山 名 | 弥山 |
標 高 | 535m 三角点529.7m |
場 所 | 広島県廿日市市宮島町 |
登 頂 | 2022.3.9 |
アクセス | JR宮島口駅(広電宮島口駅)→フェリー乗り場→宮島桟橋 |
コース | ○登り:紅葉谷コースト:登山口10:53→12:11弥山本堂12:14→山頂12:22 ○降り:四宮コース:山頂13:12→夕日観音の祠13:41→登山口14:38 |
メンバー | 美12名 |
過去記録 | 2021.11.17 2021.2.10 2020.1.15 2019.1.9 |
宮島弥山(535m)は世界文化遺産であり、はつかいち観光協会が選定した「廿日市20名山」の一山にも数えられています。山頂の弥山展望台休憩所からは遮るものがない360°の展望が得られ、瀬戸内海の多島美や四国の山並みまでを見渡せる絶景を堪能できます。
島の大半が国有林であり文化財保護法や自然公園法などで規制されているため、宮島観光協会が弥山への登山コースとして紹介しているのは大聖院コース、紅葉谷コース、大元コースの3コ−スです。その他の四宮ルート、多宝塔ルートなどは現在は利用が禁じられています。
今回は登りは紅葉谷コースでしたが、特別の了解を得ることができたため下山は四宮コースでした。
○宮島桟橋10:15〜登山口10:53
新型コロナウイルス対策の「まんえん防止等重点措置」解除の直後でしたが桟橋は閑散としていました。厳島神社の大鳥居は令和元年から行われている保存修理工事のためシートで覆われた状態です。
厳島神社の裏手から左折し消防署の先で紅葉谷公園に向かいました。ロープウェイ行バス停手前の「もみちたに道入口」と岩惣旅館前の「もみちだに公園」の自然石碑を見送ると「もみじ橋」です。橋のたもとには「特別 史蹟及名勝 厳島」の石碑が立っていました。もみじ橋を渡るとすぐ四宮神社前で「瀬戸内海国立公園(宮島)」案内板があり登山コースも示されています。
紅葉谷公園に入りもみぢ荘茶店を見て次の「紅葉谷橋」を渡ります。ここで左折し中村橋を渡ると博奕尾コースに入りますが今回は直進しました。ロープウェー乗り場の手前に「弥山登山道(もみじ谷コース)→」の導標が立っています。右に入り「奥紅葉橋」へ向かい橋を渡ると奥紅葉谷公園(紅葉谷園地)の広場で、「重要文化財 紅葉谷川庭園砂防施設 案内図」が立っており、ここが実質の登山口となります。
○登山口10:53〜弥山本堂12:11
参道の入口に「←紅葉谷園地・弥山山頂2.3km→」の導標が立っていました。出発してすぐの三丁石を見送ると「←紅葉谷0.3km・弥山山頂2.2km→」の導標、続いて三号堰堤ですがこの辺りはまだコンクリート道です。「←弥山山頂2.0km・紅葉谷0.5km→」の導標を過ぎて四号堰堤を見送ると道が二分しますが左を進みます。
登山口から10分ほどで「←紅葉谷園地0.6km・弥山山頂1.9km→」の導標と昭和6年設置の「天然記念物彌山原始林」の石柱が立っています。この辺りはすでに地道に変わっています。石階段が現れましたが石段を嫌い脇道ができていました。木製手すりも見られます。七号堰堤を過ぎ出発してから17分ほどで「←弥山山頂1.7km・紅葉谷0.8km→」の導標で傍らには海軍省の石柱も立っています。
「←弥山山頂1.6km・紅葉谷0.9kmkm→」の導標の辺りから巨岩が目に付くようになりました。九号堰堤、十一丁石を見て巨岩の間を縫う道は地道、石階段と続きます。
「←弥山山頂1.4km・紅葉谷園地1.1km→」導標、「←弥山山頂1.3km・紅葉谷園地1.2km→」導標を過ぎる辺りから登路は斜度を増していきます。手すりが現れて道が緩んだのもつかの間、急登の階段登りとなります。山頂1.3km導標から15分でベンチがありました。
出発して約40分、「←紅葉谷園地1.4km・弥山山頂1.1km→」の導標がある十三号堰堤でここで小休止としました。
十三号堰堤からも厳しい階段が続きますが上空も開けて10分ほどで「←弥山山頂0.8km・紅葉谷園地1.7km→」の導標です。さらに4分、つかの間だけ道は緩むものの最後の階段でこれを越えるとロープウェー獅子岩駅と弥山山頂を結ぶ尾根縦走路に出ました。
尾根合流点には「紅葉谷1.8km→」と「←弥山山頂0.7km・獅子岩駅0.3km→」の導標そして宮島自然散策案内図、弥山原始林の説明板や「天然記念物彌山原始林」(史蹟名勝天然記念物保存法ニ依リ 昭和四年十二月文部大臣指定)の石柱が立っています。ただ獅子岩駅方面はロープウェーが定期点検中でロープが張られていました。
合流点からは舗装路に変わります。すぐ先には弥山本堂につながる山道が分岐していますが今回は舗装路を登りました。5分ほどで始めて視界が開けて獅子岩駅や瀬戸内海の景観を楽むことができます。大岩の傍にある登山者数カウンターを過ぎるとそこでも展望が得られました。急になった道を進み弘法大師由来の閼伽井堂(あかいどう)を見て最後の石階段を登ると合流点から15分で弥山本堂前に出ました。
○弥山本堂12:14〜弥山12:22
弥山本堂は806年、弘法大師による開基とされます。向かい側は今では「恋人の聖地」としても知られる霊火堂で、1200年間燃え続けると云われる「消えず火」がみられます。この消えず火は各地に分火されているようです。
弥山本堂に参拝後は山頂を目指しました。神変大菩薩像の脇から急な階段から始まり鬼を祀った珍しい三鬼堂(弥山の守護神である三鬼大権現を祀る)、そして崩壊した千手観音地蔵尊堂跡、観音堂(観音菩薩を祀る)と文殊堂(文殊菩薩を祀る)と石段を登っていきます。文殊堂の前は少し開けて対岸の廿日市市街や似島方面を望むことができました。
進むと左手に奇岩「くぐり岩」、右手に不動明王が祀られた不動岩と迫力ある巨岩が現れました。「くぐり岩」を潜ると一気に南側が開けて能美島から大竹市方面の展望が得られました。「皇太子殿下御展望跡」の碑(裏面は二十四丁石)の脇を通り巨岩「磐座(いわくら)石」の間を抜けると山頂広場で正面に弥山展望台が見えています。
○弥山13:12〜登山口14:38
山頂広場には「瀬戸内海国立公園(宮島)・宮島 弥山山頂
五三五米」の木柱が立っています。中央部に二等三角点石(529.7m)が置かれていますが最高点(535m)は巨岩の磐座石になります。
木材を多用した和の雰囲気の感じられる三階建て展望台からは瀬戸内の海と島とが織りなす360度の大パノラマを堪能できます。
北方向には宮島口から広島市街地、東側方向にはロープウェー獅子岩駅、その右手に大奈佐美島、その背後に江田島と西能美島、東能美島その奥には倉橋島が重なり、そのさらに野呂山など呉の山々も望めます。また南方向には小黒神島、大黒神島から阿多田島、その右奥には周防大島も見えています。西側には宮島の先峠山から三つ丸子山、駒ケ林と三剱山その先に経小屋山や大野権現山、芸北の山並みも連なっています。
下山は四宮コースとしました。四宮コースは立入禁止ですがメンバーの膝痛のため、階段を避ける最短ルートとして特別の了解を得ることができました。ただ原則利用が制限されているため、報告は画像中心としてレポートは最小限に留めまたコース概念図は省略します。
四宮コースの下山口は展望台の裏手になります。当然ながら案内表示などはありません。
金網で囲まれたソーラーパネルの金網を過ぎるとすぐ急な道を下ることになります。この先は階段など人工物もなく平坦な部分もありますが原則急坂の連続です。展望の少ないコースですが10分足らずで右手に獅子岩駅が望めました。倒木も見られますが手つかず状態です。
下山から30分ほどで夕日観音の祠があり小さな石仏が安置されています。この先は緩急を繰り返し岩も見られるようになります。35分ほどで右手下方に対岸や朱塗りの鳥居が時折望めるようになりましたが、道は風化花崗岩の滑りやすい急な道となりました。
最後の急坂を下り終えると紅葉谷のもみぢ荘茶店前に下山しました。
広島里山紀行記
13:12 下山は了解を得て四宮コースで | すぐ急な降りの道となりました |
平坦な部分もありますが | 原則急下りの連続です |
倒木が見られますが | 当然未処理状態です |
立ち枯れも放置です | 明るい陽光の中、厳しい下山路が続き |
急降下すると | 13:41 夕日観音の祠横に降りました |
夕日観音からも急な降りが続きます | 道には岩も見られました |
時折対岸や鳥居が望めるようになると | 道は風化花崗岩の滑りやすい道に |
最後の急下りを終えると | 14:38 紅葉谷公園に出ました |
宮島桟橋に帰着しました | |