霊園」を経て県道に出ると画かれていました。「ふれあい聖地霊園」の向かいが柚木城山への登山口となります。
この先はマサ土の露出した急坂ですが豪雨災害による深くえぐれた個所も見られます。
尾根から下ると鞍部で広電己斐団地ルート
が合流します。合流点には「西区やまなみハイキングルート」や「←大茶臼山・己斐峠→」、「広電団地己斐峠→」そして己斐団地ルート方向には「滝観音」の案内があります。
鞍部からすぐコンクリートで固めた石畳が始まり、ロープの架かる人一人りがやっと通れる大岩の間の急な道をすり抜けると展望岩に着きました。
○展望岩10:16〜大茶臼山10:25
説明板では展望岩は中世の山城、立石城跡(小茶臼山の己斐城の控えの城)とされていますが電波施設があり遺構は見られません。
数段に重なるテーブル状の展望岩
からは市街地の先に江田島、宮島などの瀬戸内海の島々が箱庭のように展開し、呉娑々宇山、絵下山、経小屋山、極楽寺山、窓ヶ山と山並みが連なっています。
展望を楽しんだ後は山頂に向かいます。NHKテレビ中継局の石垣を巻くと五月が丘団地からのルートが合流し、その先のガードレールの切れ目から管理道に出ました。ここには「西区山並みハイキングルート、ガードレール越え」の案内板があります。
管理道を下りNTT無線中継所の金網の右を巻いた先が大茶臼山の山頂です。展望岩からは5分でした。
山頂は「大茶臼山山頂413.0m」と「←己斐峠・畑峠→」の道標が立っています。四等三角点は中継所建物の脇に隠れるように置かれ展望もないので先を急ぎます。
○大茶臼山10:25〜丸山11:23
大茶臼山から次の目的地の丸山に向かいます。電波塔や施設を次々と見送り進んでいると樹林の切れ間から左前方に丸山を見ることができました。
視界は余りありませんが明るい広葉樹の尾根道が終わり急な道を下ると舗装路が見えて畑峠に出ました。
畑峠
には「畑峠」と「大茶臼山↑」、「宗箇山・丸山入口→」などと書かれた導標があります。峠は中国自然歩道矢口・極楽寺ルートですが車道でもあり注意が必要です。位置的には広島高速4号線の西風トンネルの上になります。
導標に従って左方向に1分進んだガードレールの切れ目、カーブミラーのところが丸山登山口になり「畑峠」と「三滝山、丸山入口」「三滝山丸山→」の表示があります。
丸山登山口から7分で送電鉄塔
の下に着きました。東が開けて祇園の街並みが広がります。
送電鉄塔からすぐ分岐
で「↑宗箇山・←丸山・大茶臼山→」の案内があり右に宗箇山(三滝山)への道が下っています。
この先はしばらくは丸山へ向けての穏やかな道ですが、やがて登り坂になり上空が明るくなると丸山が間近です。山頂手前で登山路は巻き道と二分しますが左を登ると丸山山頂です。
○丸山11:23〜大塚峠12:39
丸山は二等三角点が置かれ広島湾方向に開けていますが、成長した樹木に邪魔されて展望はあまり期待できません。以前山頂を占拠していたJR無線反射板は撤去されましたが相変わらず有刺鉄線で囲まれています。このため多人数の休憩には不向きで縦走路の一通過点となっています。
丸山を下るとすぐ巻き道と合流します。左に西風新都や向山、右に祇園市街から広島湾と展開する景観を垣間見みながら下ると山頂から5分で右から「やん谷道コース」が合流します。
大休憩のために「やん谷道コース」方面に寄り道しました。一旦下って登り返すと山頂から15分で小ピーク
に着きました。
小ピークは腰を下ろすのに適当な岩が点在しています。展望も良く南方向に宗箇山や広島市街地、瀬戸内海が広がり、北方向には火山を始め観音山、石山などが望めます。
下山は再び縦走路に戻って火山方向に下ります。急な坂道を下ると6分で右に「←上観音・湯つぼ跡」の表示がありました。
○大塚峠12:42〜春日野下バス停
湯つぼ跡分岐からさらに1分下ると大塚峠です。峠には「大塚峠」と「←春日野下バス停1147m」の道標があり、右(東側)に大塚谷コースが分岐しています。左(西側)は広島市立大学へのコース(市立大学谷コース)です。
分岐からジグザグの急勾配の下りに入ります。5分ほど下ると巨岩が現れ「三谷の滴
」のプレートがあるので覗いてみました。三谷川の源流でしょうか僅かな滴りが見られます。
「三谷の滴」分岐からすぐ分岐で「下の道→」の谷側には補助ロープが下がっています。「←上の道」の道を進むと6分先で再び上下の道が合流しました。
合流点には「←下の道」と「上の道<登り楽>→」、「←石組み堰堤群と三面石組護岸」、「炭窯跡100M→」の道標があります。登り時は上の道を利用する方が楽なようです。
石組堰堤
に寄り道しましたが突如現れた光景には驚かされました。石組みの堰堤は美しい曲線を描き谷川の三面も石組されています。無数の石材を人力で築き上げた熱意には敬服しました。(堰堤は大正15年と昭和3年の大水害の後に10年の歳月をかけて築かれながらその後忘れ去られ平成20年に登山道整備中に偶然「再発見」されたのです。高さは最大で3m、幅22m、長さ120mと云います「広島市の森づくり情報」)。
上下道の分岐に戻り10分ほど下ると道は広く穏やかとなり上空も開けてきました。この道も終わり急な坂を下ると道標の立つ分岐に出ました。分岐は下る方向に「←大塚谷登山口」、降りた方向は「大塚峠→」そして谷川沿いは「←三谷川上流」となっています。
分岐からは三谷川に沿って広く穏やかな道を下ります。コンクリート堰堤を三つほど見送り耕作地を過ぎると武田山林道
の始点の所に出ました。
ここが大塚谷登山道の入口で「三谷川源流 三面石組堰堤入口」の標柱が立っています。また「大塚谷登山口」の道標があり「大塚峠1147m」、「武田山林道・己斐、沼田」、「春日野下」(バス停)」などのプレートもありました。林道を南進すれば「やん谷道登山口」です。
登山口から春日野団地西端の用水路沿いに5分ほど下ると広島交通の春日野下バス停
です。大塚谷コースは導標がよく整備されて迷う個所はありませんでした。
広島里山紀行記