山 名  駒ヶ林(宮島) 
標 高 509m 
場 所 廿日市市宮島町 
登 頂 2020.6.3 
アクセス 広電宮島口駅(JR宮島口駅)→宮島口桟橋→フェリー→宮島桟橋 
コース ○上り:大元コース
大元神社9:06→大元コース登山口9:22→鞍部(大元コースした下山口)11:09→山頂11:23 
○下り:大聖院コース
山頂12:17→12:28鞍部(大聖院コース下山口)12:32→大聖院コース登山口13:43
メンバー 美11名 
過去記録 H31.1.9 H29.1.11 H28.2.3 H26.1.16 H25.6.6

 

                     【概 要】
 宮島は島の大半が国有林で被われ文化財保護法や自然公園法などで規制されているため、宮島観光協会が弥山や駒ヶ林への登山コースとして紹介しているのは大聖院コース、紅葉谷コース、大元コースの3コ−スとなっています。その他にも四宮ルート、多宝塔ルートなどがありますが現在は入山禁止となっています。
 駒ヶ林は宮島の山々を構成する一山で弥山の北西部に位置し、標高は509mで山頂は巨大な花崗岩の平らな露岩で説明板によれば南北35m東西10mとなっています。また西側は斜度85°で高さは50m、長さは450mの一枚岩の断崖絶壁です。
  天然のテラスに立てば北方向が駒ヶ林自体の樹林に邪魔されるものの場所を変えればほほ360°の景観が得られます。東正面は弥山で呉方面は弥山の影に隠れています。南方向には小黒神島と大黒神島、周防大島は目前の502mピークで一部が遮られます。西方向に岩船岳とその奥に大竹方面、そして北方向は対岸の廿日市市から広島市街地方面が望めます。
 今回は大元コースで登り大聖院コースで下山しました。大聖院コースは平成17(2005)年9月の台風14号による土砂災害によって参道が流失したため、各コース中で最も整備されていると云えますがその分階段が多くなります。

○大元公園9:04〜富士岩9:48
 新装なった宮島口桟橋から乗船して降りた宮島桟橋前の広場はコロナ禍の影響が大きく観光客の姿も無く閑散としていました。外国人で賑わった商店街も人影は無くシャッターを降ろした店が目につきました。ただ通風に配慮してか天幕の閉じられた商店街から普段は見られない五重塔が眺められたのは新鮮な光景でした。
 満潮時でしたが青い海に映えるはずの朱の大鳥居も作業ネットで覆われて異様な風景です。いつもと変わらない厳島神社を見て今回の登山口となる大元公園に向かいます。
 公園入口にある昭和6年とある「特別史跡及名勝 厳島」の石柱を過ぎて大元公園に入ります。たむろす鹿達を横目に大元神社(国指定重要文化財:厳島神社ができる前からの古社)の前をまっすぐ進むと4分ほどで厳島合戦の供養碑「血仏」がありました。橋を渡り血仏から12分で「瀬戸内海国立公園(宮島)」の案内板と「弥山道」と彫られた石柱があります。一応ここを大元コース登山口の起点とします。
 大元コース登山口から2分で橋を渡り4分で右手に不動明、大師像、聖観音3仏像がありました。橋から5分で石段が現れましたがこのコースは参道であり以降多くの石段が続きます。
 登山口から11分で初めて4町石(”丁石”ではありませんでした)が現れました(3町石までは別ルートにあるようです)。
 落ち葉を敷き詰めた参道の石段を緩やかに高度をあげていきますが、辺りには大元岩海と云われる無数の巨岩群が現れてきました。4町石から9分で6町石で傍らに昭和4年の「天然記念物 弥山原生林」に石柱が立っています。碑から2分で「←弥山2.6km・大元公園0.8km→」の導標がありました。その後も導標はありますが距離表示は見られませんでした。

○富士岩9:48〜駒ヶ林鞍部11:07
 7町石から石段を上ると三角形をした富士岩です。富士岩を越えると大岩が目立つようになりました。8町石を過ぎて鯉の親子岩とも名付けられた岩の間を抜ける辺りから石段の傾斜も一段と急になっていきます。富士岩から30分余りでごくごく短い水平道になりましたので見下ろすと随分な急登であることが分かります。
 樹林の中、再び急な石段道をの登り富士岩から35分ほどで14町石があり岩陰に水子地蔵が置かれていました。この辺りがコース中で最も厳しい登りが続きます。
 苔むす岩が見られる石段道を石仏から13分で大師堂に着きました。大師堂前の大岩には風穴があり冷風が吹き出る天然クーラで一息つきます。
 大師堂から石段を登った所の左が駒ヶ林の断崖です。木々に邪魔されて全貌は分かりませんが少し登って振り返るとほぼ垂直の崖を見ることができます。ちょうど岩肌に貼り付けたような数株のセッコクの白い花を見ることができました。
 大師堂から17分ほど登ると右手に弘法大師由来の岩屋大師への階段が下っています。下ると岩屋大師の入口が口を開けています。腰を屈めて薄暗い洞窟のような岩屋に入ってみると大師像など数体の石仏が祀られていました。
 岩屋大師から3分で前方が明るくなると駒ヶ林と三剱山(焼山)との鞍部に出てようやく登り道から開放されました。

○駒ヶ林鞍部11:09〜駒ケ林11:23
 鞍部は文部省の「天然記念物指定地域境界標第四号」の石柱や「←弥山、駒ヶ林・大元公園→」の道標が立ち右手から三剱山(焼山)のルートが合流しています。鞍部からは駒ヶ林を巻く形でしばらく水平道を歩きその後に登山口まで下ることになります。
 19町石を過ぎると鞍部から4分で岩屋(三剱窟)で三仏像が置かれています。途中二十町石を過ぎると展望が得られ遙かに岩船岳を望むことができました。
 石仏から4分で「←弥山・大元公園、岩屋大師→」と「↓駒ヶ林」の道標が立つ駒ヶ林登山口の三叉路です。石段を登るとすぐ『駒ヶ林「頂上行き止まり」』の導標がありました。急な石段を上ると「駒ヶ林」についての説明板があり5分で山頂です。

○駒ケ林12:17〜大聖院コース下山口12:28 
 駒ヶ林の頂は南北35m、東西10mとされる巨大な花崗岩の露岩で西側は斜度85°、高さ50m、長さ450mの一枚岩の断崖絶壁です。
 東正面は弥山で呉方面は弥山の影に隠れています。南方向には小黒神島と大黒神島、周防大島は目前の502mピークで一部が遮られます。西方向に岩船岳とその奥に大竹方面、そして北方向は駒ヶ林自体の樹林に邪魔されるものの対岸の廿日市市から広島市街地方面が望めます。厳島合戦の古戦場跡とされ山頂には「龍ヶ馬場(駒ヶ林)」の説明板が置かれていました。
 下山は多宝塔コースが立入禁止となっているため大聖院コースとし、弥山と駒ヶ林との鞍部にみえている仁王門まで下ります。
 5分ほどで駒ヶ林の登山口まで降り左手の弥山方向に進みます。登山口から6分で大聖院コースの下山口となる仁王門下の十字路分岐に着きました。

○大聖院コース下山口12:32〜里見茶屋展望台13:12
 十字路分岐には「←弥山展望台(0.6km)・駒ヶ林、大元公園(2.8km)→」と「←奥の院・大聖院(1.9km)→」の導標そして「瀬戸内海国立公園(宮島)」の案内板があります。左は大聖院コース、右には奥の院への道が下り前方には弥山への石段が登り仁王門が見えています。仁王門前の石段脇には十八丁石が置かれていました。
 大聖院コース下山口はアーチ型の石階段から始まり、すぐ「厳島神社2.0km・桟橋2.5km→」の導標もあります。     7分ほど急な石段を下ると遊女が寄進したと云う「遊女石畳道」の石畳道となり「奉寄附捨間」と刻まれた二基の石柱が立っています。ただこの道は平成17年の土石流で流され新たに別ルートとして作られたもので、旧道は石柱の左手ですが「立入禁止」の標示があります。
 すぐ十五丁石(この参道は丁石の表記)で左下に白ひげ神社のある旧道の谷を見下ろしながら進みますが対岸には土砂崩れの先端部が見えています。
 下山口から11分ほどで前方が開け白糸川1号砂防堰堤の上に出ました。景観に配慮して表面に石材を張ったダムはようやく景観に馴染んできたように見えます。大野瀬戸方面に開けていますが今回は霞んでいました。
 十四丁石を見て対岸に渡ると谷は右手に変わりますが、表土が流失し露岩むき出しの谷は当時の激しさを想わせます。 
 この先は新しく作られた石段が続きますが結構急勾配です。ダムから10分余りで右手に巨大な一枚岩の「幕岩」(宮島観光協会資料によると高さ30m、長さ150m以上)が姿を見せました。ここがほぼ登山道の中間地点となります。 
 仏像の彫られた十丁石、九丁石を過ぎると落ち葉に埋もれた数体の野仏群があり傍らには平らなベンチのような石も見えました。
 石仏群を左に見送るとかつては岩屋大師と呼ばれていたと云う「賽の河原の前に着きました。岩屋には大師像を中心に多数の石仏が祀られています。2分で八丁石でここにも祠が祀られています。

○里見茶屋展望台13:19〜大聖院コース登山口13:43
 賽の河原から13分あまりで里見茶屋跡の東屋に着きました。東屋はコース随一の展望が得られます。少し霞んでいましたが厳島神社や千畳閣、五重塔など厳島神社エリア核心部の景観が一望できました。道標もあり「←大聖院0.7km・弥山登山1.8km→」となっています。
 茶屋跡からも続く急な階段を下ると12分ほどで瀧宮神社に着きました。神社の手前に4体の野仏が置かれ「天然記念物弥山原始林」と「白糸滝」の石柱が立っています。
 土石流災害から再建された神社の周辺は明るく開けて背後には白糸の滝が見えています。
 神社前は開け長い階段の先に瀧不動堂と大聖院の伽藍が見えています。谷を渡り対岸の道を進むと古びた雰囲気の瀧不動堂ですがこれも全壊し再建されたものです。
 1号砂防堰堤同様に岩組のように見える白糸川2号砂防堰堤を過ぎると宮嶋新地蔵の祠で、首や胴の折れた石仏と傘部分だけの燈籠などと土石流の爪跡を実感させられます。
 懺悔地蔵堂を過ぎて石鳥居をくぐると「瀬戸内海国立公園(宮島)」の案内板と「弥山登山道(大聖院コース)2.5km」の導標があります。すぐ先には「是よりみせんみち 仁王門へ十八丁、御山神社へ廿一丁廿三間、求文持堂へ廿一丁廿六間、御山頂上へ廿四丁廿四間」と刻まれた石柱です。さらに大聖院の入口には「みせん みち」の石柱が立ち、「←弥山登山道(大聖院コース)・もみじ谷公園、ロープウエー、桟橋→」と「水族館、大元公園、歴史民俗資料館→」の導標があります。
                        広島里山紀行記
 


 
    
           
 

 






   

      
  桟橋前は早朝とはいえ人影がありません      商店街から五重塔が眺められたのは新鮮な光景 
      
  定番スッポトからの鳥居も   これから向かう駒ヶ林も見えています 

        





       
  9:04 厳島の石柱を過ぎて大元公園に入ります   大元神社の前から登山口へ

   

   
  樹齢約100年と云うモミの巨樹が林立する公園を    9:22 案内板と弥山道と彫られた石柱があります 

   

   
  9:24 橋を渡ります    石段が現れました。参道であり石段が続きます

      





   
     9:42 弥山原生林の碑がありました   辺りは大元岩海と呼ばれる巨岩群が 

   

        
  9:48 富士岩に到着です   9:57 向かい合い鯉の親子岩と呼ばれる岩です

      





   
     厳しい登りが続きます    ジグザグを切っての登りを 

        





        
    10:25 十四町丁と水子地蔵    この辺りがコース中で最も厳しい登りとなります

        





        
    10:38 冷風が吹き出る風穴に着きました   風穴の前には太子堂があります

        

           
     大師堂の先に駒ヶ林の断崖があります      10:55 振り返るとほぼ垂直の崖が 

            
           岩肌に貼り付けたようなセッコクの花が  

   

   
  11:00 薄暗い岩屋の岩屋大師です   11:07 駒ヶ林と三剱山の鞍部に出ました

   

   
  11:09 鞍部を出発。文部省の石柱や導標が    登りから解放されてしばらくは水平道を 

   

   
  11:13 岩屋に三仏像が置かれています    遙かに岩船岳を望むことができました





   

      
  11:17 駒ヶ林登山口の三叉路です。直進は弥山へ       急な石段を


  

   
 
  11:23 駒ヶ林山頂に到着です  

   

  東正面は弥山で呉方面は弥山の影に隠れています。南方向には小黒神島と大黒神島などが広がります。
                             パノラマはこちらへ(平成25年当時)

            
 

         
  西方向には眼下に廿日市市から広島市街地方面が。 視界が良ければ経小屋山や船倉山の奥に吉和冠山や大峰山も  

   

   
  12:17 下山です   駒ヶ林登山口から弥山方向へ進みます

   

   
  12:28 大聖院コース下山口に着きました    石段の先には仁王門が見えています

   

   
  12:32 大聖院に向けて下山です    早速急な石段を下ることになります

   

   
 12:39 遊女石畳道をくだります。左に流失した旧道が   対岸には土砂崩れの先端部が見えています

   

   
  12:43 1号砂防堰堤下を越えて対岸に    特徴あるダムも風景に馴染んできたようです 

   
  
  災害後に新しく作られた石段が続きます    

       
      12:55 巨大な一枚岩の幕岩、手前は土石流の爪跡です  

   
  12:59 賽の河原に寄り道し         13:12 里見茶屋跡。厳島神社などの展望地です

      

      
     整備されていますが石段が続くと応えます           13:31 白糸の滝。水量が欲しいところです

   

   
  13:33 瀧宮神社。奥に白糸の滝が見えています   神社前の階段先に瀧不動堂と大聖院が 

   

   
  再建された瀧不動堂   大聖院の伽藍が見えてきました

   

   
  宮嶋新地蔵の祠、土石流の爪跡を実感    13:41 懺悔地蔵堂前の鳥居を越えます

   

   
  13:43 大聖院入口には「みせん みち」の石柱が    日中ですが閑散とした商店街

   
 
  コロナ禍とは云え観光客の姿は   
   
   

 
         
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