山    名   宮島弥山
標  高 535m  三角点529.7m 
場  所 広島県廿日市市宮島町 
登  頂 2023.1.11 
アクセス JR宮島口駅・広電宮島口駅→フェリー乗り場→宮島桟橋 
コース ○登り:9:20奥紅葉谷公園→10:45-10:53弥山本堂→11:02山頂
○降り:12:00山頂→13:08榧谷駅→14:34中村橋 
メンバー 美・山の会 11名 
過去記録 2022(R4).3.9   2021(R3).11.17  2021.2.10    2020.1.15 

 

 廿日市宮島町の宮島弥山は「廿日市20名山」の一山で、二等三角点が置かれ標高は529.7mです。ただ最高点は磐座石の535mとなります。
 山頂直下の弥山本堂は弘法大師による806年の開基とされ、本堂向かいの霊火堂は開山の際に焚かれた護摩の火が今も燃え続けていると云われています。
 山頂の弥山展望台からは遮るものがない360°の展望が得られ、瀬戸内海に浮かぶ島々や条件次第では四国の山並みまでを見渡せる絶景を堪能できます。
 島の大半が国有林で被われ、また文化財保護法や自然公園法などで規制されるため、登山コースとして紹介されているのは大聖院、紅葉谷、大元の3コ−スとなっています。
 今回は紅葉谷コースで弥山に登り博奕尾コースで下山しました。利用した博奕尾コースは紹介されている3コースには入っていませんが、導標などの整備もありこれらに準ずる扱いのようです。

○宮島桟橋8:43〜登山口9:20
 桟橋から町屋通りを抜け消防署の前に出て左折し紅葉谷公園に向かいました。「もみちたに道入口」と「もみちだに公園」の自然石碑を見送ると岩惣旅館前の「もみじ橋」に出ました。橋の入口には「特別 史蹟及名勝 厳島」の石碑が立っています。
 もみじ橋を渡り紅葉谷公園 に入るとすぐ四宮神社前で、ここには登山コースも紹介された「瀬戸内海国立公園(宮島)」案内板があります。
 早朝とあり観光客の姿も無い園内を抜けて、もみぢ荘茶店を過ぎると「紅葉谷橋」です。紅葉谷橋を渡った所で左折すると帰路となる中村橋に至ります。直進したロープウェー乗り場の手前に「←弥山登山道(紅葉谷コース)、ロープウェー、奥もみじ谷公園・桟橋、もみじ谷公園、厳島神社→」の導標が立っています。
 導標で右折し「奥紅葉橋」を渡ると奥紅葉谷公園 (紅葉谷園地)です。「重要文化財 紅葉谷川庭園砂防施設 案内図」と「←紅葉谷園地・弥山山頂2.3km→」の導標が立っていました。

○登山口9:20〜弥山本堂10:45
 公園が実質の登山口となります。「紅葉谷ルート 」の導標を見て出発すると2分ほどで「←紅葉谷0.3km・弥山山頂2.2km」の導標です。すぐの三号堰堤の標柱、続いて「←弥山山頂2.0km・紅葉谷0.5km→」の導標を過ぎると石段が現れました。穏やかに登ると登山口から約10分ほどで「←紅葉谷園地0.6km・弥山山頂1.9km→」の導標と昭和6年設置の「天然記念物彌山原始林」の石柱がありました。
 この辺りでは石段を避けて脇道ができており木製手すりも現れました。「原始林」の石柱から5分ほどで七号堰堤、次いで17分ほどで「←弥山山頂1.7km・紅葉谷0.8km→」の導標で傍らには海軍省の石柱がありました。参道らしく石段の連続で「←弥山山頂1.6km・紅葉谷0.9km→」の導標を過ぎた辺りから巨岩が目につくようになりました。
 九号堰堤、十一丁石を見て石階段を登り、海軍省の石柱から10分ほどの「←弥山山頂1.4km・紅葉谷園地1.1km→」の導標のある十三号堰堤で一息つきました。
 巨岩の間をぬう石段を登り「←弥山山頂1.3km・紅葉谷園地1.2km→」導標を過ぎる辺りから石段はますます急になっていきます。
 7号堰堤から40分で「←弥山山頂1.0km・紅葉谷園地1.5km→」導標があり、ようやく山頂1.0kmまでの地点まで登りました。厳しい階段が続きますがベンチ、続いて「←弥山山頂0.8km・紅葉谷園地1.7km→」の導標を見送り最後の急な石段を登るとロープウェー獅子岩駅と弥山山頂を結ぶ尾根道に出ました。登山口から約1時間ほどでした。
 尾根道合流点 には「←弥山山頂0.7km・獅子岩駅0.3km→」そして登って来た方向に「紅葉谷1.8km→」の導標があります。また宮島自然散策案内図、弥山原始林の説明板や「天然記念物彌山原始林」の石柱が立っています。
 合流点からは舗装された遊歩道に変わります。5分ほどで始めて視界が開けて獅子岩駅や瀬戸内海の展望が得られました。登山者数計測中とある登山者数カウンターを過ぎると再び景観を楽むことができました。急になった道を進み弘法大師由来の閼伽井堂(あかいどう)を見て、最後の石階段を登ると合流点から15分ほどで不動明王のお出迎えを得て弥山本堂前に出ました。

○弥山本堂10:53〜弥山11:02             
 弥山本堂は弘法大師による806年の開基とされ重要文化財の大梵鐘が安置されています。本堂向かい側には開山の際に焚かれた護摩の火が1200年間燃え続けているとされる「消えず火」で知られる霊火堂 があります。お堂は平成17年(2005年)に全焼という災難に遭い再建されたもので、堂内には不動明王が安置され、大茶釜で沸かした湯は万病に効くとされているので頂きました。霊火堂の火は平和記念公園の「平和の灯」とし分火されています。また本堂前には小さな地蔵が見られますが、これらは「消えずの火」の灰を混ぜて作ったものとのことです。なお社務所前に置かれた大聖院の鏡割り餅を授かるという幸せがありました。
 弥山本堂に参拝後は山頂を目指して霊火堂横の急な階段を登ります。鬼を祀った珍しい三鬼堂を過ぎ、崩壊し石仏だけが置かれている千手観音地蔵尊堂跡そして観音堂、文殊堂と登っていきます。文殊堂の前は少しだけ開けて対岸の廿日市市街や似島方面を望むことができました。
 進むと本堂から7分で左手に奇岩「くぐり岩 」が、右手には不動明王が祀られた不動岩などの巨岩が現れました。「くぐり岩」を過ぎると南側が開けて能美島から大竹市方面の展望が得られます。「皇太子殿下御展望跡」(裏面は二十四丁石)の碑の脇を通り門のような巨岩「磐座(いわくら)石」の間を抜けると山頂広場です。

○弥山12:00 〜獅子岩駅12:35
 弥山の広場中央部には「瀬戸内海国立公園(宮島)・宮島 弥山山頂 五三五米」の木柱が立って数体の石仏も見られます。最高点は磐座石 (535m)となりますが、広場には二等三角点(529.7m)の標石が置かれています。
 木材を多用した和の雰囲気の感じられる三階建の弥山展望台 からは、弥山のハイライトスポット、海と空と原始林の織りなす360度の絶景を楽しむことができます。
 北方向には宮島口から広島市街地、東側方向にはロープウェー獅子岩駅、その右手に大奈佐美島、その背後に江田島と西能美島、東能美島その奥には倉橋島が重なり、そのさらに野呂山など呉の山々も望めます。また南方向には小黒神島、大黒神島から阿多田島、その右奥には周防大島、西側には宮島の先峠山から三つ丸子山、駒ケ林と三剱山その先に経小屋山や大野権現山そして雪を戴いた芸北の山並みも連なっています。
 下山は博奕尾根コースとしました。下山路は磐座石の右手の大日堂経由と左手の文殊堂経由がありますが、往路の文殊堂の方へ下り10分足らずで弥山本堂に着きました。
 本堂から閼伽井堂まで戻り、遊歩道から分かれて左手の山道に入りました。途中獅子岩駅方面の景観を見ながら7分ほどで遊歩道に合流しました。
 紅葉谷コースの分岐からは遊歩道を緩やかに登ること8分でロープウェー獅子岩駅 に着きました。駅舎の西側には弥山山頂がみえています。

○獅子岩駅12:46〜中村橋14:34
 駅舎前の石段を登り獅子岩展望台に向かうと、ライオンの横顔のようにも見える獅子岩(背面には「晶洞群」の説明板があります)があります。巨大な露岩の獅子岩展望台 (標高430m台)は北〜東〜南方向に開けて厳島海峡の先に大奈佐美島、江田島、能美島など安芸灘の島々など瀬戸内海の多島美が広がっています。
 下山はとくに案内表示類はありませんが駅舎とトイレの間から尾根道に入り、先ずロープウェイ榧谷駅をめざします。この先からはルートのハイライトである展望の尾根道が始まります。コシダの茂る明るく穏やかな尾根道を降ると道にせり出した巨岩を巻きます。尾根は「三つ石尾根(みついしおね)」とも呼ばれるようですが大岩が3つほどありました。          
 獅子岩駅から10分余りですばらしいビューポイントの展望の岩があり、大奈佐美島や印象的な小黒神島などが浮かぶ多島美を楽しめます。ここで大阪からという団体と出会いました。展望の岩から段差の大きい急な道を降るとロープウェイ榧谷駅 の前に出ました。
  榧谷駅から背を屈めて駅舎の下を潜り、すぐ標高400mほどのピークへ登り返します。途中のまさ土の道は深く掘れ逆コースに使うと歩きにくいことでしょう。ピークに向けては明るい尾根道を登って行きますが振り返ると獅子岩駅と弥山が望めました。
 榧谷駅から10分ほどの所に風化した「包ケ浦・自然公園」の導標がありました。この辺りがピークと思われ多くのリボンが見られました。
 右手に大休峠と読める古いテープがあるので、尾根道を直進するメンバーと別れて降ってみました。僅かな踏み跡を手がかりに転げるようにして10分ほど降ると大休峠 の十字路に出ました。何のテープも案内類もありませんが直進の下りは包山方面、右は大砂利への道が分岐しています。
 メンバーに合流するため左手の道に入ると比較的明確な水平道が延ていました。視界が開けた所では大奈佐美島、能美島や開拓地などを眺めることができました。深いシダの道を抜けると十字路から15分で尾根道を降ってきたメンバーと合流できました。合流点には 「←もみじ谷公園・包ヶ浦自然公園・弥山登山→」の導標が立っています。
 導標から3分で、もみじ谷公園への下山口です。ここは分岐でうっかり直進しそうですが左に降ります。明確な案内表示類はありませんので下山時には注意が必要です。
 分岐から大きく左折すると急速に高度を下げて行き、背の高くなった樹林に視界も遮られるようになります。15分余りで包ヶ浦自然公園と紅葉谷の分岐点に出ました。左に「←包ヶ浦自然公園30分」、降りてきた方向に「←弥山登山」の表示があります。
 分岐からは包ヶ浦自然歩道になり道幅も広く階段も整備されています。分岐から4分のベンチのある休憩ポイントで小休止しました。ベンチから大野瀬戸方面を眺めながら降ると、3分で厳島合戦要図などの説明板が立つ博奕尾 です。
 博奕尾のすぐ先が紅葉谷と文部省道路(旧軍用道路)の分岐で「←もみじ谷公園・包ケ浦自然公園→」の導標が立っています。
 この分岐を左に降ります。支尾根に入りコシダの茂る明るい道を6分降るとベンチがあり「包ケ浦自然公園→」の導標が立っていました。導標先からはウリハダカエデの落ち葉に被われた薄暗い雰囲気の谷筋の道となりました。
 渓流沿いの遊歩道を降ると博奕尾から14分で舗装路が見えて登山口の中村橋 に出ました。橋詰には大きな「宮島自然散策案内図」の案内板そして「←桟橋・ロープウェイ、もみじ谷公園→」と「包ケ浦自然公園→」、「包ケ浦自然歩道」などの導標があります。
 中村橋から左折するとすぐ往路に渡った「紅葉谷橋」です。後は紅葉谷公園に入りもみぢ荘茶店、もみじ橋と往路をたどり観光客に混じって宮島桟橋に向かいました。
                                       広島里山紀行記


 


  

   





   

      
    8:43 宮島桟橋から出発です       蒼空に映える五重塔の前を

   

   
  8:58 もみじ橋を渡り紅葉谷公園へ   9:04 紅葉谷橋を渡ります

   

   
  9:05-9:17 服装調整後に奥紅葉谷橋を渡り   9:18 奥紅葉谷公園から紅葉谷ルートで山頂へ 

      





   
     9:29 天然記念物弥山原始林の碑   手すりが現れてきました 

   

   
  山頂まで1.6kmの導標辺りから巨岩が多くなり   10:14 山頂まで1.0kmの地点を通過です 

     





   
    最後の急登を終えると   10:28 獅子岩駅からの道と合流しました 

   

   
  10:31 一休みして山頂へ向かいました   10:37 視界が開け獅子岩駅方面が 

   

   
  10:43 閼伽井堂を過ぎて   10:45 弥山本堂前に出ました

   

   
  10:53 山頂へ向けて霊火堂脇の階段を   10:58 文珠堂

      
 
          11:00  奇岩、「くぐり岩」を潜ります  

  
  くぐり岩先の皇太子殿下御展望跡碑からは南側が開け能美島から大竹市方面の展望が得られます


 
   

      





   
    11:02 磐座石の脇を抜け山頂に到着です   二等三角点の山頂は磐座石を中心に巨岩が

   
 
  木材を多用した和の雰囲気の弥山展望台  
   

  
  東から南にはロープウェー獅子岩駅、大奈佐美島、その背後に江田島と能美島、小黒神島、大黒神島などが

      
  西から北には駒ケ林と対岸の経小屋山、宮島口から広島市街地そして雪を戴いた芸北の山並みも

            
   

   

   
  12:00 山頂から下山です  

   

   
  皇太子殿下御展望跡碑(二十四丁石)の脇を通り   12:18 閼伽井堂前から山道へ

   

   
  途中、獅子岩駅が望めました   12:25 遊歩道に合流しました

   

   
  12:27 紅葉谷コース分岐から獅子岩駅へ  12:35 ロープウェー獅子岩駅に到着しました

   

   
  巨大な露岩に立つ獅子岩展望台   12:46 獅子岩駅から下山です

   
  厳島海峡の先に大奈佐美島、江田島、能美島などが浮かぶ瀬戸内海の多島美が広がっています

   

   
  道にせり出した巨岩を巻きます   三つ石尾根と呼ばれるように大岩が3つほど 
 
       
       ビューポイントの展望の岩からは大奈佐美島や小黒神島などが安芸灘の島々が

   

   
    穏やかな道から一転、段差の大きい急な降りに    13:08 ロープウェイ榧谷駅の前に出ました 

     

      
    標高400mほどのピークへ登り返します      深く掘れたまさ土の急登も

   

   
  400m台ピークへ近づいたようです   13:19 ピークから大休峠へ下山してみました

   

  
  13:29 大休峠は十字路となっていました   尾根道に合流するため左手の道に 

   

   
  視界が開け大奈佐美島、能美島や開拓地などが   比較的明確な水平道が延ていました

   

   
  深いシダの道を抜けると   13:44 標柱の所で尾根道に合流しました 

   

   
  13:47 主尾根から分岐し、もみじ谷公園方面へ   急速に高度を下げて行きます 





   

     
  14:03 包ヶ浦自然公園と紅葉谷の分岐点に     自然歩道になり階段も整備されて 

   

   
  14:20 厳島合戦要図の説明板が立つ博奕尾です   14:20 文部省道路との分岐はもみじ谷公園へ 

     





   
    コシダの明るい道を降ります   14:34 中村橋に出ました

   

   
  14:37 往路利用の紅葉橋を渡り公園内へ   14:42 もみじ橋まで戻りました

   
 
  15:03 宮島桟橋に帰着です  
   
   
   
   

 
 
            
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