山 名 | 弥山 |
標 高 | 535m (三角点529.7m) |
場 所 | 広島県廿日市市宮島町 |
登 頂 | 2021.11.17 |
アクセス | JR宮島口駅(広電宮島口駅)→ フェリー乗り場→ 宮島桟橋 |
コース | ○登り:登山口10:44→11:48合流点分岐11:51→12:05本堂12:09→山頂12:18 ○降り:山頂13:03→13:35下山口13:37→登山口・大聖院14:49 |
メンバー | 美11名 |
過去記録 | 2021.2.10 2020.1.15 2019.1.9 2017.1.11 2016.2.3 |
【概 要】
宮島弥山(535m)は世界文化遺産であり、はつかいち観光協会が選定した「廿日市20名山」の一山に数えられています。山頂の弥山展望台休憩所からは遮るものがない360°の展望が得られ、瀬戸内海の多島美や四国の山並みまでを見渡せる絶景を堪能できます。
島の大半が国有林であり文化財保護法や自然公園法などで規制されているため、宮島観光協会が弥山への登山コースとして紹介しているのは大聖院コース、紅葉谷コース、大元コースの3コ−スです。その他の四宮ルート、多宝塔ルートなどは現在は入山禁止となっています。
今回は紅葉谷コースで登り大聖院コ−スで下山しましたが、導標や階段などは良く整備されていました。
○宮島桟橋10:03〜登山口10:41
宮島桟橋前から町家通りに入って10分ほど歩くと五重塔が見えてきます。ここで左手の小路に入り幸神社の前を上ると五重塔を眺める眺望ポイントがありました。
下って消防署の先で右折し紅葉谷公園
に向います。ロープウェイ行バス停の手前に「もみちたに道入口」そして岩惣旅館前にも「もみちだに公園」の自然石碑、もみじ橋の脇には「特別 史蹟及名勝 厳島」の石碑が立っていました。
赤く塗られた「もみじ橋」を渡り紅葉谷公園に入ります。すぐ四宮神社ですが辺りは見頃のモミジに覆われた紅葉谷公園の代表的景観が広がっていました。神社前の「瀬戸内海国立公園(宮島)」案内板に登山コースが示されています。
もみぢ荘茶店を左に見て二番目の「紅葉谷橋」を渡ります。左折し中村橋を渡ると博奕尾コースへつながりますが、ここは直進してロープウェー乗り場の手前で右手の「奥紅葉橋」へ向かいました。
橋を渡ると3分ほどでテーブルベンチの置かれた紅葉谷庭園の広場で、「重要文化財 紅葉谷川庭園砂防施設 案内図」が立っています。ここが実質の登山口となります。
○登山口10:44〜弥山本堂12:05
左手に「←紅葉谷園地・弥山山頂2.3km→」の導標、右手に「紅葉谷ルート」の案内板が立っています。防火水そうの案内を見て出発するとすぐ「←紅葉谷0.3km・弥山山頂2.2km→」の導標、続いて三号堰堤ですがこの辺りはコンクリート道です。
三丁石を見送り穏やかな道を登ります。「←弥山山頂2.0km・紅葉谷0.5km→」の導標を過ぎて四号堰堤を見送ると道が二分しますが左を進みます。
登山口から10分ほどで「←紅葉谷園地0.6km・弥山山頂1.9km→」の導標と昭和6年設置の「天然記念物彌山原始林」の石柱が立っていました。この辺りから石階段が見られるようになります。
七号堰堤先で植生の回復工事でしょうかグリーンのカラーコーンが置かれていました。カラーコーンは「←弥山山頂1.7km・紅葉谷0.8km→」の導標でも見られ傍らには海軍省の石柱も立っています。
「←弥山山頂1.6km・紅葉谷0.9kmkm→」の導標辺りから巨岩が目に付くようになりました。九号堰堤、十一丁石を見て巨岩の間を縫う道はさほど急ではありませんが石階段が続きます。
登山口から30分ほどの「←弥山山頂1.4km・紅葉谷園地1.1km→」導標で小休止です。
「←弥山山頂1.3km・紅葉谷園地1.2km→」導標を過ぎるころから次第に登山路は斜度を増していきます。そして手すりが現れると急登の階段登りで最後の踏ん張りどころとなります。山頂1.3km導標から15分でベンチがありました。
「←紅葉谷園地1.4km・弥山山頂1.1km→」の導標がある十三号堰堤を過ぎ、「←弥山山頂0.8km・紅葉谷園地1.7km→」導標辺りからは上空も開けてきます。最後の急登を頑張るとロープウェー獅子岩駅と弥山山頂を結ぶ尾根道に出ました。
この合流点には「紅葉谷1.8km→」と「←弥山山頂0.7km・獅子岩駅0.3km→」の導標そして宮島自然散策案内図、弥山原始林の説明板や「天然記念物彌山原始林」(史蹟名勝天然記念物保存法ニ依リ 昭和四年十二月文部大臣指定)の石柱が立っています。
合流点からは舗装路に変わり、すぐ右手に山道が分岐しますがこの道は再び舗装路に合流します。舗装路を登ると5分ほどで左手が開けて獅子岩駅や瀬戸内海の景観を楽むことができました。大岩の傍にある登山者数カウンターを過ぎるとそこでも展望を楽しめます。
急になった道を進むと弘法大師由来の閼伽井堂(あかいどう)で、ここで先ほどの山道が合流しています。急な石階段を登ると弥山本堂前に出ました。
○弥山本堂12:09〜弥山12:18
弥山本堂は弘法大師により806年の開基とされ、向かい側の霊火堂の消えず火は1200年間燃え続けると云います。弥山本堂に参拝後は山頂を目指しました。
神変大菩薩像の脇から急な階段から始まり鬼を祀った珍しい三鬼堂、そして崩壊した千手観音地蔵尊堂跡、観音堂、文殊堂と石段を登っていきます。
文殊堂の前は少し開けて対岸の廿日市市街や似島方面を望むことができました。穏やかになった道を進むと左手に「くぐり岩」、右手に不動明王が祀られた不動岩と迫力ある巨岩が現れました。「くぐり岩」を潜ると一気に南側が開けて能美島から大竹市方面の展望が得られました。皇太子殿下御展望跡の碑(裏面は二十四丁石)の脇を通り巨岩の間を抜けると弥山に到着です。
○弥山13:03〜仁王門13:35
弥山山頂は磐座(いわくら)石を中心に巨岩奇岩群が建ち並び独特の景観を成しています。広場には「瀬戸内海国立公園(宮島)・宮島
弥山山頂 五三五米」の木柱が立ち、二等三角点(529.7m)が置かれています。ただ最高点は磐座石(535m)です。
弥山展望台休憩所の3階展望台からは360°の展望が広がります。北方向には広島市街地、東方向には獅子岩駅や大奈佐美島その背後に江田島と東能美島、西能美島、その先に野呂山なども見えます。南方向には小黒神島、大黒神島から阿多田島、西方向には先峠山から三つ丸子山、駒ケ林と三剱山、大野の経小屋山が望めました。
下山は大聖院コースとします。下山路は磐座石の右側の大日堂経由と左側の文殊堂経由があります。今回は往路利用で文殊堂へ下りましたが、10分ほどで弥山本堂に着きました。
弥山本堂からは岩屋の十三仏、大日堂へ入口、水掛地蔵堂を過ぎ急な石段を降ります。御山神社への入口をを見送るとすぐ鯨岩です。鯨岩からは駒ヶ林と焼山(三剱山)、三つ丸子山などが見えました。石段の参道を下り十九丁石を見ると山頂から20分足らずで仁王門(平成11年の台風で倒壊し平成24年に再建)に到着しました。仁王門前には数基のベンチが置かれています。
○仁王門13:37〜大聖院14:49
仁王門下は十字路で「←弥山展望台(0.6km)・駒ヶ林、大元公園(2.8km)」と「←奥の院・大聖院(1.9km)→」の導標と「瀬戸内海国立公園(宮島)」の案内板があります。
直進は駒ヶ林、焼山(三剱山)と大元公園コース、左折は奥の院に、右折は大聖院コースで弥山と駒ヶ林との間の谷筋を下ることになります。
アーチ型の石階段を降ると「厳島神社2.0km・桟橋2.5km→」の導標があり急な石段が続きます。少し降った所にも「←弥山登山道(大聖院コース)・大聖院→」の導標がありました。
下山口から約7分ほど降ると「遊女石畳道」で「奉寄附捨間」と刻まれた二基の石柱が立っています。ただ現在の道は元の道が平成17年の土石流で消失したため新たに別ルートとして作られたものです。
左下に谷を見て降ると下山口から10分余りで前方が開けて白糸川1号砂防堰堤に出ました。景観に配慮して表面に石材を張った堰堤は辺りに馴染んできたようです。
対岸に渡り石段を登ると谷は右手に変わり、この先は急勾配の石段の道を降っていきます。堰堤から10分足らずで巨大な一枚岩(宮島観光協会資料では高さ30m、長さ150m以上)の「幕岩」が右手に姿を見せました。
落ち葉に埋もれた石仏群を見送ると左奥の岩屋に数体の石仏が祀られた賽の河原があるので寄り道しました。左手に小さな祠を見送り堰堤から30分ほどで里見茶屋跡の東屋に着きました。「←大聖院(0.7km・弥山登山(1.8km)→」の道標が立ち、厳島神社や千畳閣、五重塔など厳島神社エリア核心部の景観が一望できます。
茶屋跡からも続く急な階段を下ると瀧宮神社で、社の手前に天然記念物弥山原始林と白糸の滝の石柱が立っています。明るく開けた社の背後には嚴島八景の一つの白糸の滝が見えています。
神社からは長い階段が下りその先に瀧不動堂と大聖院の伽藍が見えています。瀧不動堂も瀧宮神社同様に土石流で全壊し再建されたものです。
一見岩組のような白糸川2号砂防堰堤を見て、宮嶋新地蔵と板書された祠を過ぎ対岸に大聖院を見ると懺悔地蔵堂です。
懺悔地蔵堂を過ぎて石鳥居をくぐると辺りは黄葉のモミジで秋色に染まっていました。降ると「瀬戸内海国立公園(宮島)」の案内板と「弥山登山道(大聖院コース)・2.5km」の導標が立つ大聖院コースの登山口です。
広島里山紀行記