山    名   鬼ヶ城山 柚木城山 見越山 
標  高 282.4m  339・4m   315m 
場  所 広島市佐伯区・西区 
登  頂 2021.5.26 
アクセス ○登り:美鈴が丘3丁目バス停
○降り:山田入口バス停
コース ○椿谷登山口8:54→鬼ヶ城山9:28  
○鬼ヶ城山9:35→見越山10:52
○見越山10:55→柚木城山11:23
○柚木城山11:26→11:32鉄塔12:14→山田入口バス停登山口12:42  
メンバー 同道二人 
過去記録 2018..4.25 

 

                        【概 要】
 鬼ヶ城山(282.4m)、柚木城山(339・4m)、見越山(315m)は広島市佐伯区と西区に位置し、鬼ヶ城山には四等三角点、柚木城山には三等三角点が置かれ見越山は地図上に標高のみ記載されています。共にこれらは鈴が峰から武田山へと続く長大な広島南アルプス縦走路の一部を形成します。
 また鬼ヶ城山と柚木城山は広島デルタの西側を囲む山塊に存在した中世山城の立石城(大茶臼山)や鈴ヶ峰城と共に鬼ヶ城、柚木城の城趾と考えられています。
 両山とも地元の人たちによって登山路は良く整備され、近郊の里山でありながら充実した山歩きが楽しめます。鬼ヶ城山は広島市中心部が望まれ、特に直下の八畳岩は西側に美鈴が丘団地、東側には広島市街地と360°の眺望が得られる絶好の展望地です。見越山は樹木に囲まれていますが東側に市街地方面、南は広島港方面、似島と宮島などを見ることができます。柚木城山は展望には恵まれませんがそれでも東南に市街地方向に展望が得られます。
 今回は美鈴が丘東5丁目(椿谷登山口)から鬼ヶ城山に登って一旦草津沼田道路口に下山しそして見越山に登り柚木城山を踏んで山田入口バス停(霊泉寺跡)に下山するコースでした。ルート上には導標類がよく整備されており迷うことはありません。

○椿谷登山口(美鈴が丘東5丁目)8:54〜鬼ヶ城山9:28
 登山口のゲートを開き「椿谷」の案内を見て進むと椿谷整備ボランティア活動の拠点となる山小屋があります。公園化した遊歩道を緩やかに登ると13分ほどで最初の分岐に出ました。
 分岐には「←山頂、アンビン岩、山田団地へ・道行地蔵へ(登山口)→」と「←道行地蔵へ(登山口)・椿谷銘水へ(登山口)→」のプレートがあるので案内に従い左折し山頂に向かいます。4分の次の分岐に「←八畳岩から山頂へ・椿谷、道行地蔵へ→」の案内がありました。左に進むと直接山頂に向かいますが今回は八畳岩経由で山頂を目指します。すぐ先に「鬼ヶ城山山頂ルートスタート令和二年度」のプレートがあり新しいルートが開かれているようです。
 プレートを見送り7分で八畳岩(はっちょういわ)の下に出ました。八畳岩の裾を巻くと周辺は伐採され大小の岩が散在しており展望も以前に比べ開けています。ただ辺りは鬼ヶ城山国有林のため過度の開発には留意を求める警告文が見られました。景観確保と環境保全との兼ね合いが難しいところです。
 八畳岩は見上げるような大岩で草津八幡宮奥の院としてスサノオノミコトなどを祀った磐座とされているようです。説明によれば次のように書かれていました。

「八畳岩(はっちょういわ)
 この岩の表面には天狗の足跡と呼ばれる数個の窪みがあり、磐座(いわくら)と思われます。 記録では、神武天皇が260艘の船団を率いて東征した際、草津港が基地とされていました。当時は海が眼下の草津八幡宮の鳥居付近まで迫り、海岸線は己斐、可部、祇園まで達していました。草津港は前箭山で西風を防ぐことができ、波が穏やかで天然の良港でした。この八畳岩は、草津港に入った船から正面に見え、草津八幡宮の奥の院として、宇佐島、 奥津島、市杵島の三女神とスサノオノミコトが祭られていたようです。鬼ヶ城山頂の東斜面を少し下がったところに小八畳岩が確認できました。伝説によると二枚の岩は一枚であったが、ある時地震で半分に割れ、半分が落下して小八畳岩になったそうです。
参考 日本書紀 広島史話伝説」

 テーブル状の岩に立てば広島湾に浮かぶ宮島や安芸小富士や灰ケ峰そして鈴が峰、極楽寺山、窓が山など360°の展望が開けています。八畳岩から尾根道に戻り山頂に向かうと途中、展望が得られて新たにベンチが置かれていました。八畳岩から3分で鬼ヶ城山山頂に到着です。 

○鬼ヶ城山9:35〜草津沼田道路口登山口10:21
 山頂には四等三角点が置かれ陸軍輸送港域と刻まれた陸軍省の標石が立っています。山城跡らしく展望は良く東側前面に広島市街地とそれを取り巻く山並みや瀬戸内の島々そして背後には美鈴が丘団地などが広がります。
 東側には「小八畳岩へ 下り2分」の表示があり小八畳岩からはより近い位置からの展望を楽しめます。
 柚木城山に向かい北側に下ると右は「急坂」、左は「パノラマコース」の導標があります。パノラマコース下りました。こちらも急ですがロープや階段が整備されています。
 下ると遊歩道が左から合流します。合流点には「←山頂へ・遊歩道、椿谷、道行地蔵、他へ→」の案内が立っていました。
 広くなだらかな遊歩道を進むと「アンビン岩」入口の送電鉄塔ですが今回は省略しました。
 山頂から15分ほどの電波塔の脇を抜けるとなぜかコンクリート舗装路になりました。4分で山田新町の登山口で白い手すりとコンクリート階段が広電山田車庫方面に下っています。さらに6分で山田団地登山口の分岐で階段の先には団地がみえています。来た方向は「←鬼ヶ城山」、右は「草津沼田道路口→」の標柱が立っています。
 北方向に大茶臼山や柚木城山を見ながら穏やかな尾根道を進むと良く手入れされた深い竹林に下りました。
 山田団地登山口分岐から14分で田方の「草津沼田道路口」の登山口に下山です。登山口には「←鬼が城山・柚木城山登山口(信号を渡り右へ50m)→」の導標や「鈴が峰登山コース案内」、「西区やまなみハイキングルート」の案内図もみられます。

○草津沼田道路口登山口10:18〜見越山10:52
 田方3丁目信号を渡り右手(南方向)に約250mほど下ると「柚木城山登山口」です。ここにも「柚木城山登山口(草津沼田道路口)」、「←柚木城山・鬼が城山(信号を渡り左)→」の導標と「西区やまなみハイキングルート」の大きな案内図が立っています。
 この先にはコースで最大の難関の白い手すり付きの急な階段が待ち構えています。7分ほどで階段登りが終わると雑木林に入りました。視界はありませんが快適な登路が続きます。途中で宮島方向が開けて一息つけました。宮島を展望し「西区やまなみハイキングルート」のプレートをみるとすぐ尾根に出ました。
 尾根出口には向かう方向には「←柚木城山」、来た方向は「草津沼田道路口→」の古びた導標がありました。辺りは明るく開けて西側に極楽寺山から阿弥陀山、窓が山、向山などが望めます。
 再び雑木林に入りしばらく登ると分岐で直進は「柚木城山」のプレートがあり左は山頂を巻くトラバース道が分れています。最後の急登を耐えると4分ほどで見越山(みこしやま、みのこしやま)に到着です。

○見越山10:55〜柚木城山11:23
 見越山山頂には「315m峰(見越山)山頂」と「←柚木城山・高須・古江→」そして来た方向は「草津沼田道路→」の導標が立っています。霞んでいますが東側に市街地とその先に呉娑々宇山など、南は広島港方面が広がり似島と宮島を見ることができました。
 小休止後、柚木城山に向かいますがすぐに陸軍省の陸軍輸送港域第一區の石柱がありました。その先からは急な下りとなり5分ほどで分岐に出ました。
 分岐には「←柚木城山・315m峰→」の導標とMemoと書かれたルート案内図があります。案内図には左から合流するトラバース道は料金所、鬼ヶ城山への下山路、左の登りは315m峰や学院、古江への下山路、進行方向は己斐峠・柚木城山へとなっています。
 この先は柚木城山への主尾根の穏やかな縦走路が続きます。1番目の鉄塔を通過し分岐から10分で廃霊泉寺(山田入口バス停登山口)からの登路が合流しました。「山田バス停へ下る」と「霊泉寺・山田入口→」のプレートが掛かっています。この道は下山に利用するとして先ず柚木城山に向かいます。
 霊泉寺分岐から2番目の鉄塔を通過し、穏やかになった道を進むと柚木城山への直登道とトラバース道との分岐です。急登するとすぐ山頂に到着しました。

○柚木城山11:23〜山田入口バス停登山口12:42
  柚木城山(ゆきじょうやま・ゆきしろやま)は山城跡で三等三角点が置かれています。山頂は平坦ですが樹木に囲まれてわずかに東南の市街地方向にのみ開けています。
 展望の少ない山頂を後にし2番目の鉄塔まで引き返しました。2番目の鉄塔は明るく開け市街地から宮島、大野権現山などを望むことができます。
 大休憩の後、山田入口バス停への分岐に向かいました。鉄塔から6分の分岐で右折して下ります。
 下山路は利用者も少ないのか腐葉土化した落ち葉が堆積し倒木も見られるなど少々荒れ気味です。分岐から20分足らずで霊泉寺の入口に着きました。湧き水が8月6日の原爆記念日には平和公園に運ばれたと云う霊泉寺も今は更地、廃寺となり立入禁止となっています。立入禁止の札の前に立つ石仏がわずかに霊泉寺を偲ばせます。
 霊泉寺入口からすぐにフェンスが現れ車道の音が近くなりました。擁壁のフェンス沿に下ると県道71号の側道に下山しました。とくに登山口などの表示もありませんが山田入口バス停の傍です。西風みなとライン系統のバス停ですが便数は多くありません。
                                広島里山紀行記


 


 
 
          


  





   

      
  8:54 登山口はゲートを開けて入ります       フェンスの内側に椿谷の案内が

   

   
  ボランティア活動拠点の作業小屋の前を    9:07 遊歩道分岐を山頂方向へ

   

   
  9:11 次の分岐は八畳岩へ向かいました   振り返ると団地が。その奥に極楽寺山も 

                  
      9:20 八畳岩。見上げるような大岩でスサノオノミコトなどを祀った磐座とされているようです 

   

   
    辺りには大小の岩が散在しています

   
 
   八畳岩からは広島湾に浮かぶ宮島や安芸小富士、灰ケ峰そして鈴が峰、極楽寺山、窓が山など360°の展望を





   

      
  展望所も整備されて辺りは公園化しています      この道を登ると山頂


 

              
             9:28−9:35 鬼ヶ城山山頂。 四等三角点と陸軍省の標石が立っています

   
 
   広島市街地とそれを取り巻く山並みや瀬戸内の島々そして背後には美鈴が丘団地などが広がります  

   

   
     9:37 分岐はパノラマコースを下りました    9:41 遊歩道に合流しました

   

   
  快適な尾根道が続きます   9:54 舗装路に変わり山田新町からの道が合流 


        
  

   

     
  10:00 山田団地から合流。草津沼田道路口へ   しばらく穏やかな尾根道が続いた後は

   

   
  深い竹林の中をくだります   草津沼田道路が見えてきました

   

   
  10:14 草津沼田道路口に下山。導標と案内図が   10:16 田方3丁目信号を渡ります  

  



   

        
  10:18-10:21 柚木城山、見越山への登山口をスタート       すぐ急な階段が始まりました 

  



   

      
  10:28 階段を登りきると再び山道で       快適な道が登ります 

   

   
  霞んでいますが鈴が峰の先には宮島も   10:40 尾根に出ました
    
   
   尾根は開けて西側に極楽寺山から窓が山が    10:48 分岐は見越山へ直登しました 


 

   
  10:52-10:55 見越山に到着です。 東側に市街地、その先には呉娑々宇山などを望むことができます   

   

   
  霞んでいますが南には広島港方面と宮島などが    10:56 下山するとすぐに陸軍省の石柱が 

   

   
  11:01 トラバース道が合流します   主尾根の穏やかな道を柚木城山へ

   

   
  11:10 一つ目の鉄塔脇を   11:11 帰路に利用する霊泉寺への下山口を通過 

   

   
  11:17 2番目の鉄塔の脇を   11:21 分岐は直登して柚木城山へ 


  

         
       11:23-11:26 三等三角点の山頂。 樹木に囲まれてわずかに東南の市街地方向が開けています  

   

   
 11:32-12:14 2番目の鉄塔。宮島、大野権現山などを    12:20 分岐に戻り霊泉寺方面へ下りました 

   

   
  視界は無く利用者も少ない雰囲気です   12:35 開けた所に出ました 

   

   
  12:39 霊泉寺は廃寺となり立入禁止です   石仏がわずかに霊泉寺を偲ばせます 

   

   
  12:40 フェンスに沿って下りました   12:42 登山口にはとくに案内表示はありません

   
 
  すぐ傍に山田入口バス停があります  
   
   
   
   

 
           
inserted by FC2 system