山 名 | 小茶臼山(茶臼山) 高峠山 宗箇山 大原山 |
標 高 | 180m 237m 356m 224m |
場 所 | 広島市西区・安佐南区 |
登 頂 | 2021.2.24 |
アクセス | ○JR西広島駅 ○JR三滝駅14:36→JR西広島駅14:50 |
コース | ○JR西広島駅9:00→9:34小学校登山口9:36→小茶臼山9:51 ○小茶臼山10:00→10:17三滝山分岐10:53→大迫団地登山口11:18 ○大迫団地登山口11:20→11:33展望岩12:30→高峠山12:31 ○高峠山12:31→三滝寺分岐12:49→宗箇山13:15 ○宗箇山13:25→双子岩13:40→大原山登山口13:51→大原山13:58 ○大原山13:59→反射板14:09→三滝本町登山口14:18 |
メンバー | 美11名 |
過去記録 | '20.2.26 '18.6.27 '16.2.10 |
【概 要】
小茶臼山(180m)は広島市西区に位置します。地形図上では茶臼山ですが一般に大茶臼山に対して小茶臼山と呼ばれています。四等三角点が置かれた山頂は中世の己斐城(平原城)本丸跡で曲輪などの遺構も保存状態が良いと云われます。樹木に囲まれて展望はこの時期でもわずかに南側に絵下山や宇品方面の街並みそして似島が望める程度です。
高峠山(237.4m)は西区に属し宗箇山山塊の南端になり三等三角点が置かれていますが地形図上は無名です。山頂直下の展望岩は太田川放水路の先に市街地と瀬戸内の多島美を一望できる絶景ビューポイントです。
宗箇山(356m)は三滝山とも呼ばれ広島市西区三滝町と安佐南区山本町の境界に位置しています。山名は広島が生んだ茶道宗箇流の開祖、上田宗箇が山頂に松を植えたことに由来すると云われ、桜や紅葉の名所として知られる古刹三滝寺の裏山になります。山頂は南が開かれて広島市街や沿岸部の山並みと瀬戸内海の島々を望めます。
大原山(224m)は地形図上は無名ですが四等三角点が置かれています。周りは樹林に囲まれていて眺望はありません。
今回はJR西広島駅から出発し小茶臼山に登って高峠山、宗箇山を縦走し大原山を経てJR三滝駅に至るコースでした。市街地からも近く公共交通機関を利用できるため一般向きハイキングコースとして人気があります。登山路は概ね良く整備されていますが小茶臼山と高峠山の間は一部迷いやすい場所があり注意が必要です。
○JR西広島駅9:00〜登山口(小学校)9:34
JR西広島駅から己斐中1丁目のバス通り(県道265号)に向かい中国新聞販売店の所に出ました。左折して己斐西方向に進むとすぐ右手に月極駐車場があり狭い道が上っているのでここに入ります。
細道が交錯して迷路のようですがともかく己斐東小学校
を目指します。やがて小学校が見えその背後に小高い小茶臼山が姿を見せました。駅から30分ほどで小学校前の2車線の道に出ました。ここは左折します(右折すると新山千手観音堂経由登山ルートの登山口に至ります)。
左折して交通量の多い道を進むとすぐ横断歩行橋がありますが、これは小学校専用で小茶臼山には連絡しないので利用しません。
2分ほどで登山口です。小学校の高い擁壁の所に金網フェンスで二分された急な階段が上っています。左側は「小茶臼山登山口
」の案内プレートが掛けられた登山路で右側は小学生の通学用となっています。右を使うと引き返す羽目になります。
○登山口(小学校)9:36〜小茶臼山9:51
長い階段を登ると校舎の裏に出ます。さらに登ると山中に入り13分ほどで「祈櫻花満々一家團楽」と刻まれた石柱が現れました。この辺りから城郭部になるのでしょうか、すぐ補助ロープの助けを借りての急登となりました。左手に「二の丸跡」の石柱があり、右手に道なりに登ると「本丸跡」の石柱が立つ山頂に到着しました。
○小茶臼山10:00〜登山口(大迫団地)11:18
四等三角点の小茶臼山山頂は小高く開けて数本のクヌギが立っています。中央には「己斐城跡
(平原城跡)」の石柱が立ち傍らに己斐中学校の城趾説明板が置かれてました。また「己斐の歴史研究会」の「己斐城跡(平原城跡)」の解説板や「茶臼山を愛し復元する会」の看板などと賑やかです。展望は意外に悪くわずかに南側に絵下山や宇品方面の街並みそして似島が望める程度です。
小茶臼山からは高峠山を目指し東方向に向かいます。すぐ急な降りで補助ロープが大いに助かります。降り立ったところは城趾の一郭で「東郭跡」の石柱があり桂原天神跡の祠もありました。
この先は明確な尾根道が続きます。水色の有刺鉄線に沿って進むと竹の侵出と倒木、イノシシの掘り返しと荒れた雰囲気になってきました。山頂から10分ほどで使途不明なレンガ造りの遺構が見られました。さらに4分で尾根のピークです。
ピークからは右手に下ります。2分ほど下ると「←小茶臼山」と「三滝山→」の小さなプレートが掛かっていました。ここには右手後方に己斐東小学校東側の新山千手観音堂からのルートが合流しています。少し下ると団地の奥に大茶臼山が望めました。この先は鉄塔管理道らしく幅広の良い道が下ります。ただ大変な急坂に加えて落ち葉とドングリで滑りやすく歩きにくいことこの上なしです。
プレートから3分ほどで左に高峠山、宗箇山への細道が分岐し、テープが巻かれた樹幹に「三滝山→」の小さなプレートが掛かっています。ここは縦走路の要注意地点
です。左折ポイントですが今回は足下に気をとられてこの分岐を見落としてしまいました。
そのまま管理道を降ると5分で14号鉄塔です。鉄塔から10分ほど降って誤りに気づき引き返しました。
改めて仕切り直して「三滝山→」のプレートから宗箇山へ向かいました。この先はこれまでの道と異なり悪路となります。3分ほど下ると青色の補助ロープが掛かっていました。降りた陰気な鞍部は不法投棄物が散在していました。道は不明瞭ですがテープなどを頼りに左手を登ります。
急な登りを5分足らずで終えると一部が開けて宇品港方面が望めました。ここには使途は不明ですがベンチ
のような石造りの構造物が置かれています(前回逆コースで小茶臼山を目指した際にはここで進路を誤り山手町に下山してしまいました)。
この石造りベンチから2分で大迫団地への下山路?と思われる分岐です。分岐はリボンやテープが巻かれている右手に上がりました。すぐ鉄塔ですが今回は登らず迂回して裾を巻きました。この先にも「←三滝山・小茶臼山→」のプレートがありました。
鉄塔下から5分ほどで防火水槽 があり己斐大迫団地に出ました。防火水槽の金網には「小茶臼入口
」のプレートが掛かっています。ガードレールを跨いで出たところの電柱は
「国迫分岐32H6」となっていました。
○登山口(大迫団地)11:20〜11:33高峠山展望岩12:30〜高峠山12:31
団地内を2分ほど歩いて三滝と己斐団地を結ぶ道路に出ました。右に下ると龍王公園、三滝少年自然の家方面で、向かい側が高峠山、宗箇山への登山口
となります。
とくに案内表示類はありませんが手摺り付き階段が上っています。ジグザグの急なコンクリート階段を上ると4分で12号鉄塔です。すぐフェンスが現れさらに6分ほど穏やかな良い道を進むと11号鉄塔です。明るく開けたマサ土の道を登ると高峠山展望岩に到着しました。
手製ベンチがある展望岩
からは太田川放水路に架かるJR山陽本線、山陽新幹線、JR可部線や新己斐橋、旭橋、庚午橋などの橋梁そしてその先に広がる市街地が手に取るように間近です。そして鉾取山山系、呉婆々宇山、絵下山など近郊の山々と似島、宮島などが浮かぶ瀬戸内の素晴らしい景観を楽しむことができます。
○高峠山12:31〜宗箇山13:15
展望岩から1分足らずで高峠山
ですが展望はありません。三等三角点が置かれた山頂には「高峠山(237.4m)」と「←大迫団地(バス停)・宗箇山→」の標柱が立ち、また「←三滝少年自然の家」の案内があり右から自然の家からの登路が合流しています。
高峠山から降り鉄塔を見送って穏やかな尾根道を登って行くと次の鉄塔で、ここからは己斐上中学校が目の下で柚木城山や見越山が見えています。次いで「大迫団地」のプレートがあり左に老人ホーム方面への道が分岐しています。この分岐からすぐ三滝寺からの道が合流して来ます。高峠山からは20分ほどでした。
三滝寺分岐
には「←高峠山(少年の家コース)・三滝山(宗箇山)→」と三滝寺方向には「三瀧寺(Aコース)」の導標が立っています。
三滝寺分岐から5分ほど登ると本道と巻き道の分岐です。左の巻き道に進むとすぐ手作りベンチのある展望地です。左手が開けて団地の先に小茶臼山や宮島が見えています。
展望地から3分で本道が合流し、合流点から10分で大茶臼山、丸山方面への奥畑分岐
です。「←大茶臼山、丸山」や「←三滝山・三滝寺→」の導標、「西区やまなみハイキングコース」の表示があり左に超急な道が下っています。穏やかになった尾根の道を進むと奥畑分岐から9分ほどで山頂に到着しました。
○宗箇山13:25〜大原山13:59
宗箇山山頂には手製ベンチが置かれ導標には「宗箇山(三滝山)山頂356m」の他に「←大茶臼山・丸山方面」、「←三瀧寺(Aコース)、高峠山(少年の家コース)・山本→」などと各方面の案内が示されています。山名の由来と云われる「四代目宗箇松」が植えられていますが松笠が多く付いておりこの松も早晩寿命を迎えるのでしょうか。
南側が明るく開けた山頂からは広島市街地の全容と江田島、能美島、似島、宮島など瀬戸の島々そして沿岸部の山並みが見渡せます。
下山はBコース
を利用して次の目的地の大原山に向かいます。下山口からすぐ視界が閉ざされ急な下り道となります。視界は無いものの明るい日差しの道を5分ほど下ると岩場の下りとなりました。
山頂から15分余りで大岩が二つ並んだ双子岩
に着きました。広島湾方向が開けて広島市街や似島、江田島などの島々が望めます。明るい尾根の道を少し下ると左に祇園町方面が開け右には宇品方面も望めました。
篠竹の茂る穏やかな尾根道を下ると双子岩から5分ほどで鞍部に出ました。砂防ダム工事用の広い作業路
が合流していますが、現在では三滝寺Bコースのメインルートになっているようです。
鞍部から一登りすると前方に大原山が顔を見せています。5分で大原山登山口で
右手に本来のBコースが合流しています。南北方向に「←長束・三瀧寺(Bコース)→」、と「三滝少年自然の家」、そして東西方向は「←三滝山(宗箇山)・大原山(三角点)→」と「西区やまなみハイキングルート」の導標が立っています。
直進して大原山に向かいます。急登が続きますが振り返ると宗箇山が見えていました。7分ほど頑張ると大原山の山頂です。
○大原山13:59〜登山口(三滝本町)14:18
四等三角点の大原山山頂はわずかなスペースがあるのみで展望も得られません。三滝本町へ向けて東側へ下ります。視界は遮られますが木立の中に明確な道が下っています。10分ほどで電波反射板に出ました。わずかに広島駅南のランドマークの高層ビルなどが見えました。3分ほど下るとT字路に出会いました。左は新庄方面と思われますので右折します。
4分で送電鉄塔
に出ました。広く開けた鉄塔は展望地で牛田山から宇品方面へと市街地中心部が一望できその奥に呉娑々宇山や絵下山などが連なっています。
再び林に入り竹林も見られる中、緩やかに下ると鉄塔から5分で団地に出ました。出た所は団地の最深部の三滝本町2丁目28の防火水槽
の脇でした。とくに登山口の案内表示はありません。団地の中を12分ほど歩くとJR三滝駅です。
広島里山紀行記