山 名 | 安芸小富士・下高山 |
標 高 | 278.1m 203.1m |
場 所 | 広島市南区似島町 |
登 頂 | 2022.3.24 |
アクセス | 広島港 |
コース | ○学園前桟橋9:47→登山口10:22→安芸小富士11:06 ○安芸小富士11:13→似島峠12:07→登山口12:23→下高山12:52 ○下高山13:35→登山口14:18→似島港14:28 |
メンバー | 美10名 |
過去記録 | R1.12.4 H29.3.8 H28.1.27 H27.2.25 |
広島市南区似島町の似島は市域の最南端に位置し、似島峠を挟んで南北に対峙する安芸小富士(278.1m)と下高山(203.1m)の2山にはそれぞれ二等三角点と三等三角点が置かれています。中腹から山頂にかけては瀬戸内海国立公園特別地域と林野庁の風景林に指定されているため都市近郊の島でありながら自然な環境が良く保たれています。またこの時期は自生しているミモザの花を楽しむことができます。
展望は良く安芸小富士からは眼前に宇品島、金輪島、峠山、江田島が浮かびその背後には広島市街地そして呉線沿線の絵下山、灰が峰などの山々など素晴らしい景観が開けています。下高山は東に沿岸部の絵下山、灰が峰、西に宮島弥山を始め経小屋山、南に大須瀬戸を挟んでクマン岳、大須山、北は極楽寺山、鈴ヶ峰などとパノラマが広がります。
登山コースは複数あり安芸小富士は東西南北から4コース、下高山は北(尾根コースと山麓コース)と東からの2コースが利用できます。
今回は東側の似島学園登山口から安芸小富士に登って一旦似島峠に下り東コースで下高山に登り尾根コースで下山しました。
○登山口10:22〜安芸小富士11:06
広島港から乗船し美しい稜線の安芸小富士を見ながら20分の船旅の後、学園桟橋で下船しました。旧陸軍弾薬庫通用門跡を見送って似島学園のグランドの脇を通らせて頂き講堂横にある登山口に向かいます。ただあるはずの講堂は撤去されて広い空き地となっていました。
講堂跡前で服装調整の後、登山開始です。コンクリート製階段を登り右に「いのちの塔」への道を見送ります。登山路の出だしは擬木の階段ですがすぐ深い溝状に掘れた道に変わります。下方に赤い屋根の学園校舎が見えてくると風化した花崗岩の滑りやすい岩肌を登ることになります。
登山口から18分ほどで国旗掲揚台に出ました。振り返るとカキ筏が浮かんだ海の先に能美島が見えています。一息つき山頂をめざますが掲揚台からは樹林に入り展望も無くなります。斜度を増した登路を8分ほどで、下高山と小富士との尾根分岐(「学園分かれ」)に到着しました。ここには「似島臨海少年自然の家・家下、似島港方面→」、「←似島学園方面」そして「似島臨海少年自然の家→」の案内があります。
右折して先ず小富士に向かいましたが、この先は上空が開けた明るい登路となります。すぐマサ土の深い溝状と階段の道が続きますが傾斜は緩いので助かります。分岐から10分ほどでコースのハイライト、花崗岩の露岩帯が現れました。砂礫に覆われた滑りやすい露岩部には脇道もできています。
露岩帯を終えマサ土の道を終え緩やかになった道を進むと尾根分岐から16分ほどで山頂に到着しました。
○安芸小富士11:13〜下高山12:52
二等三角点の山頂には赤く塗られた航空保安施設と「安芸小富士(標高278.1m)」のプレートそして監視所跡と云われるコンクリート製遺構があります。
市街地方面は最近手入れされらしく切り開かれていました。眼前には宇品島、金輪島、峠山、江田島が浮かびその背後には広島市街地そして呉線沿線の山々など素晴らしい景観が開けています。
眺望を堪能した後は下高山に向かって下山です。
花崗岩露岩帯からは眼下の家下(やじた)集落や似島港そして左翼に外方鼻、右翼に地獄鼻を従えた下高山が見えています。正面に青い瀬戸内海が広がり下高山へ続く稜線、宮島、沿岸部の山々が望める展望コースです。
露岩に慎重に下り18分ほどで学園分かれ分岐まで降りました。
左に学園ルートを見送り右折し「似島臨海少年自然の家→」の表示に従って下ります。出だしは深く浸食されているので脇道ができていました。視界が閉ざされ樹林に入ります。
4分ほどで次の分岐の「公園分かれ」に出ると多くの案内が見られます。ただ左手の「←展望台コース・小富士下山道」、「←似島臨海少年自然の家」、あるいは「臨海公園展望台→」、山頂方向が「←安芸小富士山頂」、「展望台コース・小富士下山道→」と少年自然の家方面への誘導が主です。右の似島峠経由の下高山への縦走路は目に付きにくい「似島(家下港)→」があるのみでした。
「公園分かれ」で右折して下高山に向かいます。落ち葉を敷き詰め大樹の見られる尾根道は島嶼部の山とは思えない雰囲気です。
高射砲陣地跡と思われる窪地の脇を抜けるとミモザの大樹のが見られるようなりました。数十本ほど自生していると云われるミモザは丁度見頃を迎え、鮮やかな黄色の花を咲かせていました。
お目当てミモザを堪能して尾根通しの歩きやすい道を進みます。「公園分かれ」から10ほどで足下の悪い急な下りとなり、次いで3分で竹林に入りました。
竹林の急な道を下ると17分ほどで「似島港分かれ」で「←広島市似島臨海少年自然の家」と「似島港(家下)→」の案内があり右に似島港へ、左に少年自然の家の道が分岐しています。ただ下高山の案内は見当たりませんでしたが直進します。すぐ左手から少年自然の家からの道が合流し、現在地の案内図とオリエンテーリングの道標も立っています。以前はうるさかった篠竹も切り開かれています。
篠竹の道を抜けると視界が開け前方に能美島、振り返ると小富士とミモザの咲くピークが見えています。下高山の頂を見ながら墓所を抜けると「似島港分かれ」から15分余りで家下(やじた)ととを結ぶ似島峠の舗装路に出ました。
舗装路を左手、大黄方向に進むと「似島小学校・中学校、原爆慰霊碑、下高山登山口→」、「←似島臨海少年自然の家・広島平和養老館・似島学園」、右に「似島桟橋→」の案内があります。(なお家下方向に数十メートル下ると今回下山に利用した下高山尾根コースの登山口があります)
2分で舗装路が大きくカーブするところに「下高山(標高203m)→」の案内がありコンクリート道が右に登ります。谷筋を登り尾根を回り込むと視界が開けミカン畑の先に海が広がっています。平坦なトラバース道を15分ほど進むと下高山登山口となる「中学校分かれ」で、左手に中学校からの登山道が合流します。
下高山登山口には「←下高山登山道入口」と「似島臨海少年自然の家・家下港→」の表示があります。この先は上空が開けた明るい登路ですが意外に厳しい急登が続きます。ひたすら登ること15分で尾根の176mピークに出ました。
176mピークは尾根コースの分岐で「←下高山山頂」の他に「←家下・似島港方向」と「似島臨海少年自然の家。似島小・中学校方向→」の案内があります。
分岐を左折し良い道を進むとすぐに右手が開け安芸小富士が望めます。似島港辺りは樹木が生長し見えづらくなっていました。進むと急な登りになり登り切ると視界が開けて正面に下高山が見えてきますがまだ距離があります。一旦下り急登を登り返すと190m台ピークです。ピークからは山頂が目の前です。下ると快適な尾根道で転落防止柵の張られた道からは眼下に大黄港や少年臨海少年自然の家、中学校そして峠島などが見えています。大岩の左を巻くと山頂です。
○下高山13:35〜登山口14:18
三等三角点の山頂は大岩があり藤棚のような構造物とベンチが置かれています。
山頂からは東に沿岸部の絵下山、天狗城山、灰が峰、休山、西に宮島弥山を始め経小屋山、大野権現山、野貝原山など、南に大須瀬戸を挟んでクマン岳、大須山、砲台山、野登呂山など江田島と能美島の山、北に極楽寺山、窓ヶ山、鈴ヶ峰、大茶臼山、呉娑々宇山など360度のパノラマが広がります。
下山は似島港に向かい往路をたどります。20分ほどで尾根コース分岐の176mピークに到着しました。「←家下・似島港方向」に従って左手に進むとすぐ急な下りとなりました。以前、地元の方に「まだ道が残っているのか」と驚ろかれた林中の道は幅も広くなり大変歩き安なっていました。
分岐から20分足らずで電波塔の立つ丘に出ました。荒れた印象のあった丘はきれいに整備されていました。左手に鈴が峰など、右手に呉線沿線の山々などを望むことができます。ここは左に荒神社ルートへのトラバース道が分かれますが今回は直進しました。
電波塔から4分で似島峠の登山口に下山しました。コンクリと階段を下った所に読みづらくなった「下高山(尾根コース)→」の案内があります。なお大黄(だいおう)方向に数十メートル進めば安芸小富士からの下山口があります。
似島峠からは工事中の舗装路を下って集落に入ります。集落に入ると島の道らしく軒を寄せ合う民家の間の細い路地となります。要所にある案内に従い10分ほどで似島胡神社(浜の宮)の前の似島港に着きました。
広島里山紀行 記