山 名 | 文珠山・嘉納山 |
標 高 | 662.5m 691m(三角点684.7m) |
場 所 | 山口県周防大島町 |
登 頂 | 2022.10.19 |
アクセス | JR五日市駅8:07→JR大畠駅9:12 |
コース | ○文珠堂9:46-9:52→文珠山10:42 ○文珠山11:04→三角点12:07→嘉納山12:11 ○嘉納山12:45→文珠山13:54-14:07→文珠堂14:46 |
メンバー | 美、山の会11名 |
過去記録 | H29.3.15 |
山口県周防大島(屋代島)の脊梁として南北を貫く文殊山(662.5m)、嘉納山(684.7m)、源明山(624.5m)それに嵩山(618m)の4座は瀬戸内アルプス(周防大島アルプス)と呼ばれ人気のトレッキングコースとなっています。
これら中で文殊山は縦走路の起点となる山です。頂きからは西は室津半島の皇座山や柳井市街、北は琴石山、銭壷山そして西中国山地の山並み、東は広島市街、能美島などまた南は嘉納山、源明山、嵩山(だけさん)が望まれ、さらに遠くは国東半島そして四国山系や松山市街など360度のパノラマが広がります。
嘉納山は文珠山には劣るものの北から東方向の展望が得られ北側に文珠山、嵩山と久賀の集落、その先には瀬戸内海に浮かぶ広島県の島々なども見ることができます。
今回は文殊堂から文珠山に登り嘉納山まで往復して文殊堂に下山しました。文珠山までは多少荒れた個所もありましたが、縦走路は概して起伏も少なく導標も良く整備されて歩きやすいコースでした。
○文珠堂9:52〜文珠山10:42
周防大島は瀬戸内海の島としては淡路島、小豆島に次ぐ大きさですが、公共交通機関が無いため登山口の文珠堂まではタクシーを利用しました。JR大畠駅から大島大橋を渡り国道437号線から県道104号線文珠公園線に入り離合もままならない道を登って行きます。30分ほどでイチョウなどの木立に囲まれて静かに佇む一宇のお堂の前に到着しました。説明板に依れば文珠堂は弘法大師に由来し八〇六年に開山されています。日本三大文殊の一つとありますが現在は無住の質素なお寺です。
文珠堂前が文珠山の登山口になります。「Setouchi
Alps 文珠堂」の案内があって正面の急な石階段の方に「文珠山→」となっています。一方で絵図(コース図)にはお堂脇が嘉納山線歩道となっています。どちらもすぐ合流しますので今回は登りはお堂脇、降りは石段としました。コース図では文珠堂から文珠山までは40分、文珠山から嘉納山までは50分とあります。
穏やかな道を2分ほど進むと「文珠山・嘉納山・嘉納山線歩道→」の導標がありました。ここから本格的な山道となります。足下には大小の石がゴロゴロしているので歩みは自ずと慎重となります。
急登が続き最初の導標から17分ほどで「←文珠堂0.4km・文珠山0.5km→」の道標がありました。この案内の奥には滝と呼ぶべきか、小流れがあり良い雰囲気を醸し出しています。つづら折りの急登は階段が整備されているものの相当傷み手すりも既に用を成さなくなっています。
薄暗い植林帯の道に明るさが増して来ると文珠山へ0.5km地点から30分で嘉納山への縦走路に出ました。縦走路から右折すると1分で文珠山に到着です。
○文珠山11:04〜嘉納山12:11
四等三角点の文珠山の山頂はドーム状に綺麗に刈り込まれ、「文珠山」と刻まれた石柱や「Setouchi
Alps 瀬戸内アルプ」と書かれた黄色い案内標識が立っています。一段下がった所にはコンクリート造りの「文珠山展望台」があります。
展望台の屋上からは360度の眺望が開け、山名入りのパネルと対比させれば山座同定ができます。南方向には源明山・嘉納山、嵩山そして芸予諸島、四国の石鎚山など四国山系や松山市街も、西は室津半島の皇座山、大星山、笠佐島、柳井市街さらにその奥には国東半島、姫島なども見えます。北は琴石山、氷室山、銭壷山そして広島市街方面さらには西中国山地の山並み、東は能美島と広がります。
眺望を楽しんだ後は嘉納山に向かい南方向に階段を下ると縦走路で文珠堂からの道が合流します。合流点から5分で「←文珠山0.2km・嘉納山1.8km→」の導標があります。篠竹の中の広い縦走路を4分で文珠堂から続く文珠林道に出ました。なお林道はここで終点となります。「Setouchi
Alps ←文珠山・嘉納山→」と記された黄色い標柱や「文珠山山頂→」、「←嘉納山」のプレートもあります。
林道を横切り嘉納山への登山口から入れば薄暗い植林帯となりました。穏やかに登ると7分で「外敵進入防止の土塁」の説明板があり、長州征伐の時に築かれた防塁跡とありました。4分ほど下ると「四境の役・大島口の戦い・外敵防止の土塁」と記されたフラッグがあり道脇の土手状の土盛りが土塁のようです。
説明板から9分で「←文珠山0.8km・嘉納山1.2km→」の道標があり、さらに12分でベンチがあり「←文珠山1.2km・嘉納山0.8km→」の道標です。辺りにはアオキも多く見られました。
ベンチから再び登りとなりますが、途中で北東方向に少し展望が開け久賀方面が望めました。ベンチから13分ほどで「Setouchi
Alps」の「←文珠山・嘉納山→」のプレートです。案内プレートを過ぎると道が大きく右折し階段道は最後の登りとなりました。
明るい尾根に出てベンチから25分余り、右手に草むらに埋もれて見落としそうな二等三角点が置かれています。三角点から4分、茂った草むらの先が明るく開けて嘉納山に到着しました。
○嘉納山12:45〜13:54文殊山14:46〜文珠堂14:46
嘉納山は連山の盟主であり瀬戸内海の島では第二の高さとなります。中央部には砲台跡とされるコンクリート礎石が残っています。また「Setouchi
Alps・嘉納山684.9m」、「←文珠山・嵩山、源明山→」などの案内標識が立っていました。
文珠山には劣るものの北から東方向の展望が得られ北側に文珠山、嵩山と久賀の集落、その先には瀬戸内海に浮かぶ広島県の島々なども見えます。
大休憩の後は文珠山に引き返します。三角点を過ぎ階段を下り山すそを巻いて30分足らずでベンチです。奇妙な枝振りの目立つスギ植林帯に入り、「文殊山0.8km・嘉納山1.2km」の導標を過ぎ「土塁」を見て一登りすると左手に展望の得られる岩がありました。 ベンチから27分ほど下ると文殊林道で、林道を渡り7分で文珠山に帰着しました。
文珠山で再度展望を楽しんだ後は文珠堂へ下山です。幅はあるものの荒れ気味の階段道を35分ほど下ると、左手に鉄手すりの設けられた道が分岐していますのでこちらを採ります。石仏の安置された巨岩の岩屋を見送り、急な石段を下ると文珠堂の前です。文珠堂からはJR大畠駅までタクシーを利用しました。
広島里山紀行記